戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
このテーマに関して戦略プロセス経営実践会が提唱していることは、ロボットやITツールといった新しいテクノロジーをはじめとする手段・手法に飛びつく前に、先にやるべきことがあるということ。「ツールありき」や「いきなり導入・活用」ではないのです。
いきなり飛びつく前にやるべきことがあるのです。
「顧客は誰なのか?」「その顧客が対価を払う価値とは何か?」「その顧客が自社製品・サービスから得られる何に価値を見出すのか?」ということをはじめ、まずは事業の明確化・定義化が必要なのです。
「○○さえ導入すれば…」と「戦術ありき」の発想になり、チャンスを追い求めていませんか? 事業全体のデザインを疎かにしたまま、個々の部品をバラバラに検討するような事業を展開していないでしょか?
「ホームページを立ち上げる」「展示会に出展する」「広告の原稿を作成する」…これらはどれも単発的に・バラバラに取り組むべきではないのです。「戦略とのリンク」が必要なのです。新しいテクノロジーの導入・活用に関しても全く同じです。
「現状」から「あるべき姿」へ到達するために、レバレッジを効かせる手段として、新しいツール(手段・手法)を最大限に活用することが理想なのです。
そのためには、あらかじめ戦略的に事業デザインを行うことです。そしてPDCAを回せる仕組みを構築するのです。単発的なチャンスの追求から、戦略&プロセス重視へのシフトを目指します。
機械、ロボット、ITツール、各種システム、各種分析/支援ツールなどを導入・活用する目的は何でしょうか?
どれもその通りです。
でも、次のような取り組みは重要でしょうか?
いいえ!
それらは不可欠ですが、重要なことは「ありたい理想の姿」へ到達することでは? 導入や活用は目的ではないはずです。
ロボットやITツールなど、新しいテクノロジーの導入・活用に際し、「ツールありき」や「いきなり導入・活用」ではないはずです。
まずは「当社のありたい理想の姿は?」や「当社はどうあるべきか?」を先に描くことが重要なのです。次に、「何をすべきか?」→「だから、どのようなテクノロジー(ツール、手法など)を活用すべきか?」という順に検討することです。
いきなり飛びつき、単発的に導入する前に「やるべきこと」があるということ。
本質を見落としていることに気付かぬまま、チャンス(新しい/流行りの/先端技術のモノ)に飛びついてしまうと、それに振り回されてしまいます。
そこでキーワードがいくつかあります。
それは当会の支援コンセプトでもある「見える化・体系化・仕組み化」です。新たな視点に注目し、見えていなかったチャンスを見抜き、プロセスを最適化し、テクノロジーやツールの活用で価値を最大限に引き出すことです。
当会・代表の関口は、2010年から介護施設にロボットを普及させる業務にも携わっています。これについては「介護ロボット経営実践会」という当社が運営している別サイトに詳しい紹介があります。
行政主導の事業に関わり、多数の導入支援に関わり、ユーザー、メーカー、行政の間の橋渡し役としてさまざまな現場を見てきました。そこで痛感したことがあります。
その1つは目的と手段の履き違えです。これについては、2011年頃から講演の場でも少なくても数十回以上も繰り返し伝えてきました。
これは、新しいテクノロジー(ロボット)を「使うこと」が目的になってしまうということです。補助金という魅力的な誘惑に影響されてしまい、本来の目的から逸脱して「導入すること」「使うこと」が目的になってしまうのです。
もう1つは、上記の補足となりますが、一旦購入すると、どうしても「使うこと」が目的化し、「操作方法の習得」「機能の理解」ばかりに力を入れてしまうことです。
ところが上手くいかないのです。
それは「現状把握」が不十分なままだったり、本来なら先に「やるべきこと」を行わないまま導入を急いでしまったからです。
最も大きく痛感したことは、「組織の中に仕組みがなければ、新しいツールを導入しても上手に活かされない」ということです。だからこそ、まずは「土台」を築く必要があるのです。
これが新しいテクノロジーやツールを最大限に活用できる事業へと変貌を遂げるために、なによりも重要となるのです。
多くの中小企業の経営者は「時代の波に乗り遅れてはならない!」と焦りがちです。「これからはAIの時代だから…」などと、次から次へと登場するテクノロジーを追いかけることに躍起になりがちです。
何かとチャンスを追い求めてしまうのです。「新しい技術だから!」「DXの時代だから!」「補助金が出るから!」「同業他社が導入したから!」などの理由で飛びついてしまうのです。
そうやって「モノありき」「戦術ありき」、つまり「手段・手法ありき」の状態になってしまい、「本当の目的は何なのか?」「何を成し遂げるべきなのか?」という肝心なことが曖昧なまま、操作方法の習得や機能の理解に躍起になってしまうことが多々あるのです。
焦って飛びついた結果、目的と手段を履き違えてしまう!しかも、そのことに気付かないまま、突っ走ってしまうのです。
このようなケースが中小企業には非常に多く見られるのです。
繰り返しになりますが、「買い手」の「本当の目的」は、新しいテクノロジー(手段・手法)を活用することではないはずです。
「ありたい理想の姿」を明確にした上で、そこへ到達するための1つの手段としてそれらを活用しているにすぎないはずです。でも、「活用するのであれば、最大限の活用」を目指したいもの。
そこで、まずは「ありたい理想の姿」を描くことです。「ありたい理想の姿」へ到達するまでの道筋を描くのです。また、それを実行するための計画が必要となります。まさに事業のデザインが求められているのです。
これを怠ったまま新しいこと(例:新しいツールの導入)を始めても、一時期に達成感を得るかもしれませんが、時間の経過と共にブレ始めてしまい、途中で頓挫してしまうような事例が非常が多いのです。
もちろん後戻りは可能ですが、時間とコストを大きく損なうことになります。
また、導入したテクノロジーを「単なるツール」として活用するだけではもったいないではありませんか? 単なるデジタル化・自動化というレベルの話ではもったいないのです。もっと視野を広げてみてはいかがでしょうか?
可能な限り最大限の価値を引き出すことを検討するのです。例えば、新しいテクノロジーの導入を経営力の向上を目指す絶好の機会として捉えてはいかがでしょうか?
これは、テクノロジーの活用を、自社の経営戦略の中に上手に位置付けた上で最大限に活用しながら大きな成果を出すことです。テクノロジーの活用を経営視点から戦略的に活かすのです。
全ては、見えていなかったチャンスをどう見抜き、それをどう活用するか次第となります。上手く活かすことで、「顧客満足度の向上」「社員(人材)の育成」「業務プロセスの改善」「PRの強化」などにもプラスの影響を大きく与えることになるのです。
新しいツールは一見すると1つのモノにすぎません。しかし、それを多面的な視点から活用方法を工夫するからこそ可能性が広がるのです。
そこで求められるのは「新たな視点」です。「新たな視点」がシステム化や自動化といった「目先の課題解決」に注意を払うだけではなく、世界を広げてくれるのです。
「新たな視点」から「最大限の活用」を目指すのです!
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「成功パターン」をつくるためにと題して経営者や事業の責任者にお届けするコラム。6つのテーマに分けてお届けします。