【経営コンサルタント005】 

2016年11月8日(火)

コンサルタントには実にさまざまな方がいることは前回までにお知らせした通りです。

今回は「経営コンサルタントを無料で活用する3」の前に、「コンサルタントの営業・マーケティング戦略」と題してお知らせします。

 

コンサルタントの仕事の獲得方法は、大きく2つあります。1つは他人の企画に便乗する方法です。もう1つが自ら企画して集客する方法です。少し詳しく説明しましょう。

 

他人の企画に便乗する方法は、最も典型的で一般化しています。これはまさにヨソ様が企画した案件に便乗する方法です。例えば会社勤めをしているサラリーマン・コンサルタントの方は、会社組織に籍を置くことにより、コンサル案件を勤務先から貰うわけです。そして勤務先の看板で仕事をすることになります。

コンサルティングの仕事をすることによって、(クライアント先からではなく)勤務先から給料を貰います。まさに勤務先という他人の企画に便乗していることになります。

また、独立しているコンサルタントとはいえ、ヨソ様が企画した案件に便乗する働き方をしている方が大勢います。というか、こういう働き方をしている方がかなり多くを占めているのが現実ではないでしょうか?

 

例えば、ITコンサルなどに見られますが、新システム導入のプロジェクトメンバーとして、ある会社にコンサルタントとして関わるかもしれません。この場合、コンペなどを通じて他社と競争した上で案件を勝ち取らなければなりませんが、その後は客先(クライアント先)に(傭兵として)常駐するかもしれません。あるいは、週に1回とか月に2-3回だけ訪問することになるかもしれません。

 

同様に、コンサル案件の紹介会社や元請の会社から「〇〇の案件がありますが、如何ですか?」と打診されて引き受ける仕事についても、他人の企画に便乗するタイプとなります。コンサルとは異なりますが、講演にお呼ばれされるような単発的な仕事もこれに該当します。

このように訪問する回数や頻度などに違いがあっても、他人が企画した案件をいただいて仕事をするやり方です。あくまで顧客側(あるいは仲介者)が用意した企画(案件)に便乗し、一時的に請け負う(あるいは、雇われるような)形での仕事となります。

これを複数社に対して行えば、(悪い言い方をすれば)雇用契約のないアルバイトの掛け持ちのような働き方をしているともいえます。

仕事の依頼元と交渉の余地はありますが、基本的に発注する側が決めた内容(仕様)で、しかも発注側が提示した(納得した)料金で仕事をすることになります。単価は一般的なアルバイトよりもかなり高いかもしれませんが、まさにアルバイトの掛け持ち的な働き方と言えるのではないでしょうか?

 

他人の企画に便乗する方法に関し、コンサルタント側のメリットは、「そこには必ず仕事案件がある」という点です。「良い人がいないから、(依頼するのは)止めよう!」「急きょ、取り止め!」などという事態にならない限り、仕事があるのです。誰かしらに仕事の依頼がいくことになるのです。

とはいうものの、ヨソの人との競争があるので、必ずしも自身に仕事がまわってくるわけではありません。しかし、(仕事の)発注側とある程度の信頼関係が築けている、あるいは、何かしらのツテがあれば、仕事の獲得が非常に有利に働きます。

もしかしたら依頼側は面倒なので「候補者を探す」ことなく、面識ある人の中から選ぼうとするかもしれません。

これはフルタイムの社員募集の求人募集に応募する際にコネがあれば採用が有利になるのと同じ原理が働くということです。

 

一方、デメリットは、あくまで他人の企画に便乗するので、料金をはじめ先方の提案にあわせざるを得ないことです。「経営コンサルタントを無料で活用する2」の記事の中で書いた通り、特に公的支援機関の案件などでは規程により料金が設定されています。だから自ら交渉して単価を変えることはなかなかできないのです。

結果として、このようなところから何件もの仕事が取れたとしても売上が少ないということになってしまうのです。

コンサルタントの仕事獲得のもう1つの方法は、自ら企画して「この指とまれ!」式で人を集めてくる方法となります。初めから仕事があるわけではなく、潜在顧客に対して需要を喚起させアクションを起こさせる方法です。

他人の企画に便乗する方法と異なり、こちらでは自ら企画して料金設定ができます。コンサルタントが自身の希望通りのカタチでサービスを提供することができるのです。

実は、私の「戦略プロセス経営実践会」ではこのスタイルを採用しており、テーマ別に複数のサービスを提供しています。

 

メリットは料金設定をはじめ、何事も自らが決めることができる点です。(コンサルタント側が)主導権を握ることができるのです。

一方、デメリットは「初めから仕事があるわけではなく、自ら需要を喚起させなければならない」ことです。当然ながら集客のノウハウがなければ、いつまで経っても誰も集まらない(仕事がない)ことになります。それに顧客を集めるためはコストが掛かります。

世間には「独立している」とはいうものの、他人の企画に便乗した仕事の獲得方法の方が何かと手っ取り早いと考える人が多いようです。そういう発想しかない人も少なくありません。

だから、交流会などの集まりに積極的に参加し、名刺交換した相手に何か案件があれば自身に声を掛けてもらえるよう働きかけることばかりに躍起になるコンサルタントも多いのです。

コンサルの仕事獲得方法は様々です。大きく分けると、他人の企画に便乗するか?あるいは、自らの企画に乗ってもらうか?次回は一つ前のテーマに戻り、「経営コンサルタントを無料で活用する3」です。

以上の通り、経営コンサルタントの仕事獲得方法には大きく2つありますが、どちらの方法が良いとか悪いとかいうつもりはありません。

どちらの方法が好ましいかは、自社のターゲットやどういう収益モデルを構築するかによって異なります。

例えば、売上規模1,000億円を超えるような大企業が(コンサル先の)ターゲットであれば、単発の研修なら別ですが「この指とまれ!」方式での獲得は難しいでしょう。

「この指とまれ!」方式は、特定の業界をターゲットにしているわけではなく、少し幅広い業界に潜在顧客がいる場合に適しています。特定の業界だけだと、どうしても母数が限られるからです。

 

こういった点を踏まえ、次回はコンサルタントを利用する側の視点から、今回のテーマについて考えてみましょう。

地方自治体市場への進出戦略:小さな実績をもとに全国展開を目指す

  • 地元自治体から他の自治体への展開
  • 自治体と連携してメディア露出を獲得する

自社ブランドによるBtoC市場進出:ストーリーテリングとメディアを活用して飛躍する

  • 独自のストーリー
  • それを活かしたメディア戦略

年間売上10億円規模の中小企業の新規事業向け

勝てる新規事業の戦略とマーケティング

特別レポート002

「損益構造の見える化」で収益最大化を目指すポイント!

「成功パターン」をつくるためにと題して経営者や事業の責任者にお届けするコラム。6つのテーマに分けてお届けします。

経営者向け
テーマ別 最新5コラム