戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【関口のつぶやき、感じたこと 092】
2024年 2月 10日(土)
こんにちは、関口です。
今回は、前回のコラムで触れた「最初の一歩の踏み出し方」の3つのアプローチの中でも特に注目した「直接アプローチ」の具体的な進め方について説明していきます。自治体との有意義な面談を実現するための初歩として、事前にどのような準備を整えるべきか、そのポイントに注目してみます。また、目前のチャンスをしっかりと掴むために知っておくべき、具体的なステップやコツについて、わかりやすく解説していきます。
過去に掲載した「自治体営業の可能性を探る:中小企業のための戦略的アプローチ」と題したコラムで触れたように、まずはターゲットとする部署(課)や事業を明確にすることが大切です。
始めるべきは、対象となる事業の現在の課題やニーズ、これまでの経緯、そして政策の方向性について、しっかりと理解を深めることです。大きな流れとこれからの展望を掴むことを目指しましょう。ここでは、細部に拘泥するのではなく、全体の概要をつかむことが肝心です。
この過程で得た情報は、自治体に対して貴社の製品やサービスをどのようにフィットさせ、彼らの目指す目標にどう貢献できるかを考える上で非常に役立ちます。また、このリサーチを通じて、課の担当者を特定できる可能性が高まります。
さらに、私がおすすめするのは、対象となる(狙っている)自治体だけでなく、他の自治体における動きも把握することです。特に、「どの自治体がこの事業分野で先駆者となっているのか?」という点に注意を払うのです。先進事例を探求することで、「貴社にビジネスチャンスはあるのか?」「貴社は何を提案すべきか?」「どのような貢献が期待されるのか?」といったことについて、重要な洞察を得ることができます。また、これにより不要な提案を避けることができます。
「事前リサーチと準備」の段階を終えたら、次は自治体の担当部署(課)や担当者への直接アプローチがスタートします。ただし、民間企業向けに行っている明らかな売り込みスタンスで接触すると、残念ながら距離を置かれるだけです。
民間企業の場合でも同じですが、いきなり知らない会社から電話が入ったら、「売り込みだろう」と受け取られ、応対もそれなりになりがちです。「担当にお伝えしますので、必要であればこちらからご連絡します」と言われても、実際には連絡が来ないことが殆どです。これでは、逆効果に終わりかねません。
そこで、私がお勧めするのは、前述の「対象となる事業の現在の課題やニーズ」を理解することを目的に問い合わせをすることです。これは自治体の公式ウェブサイト上の問い合わせフォームを通じて行うと良いでしょう。重要なのは、この時点での目的は営業活動ではなく、情報収集にあるということです。「面談のお願い」という直接的な要求ではなく、対話を通じて共通の課題解決への道を探ることがこのアプローチの本質です。
このように、過去に何度も繰り返した通り、民間企業向けの営業スタイルとは大きく異なるアプローチが必要なのです。
複数の自治体にアプローチした場合、返答がない、あるいは、あまりにも漠然とした回答しか返ってこないケースが半数以上を占めることになるでしょう。その理由は担当者から「緊急性が低い」と判断されたのかもしれません。「(返信するのは)面倒臭い」と思われたのかもしれません。理由はさまざまですが、それでも構わないのです。問題意識を持っている担当者からは、しっかりとした反応が得られることが多く、この段階で自然とふるい分けが行われるのです。
以上、最初のステップとして、自治体のウェブサイトに設置された「問い合わせフォーム」を活用することをお勧めします。この初期の問い合わせに続くステップについては、次回のコラムでさらに詳しくお伝えする予定です。
なお、自治体が主催するイベントやセミナーに参加し、関連する人々と直接交流を図る方法も有効です。しかし、すぐにそうした機会を見つけられない場合も考えられるため、今回は特に問い合わせを通じたアプローチに焦点を当ててご紹介しました。
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