こんにちは。関口です。

前回の「高級娼婦」の話についてはいかがでしたか?

さて、本日の知恵のタイトルは、『なぜ「とある診療所」は朝8時に100人以上も患者が来るのか?』です。

実は「とある診療所」があります。そこの名称をお伝えするわけにはいかないので伏せておきますが、そこがスゴイのです。 

何がスゴイのでしょうか?

 

スゴイ行列ができる診療所なのです。まさにブランディングの力と言えます。

そこでは朝の8時半に診療が始まるのですが、朝8時ちょい過ぎに行くとすでに100名以上の患者が待機していることがあります。それが毎日のように続いているのです。

建物の1階で待ち、2階にある待合室に誘導されるのが8時、そして8時半に診察がスタートするのです。

診察開始30分前の8時過ぎにはあっという間に待合室の席が埋まってしまい、座れる席がなくなってしまいます。

ある朝、私はタクシーでその診療所へ向かい7時半に到着して付き添い者として氏名を用紙に記入した時はなんと40番目。その後、8時までの間に送迎バスが2回も患者(+付き添い)を最寄り駅から運んできたのです。待機する人が8時過ぎにはあっという間に100人を越えたのです。

だから8時半くらいに行くともう大変。何時間も待たされ、午後になるまで名前が呼ばれないことも。このように待ち時間が長くて大変です。でも、ご安心ください。なんとカフェが併設されているのです。そこで1~2時間ほど過ごすことも可能です。

とにかく、季節に関係なく毎日そういう状態だそうです。

よく聞いてみると、「新幹線を利用して来た」「近くのホテルに前泊して来た」という患者も少なくないようです。

だから驚きです。

 

冬のインフルエンザ流行時の内科など、とても混雑した光景を何度か見たことがありますが…。そこは毎日が大混雑。

でも、なぜそこまで混雑するのでしょうか?

気になった私は一般的な診療所との違いをいくつか発見したのでそれをお伝えします。

一言で伝えると、 No.7の「英語の先生から教わった!courtesan(高級娼婦)はなぜ高くても集客できるのか?」のcourtesan(高級娼婦)と同じ状況を作り出していたということです。

同じ状況とは何でしょうか?

「それは、患者の方から探し出して、ようやく見つけた!」「やっと診察してもらえる!」ということです。そういう状況を敢えて作り出していたのです

よく目にする職人や研究者のような医師と異なり、その診療所の院長は「とても商売が上手い!」人ということです。ブランディングが上手いのです。

では、「患者の方から探し出して、やっと診察してもらえる!」という状況をどうやって作り出していたのでしょうか?

私は、次の4つの点に注目しました。

それらは「書籍」「ネット」「有名人」「傲慢」です。

そこの院長先生は本を何冊か出版していました。また、ネット対策を上手くやっていました。ネットは専門家に運営を任せているはずです。

また、首相経験者と一緒に写真におさまり、「●●先生は私の主治医です!」というメッセージが記載されたポスターが待機スペースに大きく貼り出されているのを目にしました。

おまけに、なんとエレベーターの中には書籍の広告が貼り出されていたのです。他にも…。

再び長くなってしまうので、細かな説明は省きます。

 

ところで、一般の人はどうやって診療所を探すと思いますか?

恐らく、自宅や職場など、近くから候補となる診療所をいくつかネット検索などで探し出し、そこから絞り込みをするでしょう。

ある人は、身近な人に「どこかいいお医者さん知らない?」「皮膚科なんだけど…」などと意見を求めることもあるでしょう。別のある人は、ネットの口コミをインターネットで細かくチェックするかもしれません。

さらに別の人は、診療所の前まで行ってみて、最寄り駅からのアクセスや人の出入りなどをチェックすることでしょう。

でも「近所の診療所の先生では駄目だ!」「別のもっと腕のいい先生に診てもらった方が良い!」などと判断した場合は、次にどうするでしょうか?

そういう場合は、「ネット検索」「書籍の購入」「同じ場面に遭遇した知り合いから情報を得る」などというケースが多いかと思います。同じ場面(病気)に遭遇した知り合いがいなければ、結局、ネット検索して第三者の意見を参考にすることになるでしょう。

「〇〇については〇〇先生がいい」という情報を得ると、かなりの遠方であろうと、そこまで出向いて診てもらおうとする人は少なくありません。例えば、福島市や静岡市在住の人がはるばる東京の歯医者さんに診てもらうために、新幹線で月1~2回ほど通っているという話を聞いたことがあります。

 

とにかく、その院長先生は、情報(専門家)を探し出そうとする人の動線上に、自らの存在が目に入る工夫をしていたということです。

それが「書籍」であり「ネット」ということです。今後はそれがどう変化していくのかわかりませんが…。

また「有名人」を使うことは信用力のアップにつながります。しかも、首相経験者ですから一般人とは大きく違うのです。強力な権威を示すことになります。そこらの一般人の声だと「ヤラセ」の可能性があります。例えば、中国人や韓国人の写真を拝借してきて、架空の人物をでっち上げている人もいます。

「No.12」で説明しますが、同じような商売をやっている仲間同士で、ある「カラクリ」を駆使して実績を作り上げて、売上を5倍、10倍にも増やしている人がいます。

「No.4:高額塾のセミナー、受注獲得の手口は?」でも説明しましたが、少しお金を払えば顧客役を演じてくれる人はいくらでもいます。「闇バイト」があるように、金さえもらえれば犯罪に手を染める人もいる時代です。何でもありの時代です。

だから、「首相経験者からのおすすめ」となれば、非常に権威があり、説得力がありますよね?

次に「傲慢」ということについて説明します。

これは「No.2:上司を持ち上げるセミナー!」に書いた内容と同じです。頭をペコペコ下げるようなことはしないということです。「私はとても忙しいんです!」「私のところには海外からも患者さんがはるばるやって来るのです」などと常に言い放ち、患者を突き放すような言動すら何度も見せるわけです。

私の身内の者は「なぜ、ここまでひどくなる前にウチに来なかったのですか?」とも言われました。以前に通院していた大学病院を露骨に否定する発言を何度か耳にしました。

そういう傲慢さも「ぜひ、この先生にお願いしなければ…」「この先生なら、なんとかしてくれるかもしれない!」「他の診療所では駄目だ!」「もうここしかない!」などという心理になる状況を作り出していることがわかります。

繰り返しますが、「書籍」「ネット」「有名人」「傲慢」がキーワードということです。

しかも、先に書いたカフェにについても「患者やその付き添い人が油を売るための場所」というよりも、むしろ「教育・育成の場」だったのです。

私もPRを活用したブランディングを指導しています(→詳しくはこちら)が、この医院長はPRがやたら上手いのです。ブランディングが大成功したということです。おそらく、第三者(コンサル)が入って支援しているはずです。

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