【経営コンサルタント025】 

2019年1月 12日(土)

こんにちは、関口です。

本日は、まず私がこれまでコラムの「経営コンサルタントを知る」欄で主張してきた内容を整理します。その後、前回のコラム「経営コンサルタントのコンサルはあてになるか?2」の最後に述べた、経営コンサルタントの「協働」「トータルパッケージ化」について述べていきます。

前回のコラム「経営コンサルタントのコンサルはあてになるか?2」では、3名の「コンサルタントのコンサルタント」のアドバイスを紹介しました。そのアドバイスは、経営コンサルタントの顧客獲得方法についてでした。

「コンサルタントのコンサルタント」とはいえ、アドバイスの内容は人によってマチマチです。

ある人は、人と出会う機会を増やし、相手の話をよく聞いた上、その人にあわせてコンサルティングサービスの内容を提案する「後出し」のやり方を主張しています。

別のコンサルタントは、コンサルティングは目に見えないわかりにくいサービスなので、あらかじめサービス内容をコンテンツ化・パッケージ化させる「先出し」を行ない、それを欲しがる人を見付け出す売り方を主張しています。

私がお伝えしたいことは、「これだ!」という方法はないということ。結局のところ、手持ちの資金、ご自身の強み、ターゲット客の事業規模の大小などによって経営コンサルタントとしての「攻め方」はそれぞれ異なるのです。

「特別レポート」の中で詳しく説明していますが、「皆と同じ」「一緒くた」ではないのです。あなたの手持ちの資金、強み、過去の経験などによって事業の組み立て方は異なるのです。

私は、経営コンサルタントの顧客獲得方法については大きく2つあると述べてきました。まず「他人の企画に便乗する」方法があります。もう1つは、自ら企画し「この指とまれ!」で集めることです。

多くの経営コンサルタントは「他人の企画に便乗する」方法で生計を立てています。「他人の企画に便乗する」方法の最大の特徴は「仕事があるところに入り込む」「そこには仕事がある」ということ。フリーランスの典型的な働き方となります。

一方の「この指とまれ!」式については、他人の企画に便乗する方法よりも遥かに稼げる可能性はあります。「自ら決めた超高額のサービスに多くの人を集めることができれば…」という難しい条件が付きますが…。

また、この方法で上手くやっている人の殆どは、いわゆる会員制ビジネス・高額塾のノウハウを巧みに駆使しています。これに関する詳しい手口については、「事例から学ぶ集客の知恵」の中で説明していますので参考にしてみて下さい。

他人の企画に便乗する方法よりも遥かに稼げる可能性がある一方で、「この指とまれ!」という方法はリスクが高く、チャレンジしてもなかなか上手くいかないのが実態です。最初に見込み客のリストを集めることになりますが、そのために大なり小なり「広告」が必要となります。

広告にお金を使うことなくブログやFacebookだけで集めることも可能ですが、一部の専門家以外は次から次へと目まぐるしく変化していくネットビジネスに対応できず、ノウハウコレクターと化してしまいがちです。だから、カネや時間をムダにする…。そういうリスクを伴うのです。

また「この指とまれ!」式はコンサルティングの対象が個人や個人事業・零細事業主の場合には都合が良い方法です。しかし個人のコンサルタントが、年間売上10億円を超えるような企業の経営者を「この指とまれ!」式で何人も集めてくることは意外と大変です。

巷には「月30万円の契約をわずか3社から獲得すれば、30万円✕3社✕12カ月=1,080万円」「僕の○○塾に来れば、こんな数字をクリアするのはあまりにも当たり前!」などと主張し、売り込んでいる人がいます。一見すると「わずか3社」と簡単そうですが、そうは問屋が卸さないのです。

なにせ、全国各地にある公的支援機関から専門家を派遣してもらう場合、企業側の負担はわずか数万円で済みますから…。

また、日本経済新聞の全5段枠にセミナーの広告を出す中小企業向けのコンサルティング会社をよく目にします。そのような資金力がある会社なら複数のさまざまなテーマ(課題)に対応できます。しかし、個人コンサルタントが自分の力(限られた資金力・テーマなど)だけで集めてくることは大変です。

