【経営コンサルタント063】 

2022年 8月 6日(土)

こんにちは、関口です。

コンサル業界が空前のバブルにあるからだ。足元では、絶対王者、アクセンチュアや打倒アクセンチュアを掲げるデロイト トーマツ コンサルティングなどが社員を爆増させているのだ。

これは、つい8月2日(火)にダイヤモンド・オンラインで配信された記事の冒頭の下りです。

「コンサル業界が空前のバブル」とのことですが、それはアクセンチュアやデロイトといった大手のコンサルティングファームの話。その一方で、「殆ど売れない人も意外と目立つ」というのが私の実感です。

詳しいことはこちらの動画の中で説明しましたが、コンサルタントとして掲げるテーマによって「売れる・売れない」の間に大きな差が生じていることは確かだと思います。

売れるテーマについては、こちらの動画を参考にしてみてください。

一方、売れないグループの中には「残念ながら、これでは売れないだろうな!」と感じる人たちがいます。特にそれを感じるのはオリジナル(独自)のコンテンツで売り出そうとするひとりコンサルの人たちです。

このやり方は、名のもない、資金力もないひとりコンサルには向いていないのです。これは、一定以上の知名度がある、あるいは、一定以上の資金をプロモーションに投資できるような人だからこそ上手くやれる方法ではないかと考えています。

オリジナルコンテンツで売り出そうとするコンサルタントの中には、コンテンツづくりのために相当な時間を掛ける人がいます。時間だけではなく、コンテンツづくりに50万円や100万円以上もの大金を投入したという人もいます。

ところが、残念ながら、殆どの人はまるで売れないのです。

コンテンツづくりに時間を掛けても、ロジカルにまとめ上げたとしても、自己満足で終わってしまいがちです。多くはコンテンツづくりが目的になってしまうようです。このように手段が目的になってしまうのです。

自分では達成感を味わうことができるかもしれません。しかし、結局のところ、見込み客に認知してもらい、魅力を感じてもらえなければ全く意味がない(カネにならない)のです。

また、あなた(コンサルタント側)は「オンリーワンや唯一無二のコンテンツ」のつもりかもしれません。しかし、コンサルティングは顧客あっての商売です。顧客がそれに価値を見出してくれなければ、残念ながら顧客の獲得にはつながらないのです。

では、どうすれば、名もないひとりコンサルタントが独自のコンテンツでコンサルティングのサービスを売ることができるようになるのでしょうか? そのためには、次のようなハードルをクリアしなければなりません。

1)認知してもらう

これがスタートとなります。あなたの独自のコンテンツについて見込み客に認知してもらうためには、一定以上のプロモーション投資が必要になるはずです。よく目にするのは数百万円以上を投入して本を出版するという方法です。

また、中には奇妙なネーミングでコンテンツを売り出そうとする人もいます。確かにネーミングだけで判断する限り、オンリーワンになるかもしれません。しかし、へんてこなネーミングのため人の目に留まらないかもしれません。これでは認知というハードルのクリアが難しくなってしまいます。

2)興味を持ち、理解してもらう

「認知」がスタートとなりますが、その後に興味を持ってもらわなければなりません。また、「なるほど、こういうロジックで利益が出るのか?」などとコンテンツの魅力を短時間で伝えるための工夫が必要です。さもないと、見込み客はより深く知ろうとする前に去ってしまいます。これについては「利益倍増」「売上2倍」などと好き勝手なスローガンを掲げれば良いわけではありません。

3)懐疑心を払拭してあげる。「ウチもやりたい」と思ってもらう

あなたのオリジナルコンテンツについて見込み客が理解してくれたとしても、まだ高いハードルがあります。「ぜひ、ウチでもそれをやってみたい」と思ってもらうためには、「これは本当に大丈夫か?」と考えている見込み客の懐疑心を払拭しなければなりません。

そこで必要になるのは知名度や実績です。見込み客が知っている●●社などでの導入実績が求められます。「A社で導入しました」「B社でも、C社でも導入しました」という実績を示すことです。こういう実績がない限り、集客がとても難しくなるはずです。

