【経営コンサルタント049】 

2021年6月 22日(火)

こんにちは、関口です。

本日は「独立して頑張っているコンサルタントの悩みをQ&Aで解決する」という企画の4回目となります。

経営コンサルタントとして独立し、2年、3年と時間が経過しても1件の契約すら取れない人が少なくない(除:雇われの仕事に就く場合を除く)とのことですが、一体、何が問題なのでしょうか? 彼らに問題があるのですか? それとも外的要因の影響が大きいのでしょうか? 

また、関口さんの場合はいつ最初の1件目の契約を獲得しましたか? それは、どうやって獲得したのでしょうか?

そうなんです。ラーメン店を開業するような独立起業と異なり、大きな開業費や設備費が掛からないため、気軽に経営コンサルタントとして独立できるのですが、2年、3年と時間が経過してもたった1件の契約すら取れないという人が少なくないのです。

こういう話をすると、「2年も3年もの間に1件すら契約を取ることができない人は、どうやって生計を立てているのだろうか?」などと余計な心配をされるかもしれません。

でも心配は不要です。多くの人がアルバイトのような仕事に就いている・就こうとするからです。

しかし、私はこれが問題の要因になっていると思っています。なぜなら、その仕事が本業のようになってしまい、それに安穏としてしまうからです。結果として、「なんとかして自身の力で集客しなければならない!」「なんとかして頑張らなければ!」という意欲が湧いてこなくなってしまうのです。

つまり、立ち上げた会社の売上は毎月ゼロが続いても、アルバイトのような仕事を通じて一定以上の収入が得られる(個人として報酬・給与を得ることができる)ためか、本業に対する本気度が低下してしまうというか、ハングリー精神を失ってしまうのです。

本業の仕事で顧客を獲得するために取り組まなければならないことにも関わらず、当の本人は「○○で忙しい」なとど言い訳をするようになるのです。やるべきことをいつも後回しにする人もいます。そのため、あっという間に1年、2年と時間が経過してしまうのです。

このような人は、3年目、4年目、5年目に突入しても、同じように時間が過ぎていくはずです。

また、「本業以外の仕事に安泰してしまう」ということ以外にも問題があると考えています。私がこれまでコンサルタントを名乗る人たちを多く見てきた限り、次のことが大きく影響していると考えています。

それは、「履歴書・職務経歴書を送って獲得する仕事」と「自分の企画にお金を払ってくれる人(企業)を獲得する仕事」の違いがわかっていないということです。本人は「わかっているつもり」かもしれません。

しかし、わかっていないのです。これについては、小さな事業における集客や、それに伴う媒体の活用に不慣れであると言い換えることができるかと思います。

一般的に、自分の商売として顧客を獲得する場合、履歴書・職務経歴書を送付するようなことはしません。このような書類は「こんな私です。どうか雇ってください」と雇われの身として誰かにお仕えしますと申し出る時に使うものです。

ところが、履歴書・職務経歴書を送付して獲得する仕事の経験しかなく、しかもいろいろな媒体を試すという実践的な集客活動を自ら行ったことがない人には、よくわからないのです。「自分の事業では、集客面において何をすべきか?」 これがわからないのです。

この特徴は、特に技術畑や管理畑(経理、総務など)をずっと歩んできたような人に顕著に見られます。

よくわからないまま、「ブログを毎日アップすればアクセスが集まり、集客できる」「いまはFacebook広告が良い」などという情報に振り回されてしまうのです。そして、小さな失敗を繰り返し、落ち込んでしまい、後に諦めてしまう人が多いのです。

それなりに立派な会社に勤務していた人ほど、安泰だったサラリーマン時代との大きなギャップに直面すると、それを受け入れることができず、自己嫌悪に陥りがちではないかと思います。

つまり、1つ目の質問については、

  1. (アルバイトに精を出す結果)本業が疎かになってしまうこと
  2. 「自分の企画にお金を払ってくれる人(企業)を獲得する仕事」をよく理解していないこと
  3. 自分の事業の集客面において何をすべきかがよくわかっていないこと

などが問題だと考えています。その結果として、事業の立ち上げ後に「感覚が掴めない」あるいは「勝手がわからない」という状態のまま、迷走して時間ばかりが過ぎていくのです。

これらについては、外的要因というよりも、すべて本人側に問題があるのではないでしょうか?

