戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【ビジネス書015】
2019年 1月 16日(水)
本日紹介する「Human+Machine 人間+マシン」については、「人間と新たなテクノロジーがパートナーになっていく!」など「関口のつぶやき、感じたこと」欄で何度かお伝えしました。
本日は「関口のつぶやき、感じたこと」欄には紹介しなかったことを中心に、書籍の内容をお伝えしていきます。
ところで、AIが現在、そして未来に与える影響を正しく理解するには、それが業務プロセスにどのような変革をもたらすのかに注目しなければなりません。
人間とマシンの共存関係は「ビジネス変革の第3の波」と呼ぶものへの扉を開いているのですが、過去を振り返ってみると、これまでにも大きな波があったとのこと。
第1の波は「プロセスの標準化」がもたらしました。プロセス全体を構成する個々のステップにおいて、計測と最適化、標準化が可能となり大幅な生産性向上が実現しました。
また第2の波をもたらしたのは「プロセスの自動化」でした。1970年代に始まり、1990年代のBPRの流行でピークを迎えました。この第2の波は既存のプロセスを自動化することを意味していました。
さらに第3の波をもたらしているのは「適応力のあるプロセス」の登場です。そこではゼロから再設計された適応力のある業務プロセスが実現されます。人間とマシンが協力して、ビジネスにおけるパフォーマンスを桁違いに改善します。
アクセンチュア社の調査では、さまざまな業界におけるリーディングカンパニーが既に第3の波に乗っているとのこと。彼らは自動化を最大限まで進め、今では人間とマシンのコラボレーションから価値を生み出すための、次世代プロセスとスキルの開発に取り組んでいるそうです。
人間とマシンが敵ではなく味方として協力し合い、互いに補完しあうとき、企業はそのパフォーマンスを最大化できます。そこで人間とマシンが共に働くことで、新しい仕事や職務体験が生まれてくるという融合スキルの概念を強調していました。
しかし、「人間だけの活動」と「マシンだけの活動」の中間領域には隙間があり、著者はそことを「ミッシング・ミドル」と名付けました。その隙間(ミッシング・ミドル)を埋めることが重要なのですが、それを埋めようとしている企業はまだごくわずかしかないとのこと。
ミッシング・ミドルには、人間とマシンの関係から新しい仕事が生まれます。そうした新しい仕事の多くは、AIシステムが人々とより複雑なインタラクションをできるようになるために、人間がマシンをトレーニングするという内容です。
とにかく、企業はAIが持つ力をフル活用するためにも、ミッシング・ミドルを埋めなければならないのです。
AI技術を導入する最前線の企業を見てきた経験から、著者は経営者が取るべきステップを5つに整理しています。それが「MELDSフレームワーク」です。次の通りです。
なお、経営陣はミッシング・ミドルを埋めようと急ぐのではなく、まずは基礎を固めなければなりません。具体的には、ルーチンワークを自動化し、従業員のポテンシャルを最大限に引き出すことに焦点を当てるべきとのこと。
最初に取り組むべきは、RPA導入など一連の定型的なプロセスの自動化となります。
「仕事がなくなる!」などとロボット化・AI化を恐れるのではなく、時代の変化をチャンスとして捉えるべきでしょう。次のコラムは、こちらから!
最後に、この本の中で紹介された先端技術を武器に活躍している、いくつかの企業を紹介します。
上記の中には廃業に追い込まれた、あるいは社名変更した会社が含まれますが、ぜひ参考にしてみては?
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