なぜなら、殆どの経営者は「どこの馬の骨だかわからない輩のコンテンツに大金を払ってコンサルしてもらおう」などと考えないからです。世の中にはいかがわしい業者も多く存在するので、警戒心を解いてあげる必要があるのです。

また、殆どの経営者は(経営者自身が)「課題である」と認識していることの解決に手を貸して欲しいのであって、無名コンサルタントのコンテンツを学ぼうなどとは考えないのです。しかし、孫正義、稲盛和夫、永守重信などのビックネームがあれば、事情が大きく異なります。

このように、いくつかのハードルを越えなければならないのですが、先に述べた通り、一定以上の資金をプロモーションに投資する覚悟があれば、オリジナルコンテンツで勝負する(売り出そう)というやり方は「あり」です。その際、コンテンツの売り出しは、認知を獲得するためにプロモーションとセットで検討すべきなのです。

しかし、立派なオリジナルのコンテンツづくりを行っただけでは、殆どの人がまるで上手くいかないのです。理由は、認知させるというハードルすら乗り越えられないから。

そこで私のおすすめがあります。

一定以上の資金をプロモーションに投資するという覚悟がないのであれば、頭を切り替えた方が良いでしょう。別の方法で売り出すべきです。

無理にオリジナルコンテンツで売り出そうとすることよりも、むしろ「今の自分」を、どうしたら売り出すことができるかを考えることです。

独自のコンテンツで売り出そうとすると、一見するとオンリーワンや唯一無二になりますが、実際には「認知」の獲得すら大変です。結果として、集客に苦労し、金が掛かるようになるのです。

だから、そのようなリスクの高い方法に手を出すのではなく、「今の自分」を売り出すことを目的にベストな方法を探すのです。

あなたが選ばれる場合、(あなたの)コンテンツの良し悪しだけで選ばれると思いますか? それよりも、あなたのキャリア、精通している業界・業種、外見、年齢、人柄などさまざまなことを踏まえた上で選ばれるはずです。

もしコンテンツで選ばれるのなら、注目度の高い(既に知名度を獲得した)ヨソ様のコンテンツを拝借して売り出した方が集客が楽になります。ヨソ様の知名度や信用力を活かした方が遥かに楽なのです。

とにかく、あなたに、ぜひやっていただきたいことは、「顧客の理解」です。これは、「どのような顧客が、あなたのどういうところに魅力を感じるのか?」「あなたの何に価値があると判断するのか?」ということをよく理解することです。

これについては無料でできる方法があります。

それは案件に応募してみることです。今では顧問や副業などの案件がネット上で簡単に応募できます。応募してオファーを勝ち取ることです。事前にちょっとしたプロフィールを登録しておけば、意外と簡単に応募できるのです。

なお、WEB上に掲載された内容(文章)だけで判断されるクラウドソーシングのようなサービスではなく、1~2回の面談(含:オンライン)を行った上で選んでくれる案件が良いでしょう。

わずか3~4件の応募では1件も勝ち取れないかもしれませんが、20件、30件、40件と応募件数を増やせば複数のオファーを勝ち取ることができるでしょう。

その際に、絶対にやった方が良いことがあります。それは、「候補者が、20人、30人、40人もいた中で、なぜあなたが選ばれたのか?」「選ばれた理由は何か?」「何に価値を感じてくれたのか?」「他の人たちと何が違っていると感じてくれたのか?」ということを徹底的にヒアリングしてみることです。

これが非常に貴重な情報となり、まさに「顧客の理解」となります。「(あなたが考えている)あなたのウリ」と「顧客が求めているもの」との間にあるギャップを埋めるヒントを得ることができます。

この情報をベースにあなたのコンサルタントとしてオファーする内容、見せ方・伝え方などを工夫することができるはずです。顧客を理解した上でコンテンツづくりに取り組むことも可能となります。

「顧客の理解」なしに自分の頭の中だけでつくった独自のコンテンツでは、売り手都合の一方通行なノウハウの押し付けになりがちです。しかも、それを駆使して売り出そうとするには金が掛かるのです。

そんな大冒険に出るのではなく、どうしたら「今の自分」をベストな形で売り出すことができるか? これについてオファー(仕事)を獲得しながら検討してみることをおすすめします。

商売の基本ですが、「顧客の理解」が非常に重要なのです。

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