戦略とプロセスで成果を生むカタチに
日本は高齢化や労働力人口の減少という大きな課題に直面しており、特に地方では優秀な人材の確保がますます難しくなっています。
しかし、朗報もあります。
近年はリモートでのサポートが一般的となり、リアルな対面にこだわらなくても、遠方に住む優秀な人材から気軽に支援を受けられるようになりました。スタート時や要所で会社を訪問してもらい、日常的にはSlackやTeamsといったチャットツールでやりとりし、必要に応じてオンライン会議を行えば、円滑なコミュニケーションが可能です。
この方法を活用すれば、県庁所在地から遠く離れた人口2~3万人規模の小さな街にある中小企業でも、都会に住む優秀な人材の力を借りることができます。
ただし現実には、「知らなければ損」「知らなければ損していることにすら気づかない」状況が多々あります。さらに、情報が錯綜しているため、正しく見極める力が求められます。
そこで本ページでは、「地方の中小企業が社外人材の活用で成功する方法」**と題し、成功のために検討すべき 12のチェックポイント をご紹介します。
課題設定は具体的ですか? ゴール・現状・制約が言語化されていますか?
【説明】
数あるチェックポイントの中でも最重要です。問題解決は、最初の「問題を定義する」と「問題を構造化する」で半分以上が決まります。ここが曖昧だと、せっかくの施策もピント外れになりがちです。
課題が定義できれば、
が明確になります。もし自力で詰め切れないなら、外部の力を使って短時間で課題定義と構造化(現状→因果分解→優先度付け)から着手しましょう。
例(良い依頼文):「新規事業の立ち上げにあたり、まずは市場調査と顧客ヒアリングを体系的に進めたい。社内にノウハウがないため、調査設計から分析、戦略の方向性づけまで支援いただける方を希望。」
自社の意思で始めていますか? それとも第三者に勧められて“受け身”になっていませんか?
【説明】
主体性の有無は成果を大きく左右します。銀行や取引先に頼まれて何となく…、無料だからとりあえず…といった“受け身の求人”はトラブルの温床です。
導入(採用)にあたっては、次の3点を整理して言葉にできるようにしておきましょう。
たとえ第三者に勧められたことがきっかけでも、自社の目的に引き直して再定義できれば問題ありません。まずは小さく試し、評価し、納得感があれば本格化する流れが安全です。
社内で対応できる業務ですか? それとも外部の専門性やスピードが必要ですか?
【説明】
社外人材を活用する前に、まず「自分たちでやるべきか」「外にお願いすべきか」を見極めましょう。
次の観点で考えると判断しやすくなります:
また、お願いするときは「どのような役割を期待するか」をはっきりさせることが大切です。
そのうえで、外部に任せるメリット(時間短縮・成果の精度アップ・新しい知識の獲得など)と、かかるコストを比較して判断することが成功の鍵となります。
社外人材には高い専門性を求めていますか? それとも、ほどほどのレベルで十分でしょうか?
【説明】
外部人材に求める専門性の水準を明確にしておくことは、とても重要です。
「ちょっと手助けしてほしい」程度なのか?
それとも「社内では到底できないハイレベルな成果」を求めるのか?
これを決めておかないと、採用した後に「思ったよりレベルが高すぎて費用が合わない」「逆にスキル不足で満足できない」といったミスマッチが起きます。
例えば…
お願いしたい仕事の範囲は狭く特化していますか? それとも幅広く柔軟にお願いしたいですか?
【説明】
「何をどこまで頼むのか」を明確にすることが、外部人材を選ぶときのカギです。
例えば「マーケティングをお願いしたい」と一言でいっても、
これらは同じ「マーケティング支援」でも、必要な人材像はまったく異なります。場合によっては「マーケティング人材」ではなく「Webデザイナー」として募集した方が適切なこともあります。
一度きりの相談で十分ですか? それとも中長期で伴走してほしいですか?また、支援の形はリモート中心で問題ありませんか?
社外のサポート役を求めますか? それともリーダーとして先導してもらうことを期待しますか?
【説明】
外部人材に期待する役割は、大きく3つに分かれます。
どのスタイルを期待するのかを事前に決めておくことで、外部人材も力を発揮しやすくなります。
またリーダー型を期待するなら、社内での協力体制(意思決定者の関与、メンバーの協力姿勢)が整っているかも確認が必要です。これがないと、せっかくの外部人材も機能不全に陥ります。
外部にお願いすることで、本当にコストメリットはありますか?
リモートでもスムーズにやり取りできる体制は整っていますか?
【説明】
どれだけ優秀な外部人材でも、意思疎通が上手くいかなければ成果は出ません。
特にリモート支援が中心の場合、コミュニケーションの仕組みづくりが重要です。
検討すべき点は次のとおりです。
外部人材活用のリスクを想定し、備えはできていますか?
【説明】
社外の専門家を活用する際には、成果だけでなくリスク管理も忘れてはいけません。事前に想定し、対応策を用意しておくことで「想定外」にも冷静に対応できます。
想定すべきリスク例:
これらに対して、以下のような対応策を準備しておくと安心です。
社外人材は、自社の文化や価値観に馴染めそうですか?
情報管理の体制や契約は整っていますか?
【説明】
外部人材を活用する際には、機密情報の扱い方を明確にしておくことが不可欠です。曖昧なまま進めると、情報漏洩や不正利用のリスクが高まります。
検討すべきポイント:
契約やルールをきちんと定め、情報の管理体制を整えることで、安心して外部人材と協働できる環境を築けます。
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