事実、コンサル契約を獲得する目的で自主開催のセミナーを企画する個人コンサルタントの多くは、セミナー会場に数人を連れてくることにさえ苦労します。だから自主開催のセミナーにチャレンジしても、後に脱落していくコンサルタントが跡を絶たないのです。

年間売上10億円を超えるような企業の経営者を集めてくることは、個人や個人事業・零細事業主向けとはやり方が大きく異なるのです。

繰り返しますが、個人や個人事業・零細事業主向けのコンサルティングであれば「この指とまれ!」式でOKです。ただし、セグメント化し、絞らなければいけません。なぜならこの市場は超激戦区だからです。

インターネットを駆使し、「こんなに儲かりました!」「2カ月で売上が倍増しました!」などとインチキっぽい顧客の声をズラリと並べて信用を得ようと(売り込もうと)する方法が横行しており、そこにはこれまでのキャリアも事実も何も関係ありません。

誰でも好きに参加できる何でもありの自由市場です。しかもプレイヤーが多く、競争が激しいので、長期に渡りそこで生き残ることは大変です。良いコンテンツを提供したら、丸ごとパクられてしまうだけかもしれません。

個人経営コンサルタントにとって最も苦労することは集客です。自分の力で集客することは大変です。では、どうやって売り出すべきでしょうか?

経営コンサルティングに限らず、事業が上手くいくには、新たな見込み客を獲得する流れが必要となります。また、それがあったとしてもそれを維持するための十分な戦略や仕組みが欠けていてはダメなのです。

最も重要なことは、「新たな見込み客を獲得する流れをどうやって作り出すのか?」ということです。

そのためにやるべきことは、ブログ? Facebook? WEBマーケティング? 出版?

いいえ。それらはどれも手段の一つにすぎません。特別レポート個人経営コンサルタントの事業戦略:法人を攻めてニッチでNo.1を狙う」の中で主張している通り、あなたの手持ちの資金、強み、過去の経験などを踏まえた上でご自身の事業を組み立てなければなりません。格好良く表現すると「戦略の明確化」となります。

そこで私のおすすめは、「テーマ✕業界・業種」でご自身の専門を絞り、活躍できる「場」を見つけ出すことです。そこでさまざまな活動に従事しながら、はじめは小さくても良いので、実績を残していくこと。

いいですか?「さまざまな活動」と述べました。それにはセミナーの講師も含まれます。「経営コンサルタントはセミナー講師ではない」などと主張することは自由ですが、純粋な経営コンサルティングのサービスだけで売り出し、それだけで生計を立てることはかなり大変です。

だから「さまざまな活動」を通じて実績を残していくことです。「テーマ✕業界・業種」でご自身の専門分野を勝手に絞ったところで、それが業界・業種内の人の目に入らなければ意味がありません。だから「活動している足跡」を1つ1つ残していかなければなりません。

また、その「さまざま活動」の中には「他人企画に便乗する!」方法も組み込むことです。そうやってまずは確実にキャッシュを得ることが重要です。なぜなら、確実にキャッシュを得ることができなれば、経営コンサルタントして生き延びることはできませんから。

理想は、特定の業界・業種の人を対象にした「○○展」のような大イベント会場で登壇することです。それが立派な実績となり「一目置かれる存在」になるからです。

そういう実績を積み重ねれば、人があなたを見つけ出すようになります。そうすれば、あなたを見つけ出した人の方から声が掛かるようになります。

それは、売り込むことなく、自身から提案できる機会が増えることを意味します。声が掛かった際に、当社には「こういうパッケージ化されたサービスもありますが…」などと案内することが可能となります。その結果、余計なコストを掛けることもなく、自身企画の経営コンサルティングを提案し、受け入れてもらえる可能性が高くなるのです。

でも、それ(自身企画の経営コンサルティングの提案)をいきなり広告を通じてやろうとすると、大切なお金をドブに捨ててしまいがちです。私もドブに捨てるムダを繰り返しました。その後に気付いたのです。

要するに、「新たな見込み客を獲得する流れをどうやって作り出すのか?」については、ターゲット層からお声が掛かる状態を作り出すことです。自ら売り込むことなく、顧客の方からあなたの存在を見つけ出し、お声が掛かる状態を作り出すことです。

