本レポートはコンサルタントや中小企業診断士向けに構成していますが、税理士・社労士などの士業の方がコンサル領域に展開する際にも活用できるヒントが満載です。

この【特別レポート】は20のパートで構成されています。ひとりコンサルタント向けの情報が満載です。

こちらのページは「プロローグ」となります。「プロローグ」の後に、「パート1」が続きます。

ところで、世の中にはもうけ方を教えるハウツーの情報(講座など)はごまんとあります。

Aさんは「SNSを活用してファン(コミュニティ)をつくりなさい」と主張するかもしれません。

Bさんは「ビジネス本を出版して著者としての地位を確立しなさい(権威付けしなさい)」と出版をすすめてくるかも。

また、Cさんは「1カ所でも多くの公的機関(例:商工会議所、よろず支援拠点など)にご挨拶にいきなさい」とアドバイスしてくるかもしれません。

どのアドバイスも部分的には正解かもしれませんが、的を射ていません。

このレポートの最大の目的は、「区別する力」「分ける能力」を身に付けていただくことです。

ひとりコンサルタントを取り巻く市場環境を理解することで、ご自身が選択すべき道について整理できるようになります。「どうすれば自分が売れるのか?」が見えてくるのです。

こんにちは。戦略プロセス経営実践会の関口です。このレポートは計20の【パート】で構成されています。

最初からしっかり読み込んでいただければ、「個人で活動する経営コンサルタントとして、何について、どこから、どのように検討すべきか?」「どこに、どういう落とし穴があるのか?」「巷に出回っている成功法則とその実態」などについて、よく理解できるようになるはずです。

独立経営コンサルタント

●「〇〇であなたも成功する?」

ネット上には、個人で頑張っているコンサルタント向けにさまざまな情報が錯綜しています。その殆どは、いわゆる「〇〇であなたも成功する」という類の情報です。

多くの人は「打ち出の小槌」を求めます。だから、「〇〇であなたも成功する」という売り出し方(見せ方)をした方が、人は食いついてくる(その気にさせることができる)のです。

しかし、キャリア、年齢、手持ちの資金などはそれぞれ異なります。皆に対して「〇〇であなたも成功する」などというオイシイ話はないのです。

そんな私も「〇〇であなたも成功する」という情報に翻弄され、期待感を膨らませて無駄な出費を続けました。

でも、あることを確信したのです。それは枝葉の部分にてんやわんやしても無駄であるということ。別の言い方をすれば、さまざまな情報が溢れていますが、全ては次のことを明確にすることが大前提であるということです。

  • どのようなサービスを、
  • どのような存在として、
  • どこで、
  • 誰を対象に、
  • どのような形で提供するのか?

つまり、「今の自分を最大限に生かす」

これが非常に重要です。「〇〇であなたも成功する」という宣伝文句にその気にさせられて、高額講座などに飛びついたあげく、参加することで満足していませんか?

今の自分に何かを追加しようとするのではなく、「どうしたら、今の自分を最大限に生かすことができるのか?」を考えるべきなのです。

● 今の自分を最大限に生かすためにも

そのためにも、…

「(自分に価値を見いだしてくれる)顧客は一体、誰なのか?」

「その顧客が対価を払ってまで得ようとする価値とは何か?」

「なぜ、ヨソの人ではなく、あなたを選ぶのか?」

こういうことを明確にすることが非常に重要です。もちろん、これらは「初期の仮説」となります。

これは一見すると、「とても簡単なことでは?」と思うかもしれません。しかし、意外と難しいです。「意外と」と表現するよりも、かなり難しいと言えます。その理由は、あなたを取り巻く市場や競合サービスなどを理解した上で判断を下さないといけないから。

なのに、多くの人は「〇〇であなたも成功する」という情報を鵜呑みにし、「思い込み」「思い付き」で判断しがちです。

そこで、このレポートを用意いたしました。以下(図に記載した内容)について明確にするためにも、このレポートを読みながら必死になってご自身の事業について考えてみてください。

そのために必要な情報をこのレポートでは提供しています。

さて、私が経営コンサルタントについて意識し始めたのは1990年代のこと。MBA取得のため、オリンパスを辞めてアメリカのビジネススクール(経営大学院)に留学していたときのことでした。

留学中にビジネススクールを休学し、マサチューセッツ州にある大手医療機器メーカーで仕事をしたのですが、当時のことは今でもよく覚えています。

広大な敷地にグリーンの芝生、大きな池があり、元気よくアヒルが泳いでいました。社屋内に目を向ければ、素晴らしいカフェテリアをはじめ、クリーニングの取次店やクイックマッサージ店までありました。

1990年代の当時、日本にはまだ、クイックマッサージ店をあまり見かけることがありませんでした。「素晴らしい環境で仕事をしているな!」「すげーなー!!」と思いました。

医療機器メーカーはBoston Scientificという会社だったのですが、当初、私はその会社について何も知りませんでした。

ある日突然、その会社の採用担当者から「Mr.Sekiguchiをインタビューしたい!」と、連絡があったのでした。

その電話を掛けてきたのは、Boston Scientific社の人事担当者でした。後でわかったのですが、その人はBoston Scientific社に常駐し、採用を主たる業務とする経営コンサルタントだったのです。

