戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【経営コンサルタント039】
2020年10月26日(月)
こんにちは、関口です。
「関口さん、独立した経営コンサルタントに、ホームページは本当に必要なのでしょうか?」
実は私、専業ではありませんが、独立経営コンサルタントの支援も行っています。私がやっているのは「戦略シナリオ・ストーリーとキャリアプラン」の明確化となります。集合研修ではなく、1対1のディスカッションを通じて行っています。この仕事を通じて意外とよく聞かれるのが「ホームページは本当に必要ですか?」という質問です。
恐らく、「ホームページから仕事の依頼なんてまず来ないよ!」と周囲から言われ続け、しかも彼ら自身もホームページを通じて仕事に結びついたことがないためか、このような質問が出てきたようです。
では、ホームページは必要なのでしょうか?
私の意見はNOです。必ずしも必要ありません。経営コンサルタントとして独立している個人を多数調べてみればわかると思いますが、ホームページを持っていない人が大勢います。個人事業主だけではなく法人格の会社を持っている人でさえもホームページがない、あるいは、持っていてもペライチのような必要最低限の情報しか掲載されていないことが多いのです。
「経営コンサルタント」として独立していても、自分の力で顧客を集めなくて済む人は、ホームページが無くて困ることなどありません。繰り返しますが、「自分の力で顧客を集めなくて済む人」には不要ということです。例えば、
このような人たちにはホームページなど不要です。理由は自分の力で顧客を集める必要がないからです。もっと正確に説明すると、仕事の獲得方法が異なるからです。彼らの仕事の獲得方法は、公募案件に応募する、あるいは紹介されて応募することが一般的です。
始めから「仕事があるところ」に「私はいかがでしょうか?」と応募する・売り込むことになります。ここで必要なのは履歴書や職務経歴書となります。仕事の獲得方法がサラリーマン時代の転職活動と同じでいいわけです。これは、自ら企画したサービスに顧客を集めてくる方法とは大きく異なります。
つまり、「経営コンサルタントとして独立した」とはいえ、履歴書や職務経歴書で判断される世界に身を置こうとする限りホームページは必要ないのです。
ホームページの必要性と同じように、よく聞かれることの一つに「独立経営コンサルタントに戦略など必要あるのか?」あるいは「わざわざ専門分野を明確にする必要はあるのか?」という内容があります。
これについても答えは先と同じです。つまり、履歴書や職務経歴書で判断される世界に身を置こうとする限り不要なのです。
私の独立経営コンサルタント向けの支援業務では一人ひとりのコンサルタントとディスカッションをしながら進めていくのですが、中には戦略とかマーケティングの感覚がないというか必要だと思っていない人が少なからずいます。その理由は、本人が経営コンサルタントとして独立したのに、サラリーマン時代の転職活動の延長線上で仕事の獲得を考えているからです。
別の言い方をすれば、自分の力で顧客を集める必要がない、あるいは、自分の力で顧客を集めることは無理だ、と考えている人は、マーケティングや戦略に力を入れる必要性などないと考えがちです。
しかしながら、ご自身の地位を築き、自分の力で顧客の獲得を目指す人には、戦略やマーケティングは必須となります。もちろんホームページも。ホームページがなければ、「ある日いきなり見知らぬ人から仕事の依頼がくる」ということはなかなかないと思います。
今年はコロナの影響で激減しましたが、私には講演の依頼が結構があります。その時、いつも依頼主に確認することがあります。「どこで私の存在を知ったのですか?」ということです。私が聞き出した限り、殆どの人がホームページで探し出していることがわかりました。もちろん、彼らはホームページの記載内容だけを鵜呑みにしているわけではありませんが…。
そして講演等を行うことが次なる展開(セミナー、面談)となり、後の成約につながっていくのです。
だから、私にとってホームページは必須であり、自身の存在を知ってもらうためにも専門分野などを明示する必要があるのです。それをどう上手くやるのかという点において戦略が必要となります。さもないと、相手(潜在顧客)の目に留まることなく、簡単に見過ごされてしまうのです。
これは明らかに履歴書や職務経歴書で判断される世界とは異なります。
ところで私は「個人経営コンサルタントの仕事は、将来、なくなる」と考えています。このように伝えると驚く人がいます。でも、お伝えしたいことは「多様化がさらに進む結果、昔ながらの経営コルサルタントは激減する」ということです。
つまり、昔ながらの経営コルサルタントのスタイルが崩れていくということです。その要因はたくさんあります。公的支援機関の存在、中高年者向け派遣の増加、スポットコンサルサービスの台頭、オンライン化など…このように働き方の多様化が進むことで、市場環境は嫌でも変化していくのです。
『40代以降に経営コンサルタントとして独立する: 「自分という商品」を売る起業家の集客と生き残り戦略 Kindle版』の中でいろいろと書きましたが、特に注目すべきは「元気な高齢者」の増加と「大手企業の副業解禁」です。
経験豊富で業界内において人脈が広い人などが定年後も活躍する時代を本格的に迎えます。今後は1986年~1992年頃に採用されたバブル世代の早期退職者も増えていくはずです。また、大手企業のサラリーマンが副業人材として活動するようになります。しかも彼らの多くは高い報酬を目指しているわけではありません。
おまけに、汎用的なノウハウについてはYoutubeなどで無料で入手できるようになりました。
中小企業の経営者から見ると、さまざまな方法で人材を活用できるようになりました。情報入手についてもさまざまな方法が可能となりました。あらゆる面において選択肢が増える一方なのです。そして独立した経営コンサルタントの活用は1つの選択肢にすぎないのです。
だからこそ、ご自身の存在を際立たせるためにも、戦略やマーケティングが非常に重要になるのです。
ご自身の仕事獲得に関し、「履歴書や職務経歴書で判断される世界かどうか?」について確認してみましょう。次のコラムはこちらへ。
個人経営コンサルタントの仕事が、なくなるというよりも、むしろ多様化による市場の変化によって「昔ながらの経営コンサルタント」のあり方が変わってくるのです。同様に、さまざまな働き方や契約形態の形が出てきます。
呼び方についても、コンサルタント、顧問、エキスパートなどと多様化しています。そのような中で、どれも業務委託契約という点では同じですが、呼び方の一つにコンサルタントがあるという感じになっていくのではないでしょうか?
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