繰り返しますが、ターゲット層に「あなたの存在」を知ってもらう状態を作り出すこと。その状態をご自身の手持ちの資金などを踏まえた上、どう作り出すかを決めなければならないのです。

「あなたの存在」を知ってもらう状態を作り出せれば、自らDMを出した時も、いきなり出す場合よりも遥かに大きな成果を得ることができます。自主企画のセミナーを開催する際にも集客がより容易になります。ブログなどで発信する内容に説得力が増すようになります。

逆に「さまざま活動」を通じた実績がないまま、いきなり自称専門家(コンサルタント)を名乗っているだけでは、(勝手に)インターネット上で立派を装うコンサルタントと同じになってしまいます。

そうなると個人や個人事業・零細事業主など情報弱者のような「よくわかっていない人」を騙すような感情操作のマーケティングを激戦区のネット上で行うことになります。仲間に顧客役を演じてもらいながら…。それでは胡散臭いインチキ商法っぽくなるだけ。

お声が掛かる状態を作り出すのです。そのためには、「テーマ業界・業種」でご自身の専門を絞ることにより、人に見つけ出してもらいやすくなります。そこには顧客が認識している解決策との「関連性」が重要だとも述べました。

だから「新規事業を支援します!」「営業を支援します!」といった抽象度の高い売り出し方では、見つけ出してもらうことが難しいのです。

全国各地にある「よろず支援拠点」のコーディネーターのような立場で仕事するのであれば「新規事業を支援します!」という売り出し方で十分です。しかし、個人コンサルタントが自身の力だけで集客するとなると話は大きく異なります。

でも絶対に「テーマ業界・業種」で絞らなければならないわけではありません。あなたがセレブ(有名人)であれば、そんなことをしなくても済みます。同様に、ビジネス出版し、それを日経新聞にドカーンと広告を何度か出す資金があれば、そこまで絞り込む必要はないのです。

さて、ここまでは私が「経営コンサルタントを知る」欄で主張してきた内容となります。ここからが本題となります。

「他人の企画に便乗する」方法と異なり、自らのコンサルティングの内容は相手によくわかりません。そこでコンテンツ化・パッケージ化し、料金を明瞭にすることもできるのですが、それだけでは経営コンサルティングという得体の知れないパーソナルサービスを売り込むことは大変です。

先に述べた個人や個人事業・零細事業主向けのコンサルティングであれば、単なる研修会をグループコンサルティングなどと称し、顧客の声などを巧みに使う演出方法で人の感情を操作し、セミナー会場に集まった中の一部を顧客化させることが可能です。

顧客の声を巧みに使って、あたかも簡単に「成果(リターン)」を得ることができるかのような勘違いをさせる!そういう演出なのです。

フリーの個人経営コンサルタント向けの顧客獲得方法はいかがでしたか? 次回のコラムは、こちらへ。

では個人経営コンサルタントとして何を行うべきでしょうか?

そこで私がおすすめするのは「協働」「トータルパッケージ化」であり、少し説明したいのですが、本日のコラムがかなり長くなってきました。

そこで詳細は次回にお知らせします。

ポイントは、ご自身のコンサルティングというサービスを単品として売ろうとする限り、「成果(リターン)が見えるか?」という課題をクリアすることがとても難しいので、セット販売する方法もあるということです。

こちらのコラムも要チェック!

経営コンサルタント:024
経営コンサルタントのコンサルはあてになるか?2 ~3名のコンサルタントのコンサルタントを検証する~
 
経営コンサルタント:023
経営コンサルタントのコンサルはあてになるか?1 ~個人経営コンサルタントが乗り越えなければならないハードル~
 

地方自治体市場への進出戦略:小さな実績をもとに全国展開を目指す

  • 地元自治体から他の自治体への展開
  • 自治体と連携してメディア露出を獲得する

自社ブランドによるBtoC市場進出:ストーリーテリングとメディアを活用して飛躍する

  • 独自のストーリー
  • それを活かしたメディア戦略

年間売上10億円規模の中小企業の新規事業向け

勝てる新規事業の戦略とマーケティング

特別レポート002

「損益構造の見える化」で収益最大化を目指すポイント!

「成功パターン」をつくるためにと題して経営者や事業の責任者にお届けするコラム。6つのテーマに分けてお届けします。

経営者向け
テーマ別 最新5コラム