当時の私は、「コンサルタント=外部から月1~2回ほど訪問してくる人」というイメージだったので、一般社員と同じように毎日会社に出勤してくるコンサルタントの存在を知り、驚くばかりでした。

●多様化しており、コンサルタントもいろいろ

そして、日本に帰国してから就職したのがGE(ゼネラル・エレクトリック)。当時、そこにはジャック・ウェルチという経営者がいて、日本でも大注目の会社の一つでした。また、朝から晩まで一緒に仕事をするコンサルタントが大勢いました。

私は、KPМGや野村総研(NRI)からやって来たコンサルタントたちで構成されるプロジェクトチームの束ね役を担っていました。派遣がいて、コンサルタントもいて、寄り合い所帯のような職場でした。

その後、色々なことがわかってきたのです。それは「経営コンサルタント」には実にさまざまな働き方・稼ぎ方があるということです。一般の社員のようにほぼ毎日、クライアント先に出向く人もいれば、月に1回だけ訪問する人もいます。訪問することなく電話だけで全ての業務を済ませるコンサルタントもいます。

コンサルティングっぽい業務を全くやらないコンサルタントもいます。例えば、サラリーマン時代の人脈をいかして口利き、紹介などの業務で大金を請求する人です。

また、経営者を対象にしたコンサルティングもあれば、一般社員と一緒にプロジェクトに取り組むスタイルもあります。今は、テクノロジーの進展もあり、経営コンサルタントの働き方は非常に多様化しています。訪問しなくても企業向けにコンサルティングができるようになりました。

ところで、コンサルタント、あるいは、コンサルタントのような存在として、上手くキャリアを築いていくためにはいろいろなことが必要です。

まずは「あなたの顧客は誰か?」ということを明確にしなければなりません。その顧客に対して、あなたが提供できる価値は何なのか? その価値を提供し顧客に満足してもらうために、あなたはどのような形でサービスを提供するのでしょうか?

しかし、よく考えてみて下さい。

● 仕事がなければ失業者と同じ? 

そもそも仕事が取れなければ何も始まりません。サービスを提供して顧客(クライアント)に満足してもらうことが必要なのですが、受注できなければ満足も不満足もないのです。

サラリーマン時代に「仕事ができる」「優秀」と評価されていた人でも、ひとりコンサルタントとして独立したら話は全く別です。ということは、受注できるようになることが最も重要だということ。

例えば、中小企業診断士の中には、地元の診断士協会に所属することで、受身の状態でも定期的に案件を紹介してもらえる人がいます。「独立している」とはいえ、殆どサラリーマンと変わらない生活をしている人もいます。そういう人たちは別ですが、大半の人たちはまず仕事を獲得しなければなりません。

そこで、このレポートでは、「受注できるようになるために必要なこと」を中心に説明しています。

人はそれぞれ、手持ちの資金・強み・過去の経験が異なります。

30代と60代ではキャリアやテクノロジーへの馴染み方も違いますし、手持ち資金が100万円しかない人と5,000万円を投じられる人では「攻め方」が変わって当然です。

にもかかわらず、多くの個人事業主・零細事業者向けサービスは「こうすれば儲かる!」式の一辺倒なやり方を押しつけています。Facebook活用、Webマーケティング、出版…いずれも「ツールありき」で、皆を同じ方向に誘導しようとするのです。

これは独立した経営コンサルタント向けサービスでも同じ。結果として、「あなたはあなたであり、他人とは違うはず」という大前提が無視されているのです。

独立した経営コンサルタント

よくあるのが「受講開始から2週間で300万円の契約をゲット!」「わずか2カ月で売上が倍増した!」といった宣伝文句です。ですが、多くはBefore(前)とAfter(後)の間が抜け落ちています。

  • 具体的に何をしたのか?
  • 何にいくら投資したのか?
  • どのような過程を経て結果につながったのか?

そうしたプロセスが一切見えないのです。まるで10段飛ばしで一気に成功したかのように演出しているにすぎません。

冷静に考えれば、大きな成果は小さな成功を積み重ねた結果でしか得られないのです。

私たちにとって最も重要なのは、「誰に、何を、どのように提供するのか」を明確にする戦略です。そして、その仮説をロジックで検証し、結果につなげるプロセスを整えることです。

そのためには、まず自分自身の棚卸しが欠かせません。

  • 自分は本当はどうなりたいのか?
  • 顧客にとって何が重要なのか?
  • その中で自分はどんな価値を提供できるのか?

これらを明確にしてこそ、次の一手が見えてきます。

本レポートは、「ひとりコンサルビジネス」の要点を20のパートに分けて整理しました。

「強みをどう定義するか」「どのセグメントを狙うか」「手持ち資金をどう活用するか」――こうした問いに向き合うことで、試行錯誤の迷路から抜け出すヒントが得られるはずです。

ぜひ【パート1】から読み進めながら、ご自身の「ゲームの参加方法」「戦い方」を見直していただければと思います。