【経営コンサルタント023】 

2018年12月 23日(日)

本日の内容は、経営コンサルタント向けとなりますが、集客やマーケティングに関わる人であれば必ず役に立つはずですので、ぜひ読んでみて下さい。

さて、「経営コンサルタントが生き残るために2&3」のコラムで書いた通りですが、経営コンサルタントが自身で企画した内容を自身が決めた価格で販売し、見込み客がそれを受け入れてくれる…そのような経営コンサルティングは実に素晴らしい限りです。

価格をはじめ全てを自分が決め、全てを自分でコントロールし、そこに人が集まってくれ、交渉することもなく言い値の料金を払ってくれるのですから。まさに理想のスタイルです。

しかし、「年収1億円!」「5,000万円!」などと第三者に煽られたまま、理想を追いかけるあまり、地に足をつけていない人が少なくありません。そういう人はもう少し現実に目を向けるべきです。なぜなら、先に述べた方法は一定以上の規模を誇る事業の経営者を相手にする場合、非常に展開が難しいからです。

もちろん、中には上手くやっている人もいます。でも、そのようなコンサルタントの多くは、あくまで個人あるいは数人で小さな事業を展開している人をターゲットにしているのです。

重要なので繰り返します。個人あるいは数人で小さな事業を展開している人をターゲットに活動しているコンサルタントの中には、上に書いたやり方で上手くやっている人がいるということ。上に書いたようなコンサルティングは、個人事業主のような人がターゲットであれば成功事例が少なくないのです。

ところが、料金をはじめ全てを自らコントルールしようとするコンサルティングを、一定以上の規模を誇る事業の経営者を相手にする場合は、大変に苦労するはずです。 

また、個人コンサルタントの活動は、○井総研のような看板を背負ってアプローチするケースとは大きく異なります。なにしろ、個人コンサルタントには「看板」がありませんから。そのような「看板」がなく、ご自身の限られた資金を駆使しながら、自分の力だけで一定以上の規模を誇る事業の経営者を相手に、継続的に顧客を開拓していく。これはかなり大変なことです。

そういうコンサルティングにチャレンジしても殆どの人は上手くいきません。だからよろず支援拠点や中小企業診断士協会などに属して活動しているコンサルタントが多いのです。彼らは、リスクを背負うことなく、その方が確実に収入を得ることができると判断したのでしょう。

さらに追加すると、コンサルティングという無形のパーソナルサービスには形がありません。相手にはよくわらないサービスです。相手の目には「どこの馬の骨がわからない奴」の「よくわらないサービス」にしか映らないのです。

そういう環境下において、個人経営コンサルタントが乗り越えなければならない、いくつかのハードルがあります。それを踏まえた上で、その解決策をお伝えしていきます。

本日はまず乗り越えなければならないハードルからお伝えします。その後、経営コンサルタントのコンサルタントを名乗って活動している方々のアドバイスについて評価していきます。

乗り越えなければならない最初のハードルは、潜在顧客である経営者に「自身の存在」を知ってもらうことです。つまり「接点を持てるか?」ということです。何かしらの方法で「自身の存在(サービス)」に気づいてもらう必要があるのです。これについては大きく3つの方法があります。

1つ目は、こちらから近づいていき、知らせてあげる方法です。例えば、ダイレクトメール(DM)を送ることがそれに該当します。

2つ目は、相手から見つけ出してもらうことです。最近は使われなくなりましたが、電話帳を使って何かを探している相手に「自身の存在」を見つけ出してもらうことが該当します。ホームページで何かしら課題の解決方法を探している相手に見つけ出してもらうことも同じです。

3つ目は、無意識ながらも相手に気づいてもらうことです。2つ目との違いは「意識しているか、無意識か?」ということです。これは、相手の立場から見ると、いわゆる偶然の出会いとなります。

相手(潜在顧客)にとっては偶然なのですが、そういう「出会い」を自らつくり出す活動が経営コンサルタント側には必要となります。例えば、セミナーの講師役を引き受けることがその一つです。なぜなら、たまたま出席したセミナーで「講師の人の存在を知り、その人に注意を払うようになる」というケースはよくあることですから。それは、(相手から見れば)偶然の出会いなのです。

なお、セミナー講師は、経営コンサルタントと似て非なる職業だと主張する人もいます。でも、セミナーという場は、潜在顧客と接点を持つことができます。「自身の存在」を知ってもらうには最高の場です。なにしろ先生という立場で相手と接するので、相手のこちらに対する見方が、○○交流会などで出会うケースと大きく異なるのです。

とにかく、以上の通り大きく3つの方法があります。

ただし、「自身の存在」に気づいてもらうためには、次に説明する「関連性を見出してもらえるか?」ということも非常に重要です。せっかく、接点を持つことができても、関連性を見出してもらえなければ、気づいてもらえないからです。

