【経営・戦略020】 

2022年 11月 26日(土)

こんにちは、関口です。

今回のコラムは中小企業のDXについてです。前回まで2回連続で掲載した経営計画に関するコラムの3回目は次回にご期待ください。

さて、中小企業のDXについて、KADOKAWAから出版された「デジタル人材がいない中小企業のためのDX入門」という本を紹介いたします。

この本を知ったキッカケは、日本経済新聞に掲載された書籍&出版記念セミナーを告知する全5段広告でした。著者である長尾さんが経営する会社では、書籍とセミナーをセットにした全5段広告を日経新聞によく出稿するのです。

日経新聞にセミナー案内の全5段広告を繰り返し出稿する会社がいくつかありますが、長尾さんの会社はその1つです。

今回、新たに出版された「デジタル人材がいない中小企業のためのDX入門」の広告を目にした私には「中小企業には中小企業の戦い方(DX)がある」というキャッチが気に入りました。全くその通りだと考えています。

では、中小企業の戦い方(DX)とはどういうことでしょうか? 長尾さんの会社が日経新聞に出稿したいくつかの原稿の一つにいくつかの主張が記載されていました。そこで、今回のコラムでは、その主張に関する説明文を引用しながら、私の意見を述べていきます。               

 

長尾さんは世間で言われている一般的なDXのあるべき論を否定しています。本には、巷に流れる「DX成功の3つの条件」は無視せよと書かれていました。

では、一体、成功の3つの条件とは何でしょうか? それは次の3つとなります。

  1. 経営者がDXにコミットしなければならない
  2. 経営者がDXを含めたビジョンを描く必要がある
  3. デジタル人材を確保しなければならない

1つ目の「DXにコミット」については、企業の経営者としては、「今はまだよくわからないけど、まあ、やってみよう」という意思決定を社内に示せば十分とのことです。

2つ目のDXを含めたビジョンについては、「よくわからない」ところからのスタートであり、いろいろなことを試行錯誤してみて、その体験の中からデジタルの価値を発見するのが普通の流れと記載されていました。

3つ目のデジタル人材の確保については、ハナから無理とのこと。大企業でもデジタル人材の採用に苦労しているのに、中小企業が優秀なデジタル人材を採用できるわけがないのです。IT企業でさえもデジタル人材の確保に困っているほどであると書かれていました。

ところで、「デジタル人材」とは何でしょうか? ちょっと調べてみたところ、最先端のデジタル技術を活用して企業に対して新たな価値提供ができる人材だそうです。

また、最先端のデジタル技術は時間の経過と共に変化していくことになります。今だと、「IoT」「AI」「生体認証」「メタバース」「Web3.0」などが最先端のデジタル技術に該当するのでしょうか?

さらに、個人的には前々から使われていた「IT人材」と何が違うのだろうかという疑問が湧いたので調べてみました。デジタル人材は、先に述べた通り、最先端のデジタル技術を活用して企業に対して新たな価値提供ができる人材です。一方のIT人材は、ITの活用や情報システムの導入を企画、推進、運用する人材だそうです。つまり、デジタル人材が「価値を提供する者」なのに対してIT人材は「実行する者・運用する者」となります。

長尾さんの本にはDXの本質についても書かれていました。これはあくまで長尾さんの個人的な意見ですが、中小企業におけるDXの本質とは、“限界費用ゼロでビジネスを拡大させる”という武器を手に入れること、と記してありました。

ちなみに、限界費用とは生産量を増加させたときに追加でかかる費用のことになります。本に書かれていた定義には「商品を1つ生産(販売)するときに発生する追加費用」とありました。いったん初期費用を払い、システムを導入すれば、そのシステムで100件の処理をしても、1000件の処理をしても、10万件の処理をしても、基本的に追加費用は発生しません。こういうことが限界費用ゼロということになります。

「中小企業がDXで競争優位を確立するためには、限界費用ゼロというデジタルの特質を最大限活かすべき」と長尾さんは主張しているのです。

私が考えるに、限界費用ゼロで最もわかりやすいのはコンテンツ販売ではないでしょうか? 必死になってコンテンツ教材を作ることを想定してみましょう。それがたった2人にしか売れなくても、1万人に売れてもコストは殆ど変わらないのです。

1,000円で売ったとしたら、かたや売上はたったの2,000円、かたや2,000万円にもなります。これこそが限界費用ゼロというデジタルの特質を最大限活かしたビジネスではないかと思います。

ただし、1万人に売るために広告費に膨大な費用を投入していたら、デジタルの特質を活かしたことになりません。

とにかく、こういう限界費用ゼロというデジタルの特質を最大限活かせた企業が圧倒的に儲けているのです。

次に、長尾さんの広告原稿に記載されていた他の主張の一部を紹介します。

私は、この主張についても同感です。書店に足を運ぶと、DXの解説本が多数出版されています。しかし、米国企業や大企業の成功例を紹介しているだけのものが多く、中小企業向けのものは少なくないのが現状とことですが、「まさにその通り」だと思います。

また、「大企業の成功事例をいくつか集めて研究しても、あまり役に立ちません。中小企業が、現場の目線で、具体的に何をすればいいのかを示すものはほとんどないのです」と記されていましたが、DXに限らず、PR広報などのアプローチについても大企業の事例では中小企業に向いていないことが多いのです。まさに「大企業の事例をマネようと思うな」ということになります。

 

中小企業には中小企業のDXがあるのです。次回は、再び経営計画についてのコラムとなりますので、ご期待ください。

中小企業が「あるべき姿」への到達を目指して

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