【経営コンサルタント035】 

2020年8月1日(土)

こんにちは。関口です。

本日から8月になりましたが、今はコロナの影響で、一部の例外を除き、多くの企業が「あと何カ月耐えられるのか?」と気にしながら資金繰りに翻弄しているかと思います。4~5月の頃は、「夏までにコロナが収束しても、9月以降に中小から大企業まで倒産が続出するだろう!」と見通していた専門家の意見が多かったのですが、もう8月に入ります。収束どころか、4月に緊急事態宣言が出て大騒ぎしていた時よりも感染者が増加しています。昨日は全国で1日の新規感染者がついに1,400人を超えました。

コロナの影響で今後の市場はどうなるのでしょうか? 先が見通せない中、どう変わっていき、私たちはどうすれば良いのでしょうか?

そこで今回は、前回の「コロナで完全に退場する独立経営コンサルタント」の続編としてコラムをお届けします。前回の内容を復習しながら、「コロナの影響で、独立経営コンサルタントで食える人は?」と題して新たな情報を提供します。

コロナによって、特に対面型のビジネスに大きな影響がありました。「対面」を通じて顧客に価値を提供するコンサルタントの仕事もその一つです。個人事業主向けのコンサルについては10年以上も前からスカイプを使ったサービスがありましたが、一般的なコンサルティングの殆どはリアルな対面で行われていました。

それがコロナの影響でわずか数カ月の間にオンライン化が進んだのです。でも、私が「コロナで完全に退場する独立経営コンサルタント」の中で指摘したことは、オンライン化という誰もが容易に気付くことではなく、「公的機関の利用で大きく変わること」と「地理的な成約がなくなること」の大きく2つことです。

公的機関の利用で大きく変わることは、多くの経営者が補助金・給付金・特別融資などを申請する結果、よろず支援拠点や商工会議所などを頼り始めるという変化です。これによって、彼らが提供する無料や格安のサービスに(中小企業側が)馴染んでいくのです。コロナで資金繰りが苦しい時だからこそ、公的機関を利用することはごく自然の流れですが、これは民間の個人経営コンサルタントにとても大きな影響を与えます。

よろず支援拠点や商工会議所などは、無料、あるいは格安料金でさまざまなサービスを提供してくれます。地元の自治体と太いバイプがあり、地元の金融機関などの紹介も行っています。他の公的機関とのネットワークもあります。

彼らは個人の経営コンサタントではとても太刀打ちできない魅力を提供してくれる存在であり、民間の個人経営コンサルタントに対していろんな面で競争優位を築いています。だから民間の個人経営コンサルタントの誰もが彼らの存在に大きな影響を受けてしまうのです。それを承知の上でゲームを行わなければならないのです。

中でも、特に「抽象的なテーマ」で「アドバイス(提案)だけ」を提供する、いわゆる純粋なコンサルタントが、最も大きな影響を受けるはずです。なぜなら、このようなコンサルタントのサービスは、よろず支援拠点のコーディネーターが提供するサービスとの「違い」が認識しづらい上、価格面で圧倒的に不利だからです。

「抽象的なテーマ」には、営業・人事・業務改善など、会社組織の機能面や、どこの会社でも直面する一般的な課題が該当します。前回のコラムにも書いた通りですが、「売上倍増」「利益3倍」「市場シェアNO.1」と、どの業界にも通用する汎用的で抽象的なスローガンを掲げて売り出すコンサルタントのサービスも抽象的なテーマに含まれます。

なお、前回のコラムでは、オンラインの普及によって「地理的な成約がなくなること」をお伝えしましたが、「抽象的なテーマ」を提供するコンサルには「地理的な成約がなくなること」も大きなマイナス材料になります。大手企業から個人まで、猫も杓子も似たり寄ったりのテーマで情報を発信するようになれば、多数の選択肢の中に埋もれてしまうからです。

一方の「アドバイス(提案)だけ」ということは、「実務の実行・代行」のサービスがないことを意味します。年間売上が数十億円以上の少し規模感がある会社では「コンサルティング」という言葉に対して「アドバイス(提案)」+「実務の実行・代行」を含んだ意味合いで認識するはずです。

