【経営コンサルタント010】 

2018年5月 8日(火)

「コンサルタントの営業・マーケティング戦略」のコラムでは、経営コンサルタントの仕事獲得については大きく2つあることをお伝えしました。1つは「他人の企画」に便乗することです。もう1つは自ら企画して「この指とまれ!」式で集める方法です。

最初に結論を書きますが、(独立している)経営コンサルタントの集客方法については、「これがベストだ!」という方法はありません。「自分がどうありたいのか?」からはじまり、ターゲット客の特性、手持ちの資金、過去のキャリアや経験などを考慮した上で、「自分にとってベストな方法」を見極めるしかありません。

「ベストな集客方法は人それぞれ」ということ。助成金セミナーを開催することではないし、出版することでもないはずです。

このコラムは、現職のコンサルタントの人はもちろんですが、経営者の方にもお役に立つ内容になるよう書き上げましたのでぜひ引き続き目を通してみてください。

「コンサルタントの営業・マーケティング戦略」のコラムに書いた通りですが、経営コンサルタントの仕事獲得については他人の企画に便乗する方法が最も典型的で一般化しています。これはヨソ様が企画した案件に便乗し、仕事を獲得することです。既に仕事があるところに入り込むことです。

例えば、全国にある商工会議所、中小企業診断士協会、公益財団法人○○経営支援協会のような公益法人の業務に何かしらの形で関わり、彼らの案件を裾分けしてもらうことです。

商工会議所や市町村の外郭団体として運営されている公益財団法人○○経営支援協会では、主たる運営資金として税金が投入されているので、無料や格安料金で企業を支援するメニューが多く用意されています。

そこではさまざまな支援が行われており、地元の中小企業が多く群がってきます。そのような場に関わることができるはずです。それは「外部専門家」としてかもしれません。それとも研修やセミナーの「講師」としてかもしれません。

世の中にはさまざまな経営コンサルタントがいますが、他人の企画に便乗する方法が最も一般化している集客(稼ぎ方)ではないかと思われます。民間の派遣会社に登録して、案件を紹介してもらう仕事の獲得方法と同じと言えます。

10年以上も前の話になりますが、私は、「どうしたら集客できるのか?」「どういうアプローチをするべきか?」と何人もの経営コンサルタントに相談したことがあります。当時、殆どの人が口にしたアドバイスは、共通してみなが同じでした。

それは、先に書いたような団体に「自身の存在を知ってもらうこと」「覚えてもらうこと」「優遇してもらうこと」という点で共通していたのです。

だから彼らは「ご挨拶に行きなさい!」「彼らが主催するイベントに頻繁に参加して、担当者と仲良くなりなさい!」「地元だけではなく、他の地域にある団体にも登録しなさい!」「登録数をどんどん増やしなさい!」などとアドバイスしてきました。

人によっては「職員を飲みに連れ出して仲良くなれば、案件をまわしてくれるようになる!」「事務所には沢山のコンサルタントが挨拶に来るから、会っても忘れられてしまう。だからインパクのある名刺を作りなさい!」などとご丁寧にプラスαのアドバイスをされた方もいました。

つまり「企業が引きつけられる公的支援団体とコネをつくるためのキッカケをつくりなさい!」。それが経営コンサルタントとしての仕事を獲得するために必要な集客方法のアドバイスでした。

 

上記のアドバイスをされた多くは年配者でした。大手企業を退職した方や中小企業診断士の資格取得をキッカケに独立開業された方でした。年配の方からのアドバイスには感謝しましたが、実は何一つ「ピン」とくるものがありませんでした。

「汐留にある電○の出身者だから‥」などと期待したのでしたが、当時の私にはまるで「ピン」とくるアドバイスではなかったのです。

それはなぜでしょうか? その理由は彼らの発想が単なる「お裾分け」や「お願い営業的」だったからです。「お裾分け」でも規模(金額)が大きい、あるいは継続性(リピート性)があれば少し話は違ってきます。

転職先探しのように1件さえ取れば、それだけで丸1年分もの収入になる案件であれば良いでしょう。でも、商工会議所や公益法人の案件ではそれが難しいのです。

「人脈が大事!」と言うと非常に聞こえが良いのですが、結局のところ「ピン」とこなかったのは次の3つの理由からだとわかりました。「戦略がない」「再現性がない」「拡大性がない」からです。

年配コンサルタント達の教えは、私がお世話になった凄腕の戦略系コンサルタントからミスミの社長に転身した三枝氏のような方が口にしていた内容とは大きく異なっていました。説得力にも欠けていました。

無料で相談できるところを選んだので、その程度のアドバイスでも仕方がなかったのです。

当時の私はダイレクトレスポンスマーケティングの手法を駆使する通販事業に深く関わっていました。

通販の魅力は、小さな成功が媒体の力を使うことで一気に水平に展開できることでした。私は、通販事業に参入して売上1~2億円規模から毎年のように倍々ゲームが続き、あっという間に100億円を越えた企業を何社も研究していました。

そこでは再現性や拡大性という視点が重要だったのです。

でも大手企業あがりのおじさんコンサルタント達にはそういう発想が見られなかったのです。「担当者やそのボスに近づいて優先的に案件をまわしてもらう!」「個人コンサルタントが民間企業から直接仕事を取ることは大変なので、公的機関に頼る!」という、攻めよりも依存的な仕事獲得の発想しかありませんでした。

これまでの説明を読まれた方は、年配コンサルタントのアドバイスがダメかのように思われるかもしれません。でも、後で気付きましたが「良い点」もあるのです。それは「捨て金」を使う必要がないということです。

ここで私が言わんとする「捨て金」については後で説明します。そういう「捨て金」が発生しない点において、ローリスク・ローリターンを狙う経営コンサルタントには都合の良い集客方法であると気付いたのです。

また「月に12時間の訪問で35万円」などとやたら単価の高いコンサル案件は皆無であり、どの仕事案件についても単価は1日に数万円程と低いものの、努力さえすれば一定の成果が見込めるという点では良かったのです。

さらに、公的機関とは関係ない話ですが、コンサルティングをする企業の規模が大きくなればなるほど、「コネをつくるためのキッカケをつくりなさい!」というアプローチは正論だとわかってきました。

他人の企画に便乗する場合は、年配経営コンサルタント達のアドバイスが役に立ちます。しかし、「この指とまれ!」式もあるのです。次回のコラムは、こちらから。

本日のテーマを1回のコラムで書き上げようとすると、ちょっと長くなりすぎます。そこで、残りについては次回に紹介いたします。

もう1つの自ら企画して「この指とまれ!」式で集める方法については、先に述べた「捨て金」が必要でそれなりにリクスがあります。次回をご期待下さい。

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