では、2つ目の質問にお答えします。私は2008年2月に会社を設立しましたが、その月はまだ勤務先に在籍していたので、翌月の3月から本格的に活動を開始しました。

3月から活動を開始し、その4カ月後の7月には1件目のコンサル契約を獲得しました。

実は、会社を設立する(勤務先を辞める)前から2つのことを周到に準備していました。

1つはホームページに載せるコンテンツの作成です。もう1つは教材の作成です。

たしか3月中旬にはホームページを立ち上げ、同時期にネット上で教材の販売を開始しました。それから約2週間後には注文があったことを今でもよく覚えています。起業の初月から売上があったのです。

郵便局に立ち寄り、立ち上げた会社の初売上の金額を記帳した時の感動は今でも覚えています。

つまり、勤務先を辞める前から下準備をし、自身の会社を設立した後はすぐにホームページを立ち上げ、教材の販売を開始したということです。

通常、立ち上げて間もないホームページ上で教材を販売した場合、首を長くして待っていても注文など1件も来ないはずです。3カ月、4カ月と待ってもダメでしょう。そのことをあらかじめよくわかっていたので、私はすぐに広告展開を始めました。

今はかなり廃れている感じがしますが、当時はメルマガ広告がよく使われていました。私は1回に1万円~4万円程度のメルマガ広告に出稿し、教材を宣伝しました。そして、教材の購入者の一部を個別相談へ誘導し、コンサル契約を案内していったのです。相談については、無料と有料、どちらも試しました。

なお、教材と言っても立派なものではありませんでした。受注後、自らプリントアウトし、製本していました。手作りのオンデマンド型です。外見はショボイものでした。でも在庫を抱える必要がなかったのです。そして、常に購入者からフィードバックを得るように努め、それを教材に反映していました。

私の場合は、大企業勤務から中小企業へ転職し、そこで売上ゼロ・顧客ゼロの状態から新規事業を立ち上げ、自身で自社ECサイトの運営・管理を担当していました。しかも、月に数百万円の予算を使って、オンラインとオフライン、実にさまざまな媒体を試していました。

自ら広告原稿・セールスレターを書いていました。その当時の貴重な経験が今にも活かされており、私の強みとなっているのです。

オンラインについては、アドワーズ(今のGoogle広告)やオーバーチュア(今のYahoo広告)やメルマガ広告を主に利用しました。オフラインについては主に新聞広告に出稿しました。

このように、大企業勤務のサラリーマンからいきなり起業したのではなく、中小企業で会社のお金を使わせていただきながら起業家として必要なことを経験したのです。このような経験があったお陰で、起業後に1件目、2件目、3件目と順調に(個人事業主ではなく)法人から契約を取ることができました。

でも当時は「自分の事業はまるで上手くいっていない!」「こりゃ、ダメだ!」と悩んでいました。しかし、その後、ヨソのコンサルタント起業された人たちの実態を知れば知るほど、自身の事業の立ち上げはかなり順調だったということを認識するようになりました。

だし、とても大きなミスをしていたことに起業から1.5年後くらい経過してから気付き始めました。それは、「次なる契約」を取るための準備を怠っていたということです。当時の私は「また続けますか?」「来月は?」などとお伺いを立てる良い人を演じていました。これが原因で後に苦しむことになったのです。

これについては機会があれば改めて詳しくお伝えします。

地方自治体市場への進出戦略:小さな実績をもとに全国展開を目指す

  • 地元自治体から他の自治体への展開
  • 自治体と連携してメディア露出を獲得する

自社ブランドによるBtoC市場進出:ストーリーテリングとメディアを活用して飛躍する

  • 独自のストーリー
  • それを活かしたメディア戦略

年間売上10億円規模の中小企業の新規事業向け

勝てる新規事業の戦略とマーケティング

特別レポート002

「損益構造の見える化」で収益最大化を目指すポイント!

「成功パターン」をつくるためにと題して経営者や事業の責任者にお届けするコラム。6つのテーマに分けてお届けします。

経営者向け
テーマ別 最新5コラム