戦略とプロセスを明確化した事業デザイン
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!

戦略プロセス経営実践会

まずは小さな成功パターンから!

【顧客と市場に向き合う(マーケティング)002】 

2025年 4月28日(月)

こんにちは、関口です。

小さな会社にとって、集客できる・できないは、まさに「生きるか死ぬか」を大きく左右します。

でも現実には、「紹介してもらっているから」「以前からのお客さんとの取引が続いているから」と、紹介や口コミに頼りきっており、集客を疎かにしている中小企業も少なくありません。つまり、今はなんとか回っているから、集客面に目を向けなくても困らない。そんな状態に甘んじてしまっているわけです。

もちろん紹介はありがたいものです。しかし、顧客獲得を紹介に頼る事業では、他力本願で「他人任せ」です。自社でのコントロールが限定的で、事業の成果を他人に委ねてしまっていることになります。

これからの時代、必要なのは、「集客を自社でコントロールできる力」です。今回はその理由と、取り組むべきポイントをお伝えします。

紹介による集客は、本当に助かります。集客に苦労することなく顧客が獲得できるからです。しかし、紹介に依存していると、いずれ壁にぶつかるはずです。

カネを出せば紹介者(事業者)の数を増やすことはできますが、自社で新しい見込み客を増やす力は育ちません。

紹介者(事業者)の中には、5社、10社と続けて紹介してくれる一方で、なかなか紹介できないグループも存在します。紹介をあてにしても、思うように期待に応えてくれないことが多々あります。

これは、代理店契約をしても、数十万円の商品を1年経っても1台も売れない事業者が少なくないことと似ています。このように誰かに頼るやり方では、自社でコントロールできることが限定的になってしまうのです。

さらに厄介なのは、紹介という手段で顧客を獲得しても、「なぜこのお客様が当社に興味を持ったのか」「なぜ購入してくれたのか」といった情報がなかなか手に入らないことです。自社には集客のノウハウが何も蓄積されず、次の手を打つ力も育ちません。

つまり紹介頼みでは、事業を安定・拡大させるために必要な自社製の「武器」がいつまでも完成しないまま。常によそ様頼みなのです。

では、どうすればいいのでしょうか?答えはシンプルです。

まずは、理想の顧客を明確にすることです。そして、その人たち(ターゲット層)に直接アプローチすることです。

「うちの商品やサービスを本当に求めているのは誰か?」「どのような価値を求めて購入してくれるのか」を、できるだけ具体的に考えます。これを曖昧にしたままだと、施策も販促も広告も効果が期待できません。

次に、そのターゲット層が集まりそうな場所に向けて、広告を打つなり、情報発信を行います。広告媒体の活用については自社でコントロールできます。ただし、ここで気をつけたいのは、「広告を出したら終わり」ではないということ。広告をうまく活用できるかどうかは、事前の設計次第で大きく変わります。広告展開するに際し、事前に受け皿(導線)を用意しておく必要があるのです。

また、広告を出した際は、「何人が見た(アクセスした)か」「何人が問い合わせたか」といったことを数値で客観的に把握することが重要です。うまくいった部分は伸ばし、うまくいかなかった部分は修正する。こうしてPDCAを回すうちに、集客力は確実に上がっていくはずです。

一度、「勝ちパターン」が見えてくれば、そこに広告費を上乗せしていくことで、より大きな成果を出すことが可能になります。

紹介に頼る集客は、楽に見えるかもしれません。でも、それはご自身の事業を、他人任せにしてしまうことでもあります。

小さな会社こそ、自分たちで理想の顧客を描き、その人たちに向けてアプローチし、数字を見ながら改善を重ねる——

こうした地道な積み重ねが、未来を切り拓く力になるはずです。

広告など媒体の力を拝借し、自社で可能な限り集客をコントロールできるようになれば、「顧客の獲得ができない」という悩みが減り、安定して事業を育てることができます。そして何よりも、「自分たちでコントロールできる」という自信が、成長につながるはずです。

だからこそ、まずは「誰に、何を届けるのか」を見直すところから始めてみましょう。