戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
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【経営コンサルタント064】
2022年 12月 14日(水)
こんにちは、関口です。
知っていましたか? 独立・起業する人の8割から9割以上の人はうまくいかないまま諦めてしまいます。この数字は経営コンサルタントの場合でも同じかと思います。
今回のコラムでは、「コンサルタント起業:続かない人の特徴とは?」というタイトルで、どういう人がなかなかうまくいかないのかということを少し考えていきます。
私は『独立経営コンサルタントの今すぐ改革』という独立した経営コンサルタントを対象にした1対1の個別コンサルティングのサービスを提供しています。また、多数のコンサルタントを名乗る人たちをもう15年以上も調べてきました。うまくいく人といかない人両方を見てきました。
どこの世界でも同じですが、誰もがうまくいくわけではありません。特に、これまで1件の案件すら獲得できなかったような人が、4カ月程度のコンサル指導の後にいきなり大変身することはまれです。やはり誰もが最初に準備が必要です。そして、目標達成に向けて、遠回りすることなく、一歩一歩、コマを進めていくしかないのです。
また、コンサルタント(を名乗る人たち)を15年以上も調べてきた結果、わかったことがあります。うまくいかない人の特徴はいろいろありますが、起業後2年以内に1件の契約すら取れないような人は、それまでの行いが良くないと言えます。
だから、そのことを自身で強く認識し、何か大きな変化を自分の力で起こそうとしない限り、3年目、4年目、5年目と時間が過ぎても同じ状態が続く可能性がかなり高いはずです。
どの人も同じですが、本来なら、起業して2~3年くらいの間は、サラリーマン時代に築いた人脈やツテが使えるので、なにかと有利に展開できます。
ただ、時間の経過とともにそのような人脈やツテは使えなくなっていきます。だから、有利に展開できる期間に1件の案件すら取れないと、意識して大きな変化を仕掛けない限り、その後もずっと鳴かず飛ばずのまま時間が過ぎていく可能性が高くなります。
何か大きな変化とは、ホームページのリニューアルのようなことではありません。1件の契約すら取れていない立場なのに、デザイナーに数十万円もの金を払ってホームページのデザインを良くすることを繰り返す人がいますが、殆ど意味のないことです。
起業から2年以上も経過しているのに1件の案件も取れない人がやるべきことは「キャリアのリセット」ではないかと私は考えています。キャリアの仕切り直しです。「なぜ、うまくいかないのか?」ということを客観的に、真剣に見つめ直し、適切なアクションを取る必要があるのです。
うまくいかない人の特徴として、顧客が抱えている問題をまず先に考えてあげて、「その問題を解決するためには何が必要なのか?」という商売人としての発想が欠けていることが多々あります。
そういうことを怠ったまま「中小企業診断士の資格を持っています」などと主張して売り出そうとするのです。つまり、「中小企業診断士を名乗れば、経営者が相談に来てくれるのでは?」という甘い考えを持ち、かつ発想がプロダクトアウトなのです。
このような人は所有している資格をあれこれ見せたがります。結果として、コンサルタントとしての守備範囲が広がってしまい、「なんでも屋」を演じがちです。公的支援機関の相談員ならこれでも良いのですが、ひとりコンサルタントの場合は異なります。
今は、ニッチ分野ごとに専門家がいます。そんな中、「なんでも屋」を演じている限り潜在顧客の目には留まらない・見つけてもらえない存在になってしまうのです。
さらに、うまくいかない人には、やるべきことをなかなかやらないという特徴があると考えています。やらない期間がちょっと長くなると、そのまま3カ月、半年、1年と何もやらないまま時間が経過していくのです。そして、時間の経過とともに別のことに興味を持ちはじめ、それに手を出してしまうのです。
ところが、それも時間が経過すると途中で気が変わり、改めて別のことに興味を持ち始めるのです。つまり、いつまでも迷える子羊のまま。情報過多の今、いろいろな情報に振り回され、いったん何かに興味を示すが直ぐに別のことに関心が移ってしまうということを繰り返す人が少なくないのです。
うまくいかない人の特徴を少しだけ紹介しましたが、どの人にも総じて言えることは「事業に対するコミットがない」「なかなか実行しない」ということです。「ない」という表現は失礼なので「足りない」と言い直した方が良いかもしれません。「コミットが足りない」「実行が足りない」ということです。
先に述べた私が提供する『独立経営コンサルタントの今すぐ改革』というサービスでは、クライアント(申し込まれた人)に資料を事前にお送りし、コンサル実施の当日に向けて準備していただきます。お送りする資料には質問(設問)が記載されています。
事前に自身の事業について検討していただくために質問(設問)を用意しているのですが、これまでの受講者の中には毎回のように何もやってこない人もいました。
そういう人は「ホームページの写真を入れ替える」といった15分もあればできる簡単な作業ですら2~3週間もの時間が経ってもやらないのです。
また、今はビザスクのようなスポットコンサルのマッチングサービスもありますが、「どういう人が、どのように、いくらくらいで、自分と同じようなサービスを売り出しているか?」などという、1時間もあればできる競合サービスの調査すらやりません。
だから、このような人は、すぐに進捗が遅れがちになります。
つまり、「事業に対するコミットがない」「なかなか実行しない」ために、「なんとかして自身の力で集客しなければならない!」「なんとかして頑張らなければ!」という意欲があまり見られないのです。
こういう話をすると、「では、そういう人は、どうやって生計を立てているのだろうか?」などと余計な心配をされる人がいますが心配は不要です。なぜなら、多くがアルバイトのような仕事に就いている、あるいは、就こうとするからです。
会社を設立し、コンサルタントを名乗っていても、会社の売上はゼロのような状態のまま、日銭を稼ぐために別の仕事に精を出しているケースが多いかと思います。
実は「これが問題の大きな要因になっている」と私は考えています。なにせアルバイトのような仕事で一定以上の収入があると、それに安穏としてしまうからです。残念ながら自身の事業(本業)に対するコミットが失われてしまうのです。
従業員を雇っている経営者と異なり、ひとり社長の経営コンサルタントの場合、自分しかいないため良くも悪くも融通が利きます。従業員を雇っていたら彼らに給与を払う義務があり、なんとかして稼がなければという気持ちが強くなりますが、ひとり社長にはいろいろな逃げ道が用意されています。
だから、本業をなんとかすることよりも、むしろアルバイトの仕事探しに躍起になってしまう人も少なくないようです。
同様に、「30年以上も会社人間として働いてきたのだから、これからの人生ではその時々の気分に任せて仕事をしたい」「年金の足しに働いているのだから、…」などとノンビリと構えている人も見てきました。
とにかく、独立後にうまくいかない人にはいろいろなタイプの人がいて、さまざまな行動が見られますが、結局のところ「事業に対するコミットがない」「なかなか実行しない」という特徴が共通しているのです。
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