相手(潜在顧客)に自分の存在を見つけ出してもらうためには「関連性」という言葉がキーワードです。それは、相手に「おっ、もしかしてこれは?」と気づいて、注意を払ってもらうことです。さもないと、次に進むことなく忘れ去られてしまうからです。

私たちの生活には、朝から晩までさまざまな情報が溢れています。しかし、その多くは目に入ることがありません。意識していることには注意を払うのですが、そうでないものは簡単に見過ごしてしまいます。

例えば本日、「有馬記念」という競馬が開催されました。多少なりとも競馬に興味がある人であれば、電車の中で隣の人が読んでいる新聞を目にした際、「有馬記念」という文字に気付き「あっ、今日が有馬記念か?」などと意識するはずです。人によっては「一番人気は?」「オッズは?」などと気になったかもしれません。

ところが、全く関心のない人が同じ新聞をさっと目にしたら、どうでしょうか? 恐らく、見過ごしてしまったでしょう。何も気づかなかったでしょう。あるいは、「有馬」という文字を目にして「温泉」をイメージしたかもしれません。

ということで、潜在顧客に、(彼らの)課題との関連性を見出してもらうことが非常に重要であり、それをクリアしない限り、せっかく「接点」を持ったとしても、簡単に見過ごされてしまうのです。

では、個人の経営コンサルタントとして活動する場合、どうすれば潜在客に関連性を見出してもらえるようになるでしょうか?

それは、「経営コンサルタントが生き残るために3」のコラムで指摘した通りですが、ご自身の活躍の場を明確にすることです。そこで、私がおすすめする方法が「業界✕テーマ」でご自身の専門・サービスを絞ることです。

逆に、以前にも指摘した通りですが、「新規事業を支援します!」「営業を支援します!」などという絞り方では、あまりにも抽象的なので簡単に見過ごされてしまうはずです。それでは潜在顧客の目になかなか入らないのです。

新規事業という表現を少し変えて、「ビジネスモデル構築支援」などと案内したところで、相手(潜在顧客)にはピンとこないでしょう。また、教科書に載っているような事業立ち上げのステップを教えるようなメニューではまるで魅力が伝わりません。

「経営コンサルタントが生き残るために2」の中に書いた通りですが、ビジネス出版し、それを日経新聞などに半5段や全5段の広告を出すことが前提であれば、新規事業や営業という、抽象度の高い絞りでも良いかもしれません。

なぜなら多数にリーチできるので、その中から「はい!」と手をあげてきてくれる人が現れるはずだからです。

しかし、出版に大金を投入し、マス媒体を駆使してメッセージ発信するようなことがなければ「業界テーマ」で絞るべきでしょう。

次に、「信じてもらえるか?」というハードルがあります。これを乗り越えなければなりません。先に書いた通り、○井総研などの看板を背負っていれば、それだけでとりあえず相手(潜在顧客)は安心するわけです。相手が○井総研を知っている場合に限りますが…。

仮に23~24歳の社会人経験が殆どないような若造であっても、相手が認知している企業の看板を背負っていけば、それだけで(とりあえず最初の時点は)安心材料になります。警戒されずに済むのです。

ところで、ターゲット客が個人事業主のような場合、インターネット上でよく目にしますが、サクラのような「顧客の声」を巧みに次から次と載せて演出している輩が少なくありません。「こんなに儲かりました!」などと内容が非常に胡散臭いのですが…。

世の中には、ああいう内容を信じてしまう人が存在します。だから多数に情報を投げれば、100人に1人とか2人とか、一定数は信じてくれるのです。

インターネット系で上手く商売している人の多くは、そういう人たちからお金を獲得して稼いでいるのです。

ところが、一定以上の規模を誇る事業の経営者となると、そうは問屋が卸さないのです。つまり、「どこの馬の骨がわからない奴」の、胡散臭い声で煽る「よくわらないサービス」に対しては、ハナから信用しないのです。

インターネットの世界でよく目にする、「顧客の声」で演出する、あるいはコピーライティングの工夫でなんとかなる相手ではないのです。

ヨコの繋がりが限定されており、情報収集をインターネットに頼っているような個人事業主とは、明らかに客層が異なるわけです。

経営コンサルタントの経営コンサルタント。果たして彼らが主張する集客方法はいかに?お楽しみに。次回のコラムは、こちらへ。

さて、あと最低2つは乗り越えなければならないハードルがあります。それらは、

4)サービス内容を理解してもらえるか?

5)成果(リターン)が見えるか?

ちょっと長くなってきたので、上記の4)および5)については次回にまわします。

また、その後に経営コンサルタントのコンサルタントを名乗って活動している方々のアドバイスについて評価していきます。お楽しみに。

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