戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【経営・戦略021】
2022年 12月 4日(日)
こんにちは、関口です。
先月の11月に2回にわたり「経営計画」に関するコラムを掲載しました。今回はその続きで、経営計画に関する3回目のコラムとなります。「経営計画」の中でも「運用」についてお伝えします。
経営計画の運用に関しては十人十色でいろいろです。A社にはA社のやり方がある一方、B社にはB社のやり方があってOKなのです。
だだし、私は経営計画の運用には大きく2つのポイントがあると考えています。
1つ目は、「社員への浸透・落とし込み」、そして2つ目は、「目標に向かって前進するための刺激やわくわく感」となります。特に、2つ目は非常に重要だと考えています。
いくら立派な経営計画を立案しても、それが社員に浸透しなければ、何も意味をなさない「絵に描いた餅」になってしまいます。「ものづくり補助金」などの補助金を獲得するために作成した経営計画については、一般社員に見せる機会はないでしょう。だから、本来の経営計画としての目的を果たすことはなく、補助金を獲得するために用意した書類の一つにすぎないのです。「経営計画もどき」の経営計画になってしまうということです。
だから、経営計画を作成したら、それに満足することなく、それを社員に浸透させ、これに沿って実行してもらうことが「must」となります。
そのためには何が必要でしょうか?
それは全社レベルのものとして作成した経営計画を、チーム(部課)レベルにブレイクダウンすることです。同様に、これをさらに個人レベルにブレイクダウンし、個別のアクションプランを明確にする必要があります。
また、アクションを明確にするだけでなく、その成果を確認するためにも、何かしらの形で評価する制度が必要となります。振り返りが必要なのです。
このように社員への浸透・落とし込みが必要なのですが、巷にはさまざまな「〇〇しなさい」論があちこちらに出回っています。
例えば、次の通りです。
細かな運用方法は、マチマチであり、「これがベストだ」というやり方は企業によって異なるかと思います。【経営・戦略018】および 【経営・戦略019】のコラムの中で紹介した「小さな会社は経営計画で人を育てなさい」という本には、『リーダー・社員を育てる「経営計画」運用法』というタイトルで運用に関して細かなことがあれこれ書かれていますが、その通りにする必要はないのです。誰かが作成したフォーマットやテンプレートに従う必要などないのです。細かな運用方法は会社によってマチマチなのです。
ポイントは、社員へ浸透させる・落とし込む必要があるということです。
ところで、計画を立てる際のゴールは、必ずしも厳密に計画を実行することではないのです。
では、なぜ計画を立てるのでしょうか? それは心構えをしっかり持ち、自分の目標を実現するための絶好のチャンスに飛びつくためではないでしょうか。目の前にあるチャンスに気づき、見逃さないようにするためです。
また、どんな目標であれ、それを達成した瞬間にスタート地点に戻ってしまうことがよくあります。つまり、あることを達成した際の満足感や充足感は長く続かないとうことです。
ということは目標を立てる唯一の目的は、目標の追求そのものではないでしょうか? 言い換えると、「目標にすると自分が決めたことに対して目的意識を持つこと」となります。
しかし、その目標が行動のきっかけにならないなら、その目標が無意味ということになります。これは、形の上では目標を立てたことになるのですが、行動が伴わないということを意味します。適切な目標であれば行動を刺激するはずです。
要するに、目標そのものは、目標が促す行動に比べて重要度が低いということ。経営計画にも同じことが言えるのです。経営計画そのものは、あまり重要ではなく、実行に踏み込むことができなければ計画の価値がないのです。
今日、私たちが目標を立てるのはなぜでしょうか。それは行動するように私たちを刺激するためです。だから、例えば週の目標を掲げる場合、1週間経ってもその目標が行動を促さないような場合は、別の目標を立てることです。目標を立てる目的は、これからやるべき行動を刺激するためですから。
とにかく、私は目標を立てることを強く勧めています。今後、その目標が変わることになったとしても、いいのです。目標通りに時間が経過しなくても良いのです。目標を持つことで、これまでと違うことをしてみたくなるものです。それが目標に求められる最も大きなことではないでしょうか。繰り返しますが、目標が行動を促す役割を担っているということです。
また、自分が定めた目標に向かって前進するためには、勢いやエネルギーが必要となります。そのことを理解することでそれが可能になるわけですから。だからこそ社員を刺激し、ワクワクさせるような目標を掲げることが必要なのです。
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