戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
戦略プロセス経営実践会では、このような志を持つ企業に大きな価値を提供できると考えています。
このサブテーマにおいて、当会が提唱するのは「自社にしかできない独自のストーリーづくり」と「それを活かしたメディア戦略の展開」です。
重要なのは、「選ばれる存在になること」です。ただし、それは単に最も安いから「選ばれた」という料金の安さで選んでもらうことではありません。消費者には他にも多数の選択肢があるにも関わらず、選んでもらうことです。
BtoBからBtoCへの新規展開において、事業の立ち上げ当初は、社員の知人や友人に買ってもらう方法があります。これは費用が掛からず、立ち上げの初期段階において売上を作る有効な施策です。ただし、無理にお願いして買ってもらうことは意味がありません。また、社員の紹介に依存する方法では、すぐに限界に達してしまい、その後の顧客獲得が低迷する原因になります。
そのため、選ばれる存在になるためにも、損益に注意を払いながら、はじめから戦略的にアプローチすることが必要です。
重要なことは認知度を高めることです。資金力のある企業は広告費をかけ、さまざまな手段でターゲット顧客にアプローチして自社の商品・サービスの認知を獲得しようとします。しかし、潤沢な資金がない中小企業の場合はどうすべきでしょうか?
そこで当会が提唱するのは、「自社にしかできない独自のストーリーづくり」と「それを活かしたメディア戦略の展開」ということです。
「自社のモノ・サービスを広く売り込みたい!
そのためには、まずはターゲット顧客に自社の存在やサービスについて認知してもらうことが何よりも重要です。
ただし、その前に、「一体、誰が顧客なのか?」ということを明確にする必要があります。同時に、その顧客が何に価値を見出しているのかを理解することが重要です。
その上での認知獲得が不可欠です。
少し脱線しますが、商品やサービスだけでなく、個人についても認知を獲得することが重要です。例えば、同じ大学の同じ経営学部の教授でも、メディア露出が多い教授の方が名が知られるようになり、講演や社外取締役への就任などの依頼が増えて活躍の場がさらに広がります。
このように、あらゆる分野で「知名度」が大きな価値を持ちます。そのため、中小企業においても、自社のモノ・サービスについて認知を獲得することが非常に重要な課題となります。
なお、日本全体の人々に認知される必要はありません。重要なのは、ターゲットを明確にし、彼らに適切なメッセージを、適切なタイミングで伝えることです。
多くの企業の社員が陥りがちな誤りがあります。
それは、「ウチの商品には、こんなに素晴らしい機能がある」と機能面を強調しようとすることです。
しかし、大切なのは、顧客にもたらす「ベネフィット」を伝えることです。カタログや仕様書に記載された「機能面のメリット」を伝えるだけでは、顧客の心に響きません。
ですから、「機能」を「利点」に転換し、さらに「利点」を「顧客の感情的なメリット」に変換することが重要です。具体的な喜びや満足を表現し、買い手が感じる「感情的なメリット」に焦点を当てることです。
単に「機能面のメリット」を強調するアプローチでは不十分なのです。そこで、顧客の視点でストーリーを組み立て、彼らの体験や業務に対する感情的な側面に訴えかけることで、本当に必要な価値を伝えることができます。
単に「機能面のメリット」による訴求ではダメということ。顧客目線で顧客の人生体験などと重ね合うストーリーを作り、感情面に訴えかけることで、顧客にとって本当に必要な価値を伝えることができます。
価値はストーリーで伝える:共感を呼ぶ商品訴求
商品の価値をアカデミックな表現で単刀直入に伝えても、相手の頭にはまるで入りません。同様に、学術論文に使われるような説明では、一般人に受け入れてもらうことが難しいです。
しかし、ストーリーとして伝えると、人の記憶に残りやすくなります。このように、価値を伝えるにあたってのポイントは、『ストーリー(物語)』と『共感』です。
私たちは毎日、膨大な量の情報と接しています。その殆どは、頭の中から忘れ去られてしまいます。だからこそ、少しでも覚えてもらうための工夫としてストーリーが必要なのです。
あなたの会社についても、ストーリーで伝えることができるはずです。
ちなみに、青汁の場合、単に『国産(熊本産)の大麦若葉を使用』や『〇〇と比べて食物繊維が〇倍含まれている』といった訴求は、売り手目線の話に過ぎず、インパクトが弱いです。インパクトが弱いと、顧客からは『価格』や『お得感』で比較されてしまいます。
そこで、青汁の価値を顧客目線で訴えるためには、上手にストーリーの中で訴求し、同時に顧客の共感を得る必要があります。単に商品の機能面を伝えるだけではなく、人間の喜怒哀楽や人生ドラマにうまく商品を組み込み、ある商品(この場合、青汁)が見事に健康上の悩みを解決してくれた救世主であったという流れ(ストーリー)を作り出す必要があります。
例えば以下に示した通りです。
顧客にとってどのような価値があるのかを伝える際に、ストーリーテリングは非常に有効なのです。青汁のテレビ通販番組の宣伝については、基本的な売り方は20年以上前からほとんど変わっていません。
多くは前述のようなストーリー構成になっているのです。
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