ホームページで検索してみるとたくさん出てくるコンサルタント向けの案件紹介も同じです。非常勤・社外取締役などの案件は別ですが、「アドバイスをするだけの人」など誰も求めていないのです。実際にはいるのですが、それは単発な案件になるでしょう。「コンサル案件」の多くはプロジェクトに入り込み実務に携わることなのです。

また、学生の人気ランキングで目にするようなコンサルティング会社の業務は、企業からプロジェクトを引き受けて遂行することが一般的です。それが「コンサル業務」ということになります。繰り返しますが、「引き受けたプロジェクトを遂行すること」が「コンサル業務」という意味で使われており、その上流部分が「アドバイス(提案)」なのです。

「アドバイス(提案)」はプロセス全体の一部にすぎません。しかも日本においては「アドバイス(提案)」だけというサービスの提供に対しては、あまり価値を見い出してくれないケースが多いのです。

これ以上詳しく説明すると長くなるので省きますが、「アドバイス(提案)」だけの提供なら、よろず支援拠点のサービスとあまり変わらないということを述べたかったのです。

コロナの影響で今、コンサルティングの仕事(案件)が激減しているとよく聞きます。大手のコンサルティング会社などでは、プロジェクト獲得の有無によって必要な人数が常に変動します。そこでフリーコンサルタントと呼ばれる、元請け会社に登録している独立経営コンサルタントを、必要な時に、必要な期間だけ使う方法が慣習になっています。

アクセンチュアやPwCといったコンサル会社に直接雇用されている社員は、会社の指示でプロジェクトにアサインされます。彼らと異なりフリーコンサルタントには、月々の給与の保障こそありませんが、好きに仕事が選べるというメリットがあるのです。

そんなフリーコンサルタント向けの案件が減っているのです。ただ企業のデジタル化などの動きが活発になっているのでシステム系の案件はそれなりに仕事があるそうです。非システム系がなくなっているのです。

ここまで読まれた方は、「コンサルタントの仕事はコロナで無くなってしまったのか?」「今後、蒸発してしまうのか?」と思ったかもしれません。ところが案件が増えている領域もあるのです。それが公金絡みの業務です。「持続化給付金の申請」や「持続化補助金の事業計画書のチェック」など補助金・給付金・融資などを申請する者を支援する業務です。

申請に関しては、公的機関でも支援をしてくれます。持続化給付金に関しては申請サポート会場が全国各地にあります。だだし、ある事業者は申請を急いでいるかもしれません。あるいは、よくわからないので誰かに丸投げしたいというニーズがあるかもしれません。そういうところに手を差し伸べるコンサルタントがいるのです。

コロナの影響で売上が激減し、資金繰りが苦しくなった結果、中小企業経営者の多くは公金に泣きつくようになりました。そこで彼らに対する、公金(補助金・給付金など)獲得のお手伝い・駆け込み寺として名乗り出ることで、コンサル案件が激減していく中、なんとか食いつなごうとする経営コンサルタントが最近増えているのです。

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コロナの影響で公的機関のポジションは増えていくでしょうが、自ら集客するタイプの経営コンサルタントには苦しい時代を迎えることになります。次のコラムはこちらから。

独立経営コンサルタントといってもセグメントによって状況は異なりますが、どこも総じて悪化しているようです。潤っているのは公金絡みの案件だけではないでしょうか? でも、このような案件の多くは単発にすぎず、単価が低めです。

とにかく、公的機関の利用で大きく変わり、地理的な成約がなくなっていく中で、私たちはどうすれば良いのでしょうか?

2つ紹介します。

1つ目は公的機関とは比較の対象にならない(比較しづらい)サービスを提供することです。2つ目は1つ目の対策にもなりますが、よりニッチ化し、深い対応を行うことです。これは、オンライン化で顧客が全国のどこにいても対応できるようになったからこそ可能になったことです。

例えば、「WEBマーケティング」という大きな括りのサービスではなく、「WEB会議の開催方法」と絞り込むことができます。また、それよりも「10名くらいを対象にZoomでセミナーを開始する講師のためのZoom活用」という具合に明確化することができます。かなりニッチ化させても全国が対象ならそれなりに顧客数は確保できるはずです。ただし、ニッチ化してもニーズがないテーマだと話になりません。

あとはゴールがイメージできるようにすることです。「WEBマーケティング」ではゴールがイメージできませんね?「WEBマーケティングを強化する」と表現を変えてもまだゴールがイメージできません。では、どうするべきでしょうか?