【経営コンサルタント032】 

2019年10月24日(木)

こんにちは。関口です。

前回の「なぜ経営コンサルタント起業する人は失敗するのか?2」と題したコラムでは、「なぜ、経営コンサルタントにとって集客が難しいのか?」について述べました。経営コンサルタントとして独立した際に、集客が難しい理由は大きく3つあると説明しました。

本日のテーマは「年収3,000万円でも失敗する理由は?」です。でも、その前に「経営コンサルの売上は何で決まる?」をお知らせします。

さて、まずは易しいテーマから始めます。

あなたに質問しますが、経営コンサルティングの売上は何で決まるのでしょうか?

それは「単価✕顧客数」となります。仮に、月に100万円の売上を目指す場合、顧客単価が50万円/月であれば、顧客数は2となります。2社(人)だけで済みます。たった2社ですが、運悪く2社が同じタイミングに契約終了すると、売上はいきなりゼロ。次の契約が取れるまで売上ゼロが続くことになります。

また、顧客単価が4万円/月の場合は、25社(人)が必要になります。これだけの数の顧客を抱えると、(土日に休む場合は)1日に1社を訪問したとしても、すべてをカバーすることができません。しかも、訪問先の都合を確認した上でスケジュールを調整することが大変です。地域密着型のスタイルにしない限り、すべての顧客を訪問することは時間的に厳しいでしょう。

さらに、顧客単価が1万円/月だとすると、100人(社)が必要となります。これだけの数を抱えると、とても訪問スタイルでは無理です。1対1のスタイルそのものが難しいかもしれません。

このように「単価顧客数」をどう設計するかによって、経営コンサルティングのスタイルが大きく変わってくるのです。

巷では「年収3,000万円稼いだ!」などと売り出している人をよく目にします。このような場合、表面的な数宇に騙されてはいけません。要注意です。

あなたが注意しなればいけないことは、「この数字は年収か? 本当は売上ではないのか?」と疑うことがまず1つです。

また、「もし本当に年収ならば、売上はいくらなのか?」「その売上をつくるために、何にどのくらいの費用を掛けたのか?」ということは、少なくても意識するべきです。なぜなら、売上が大きくても、まるで上手くいかないケースが少なくないからです。

売上が大きくても、まるで上手くいかない」原因は広告費にあります。例えば、料金が高い広告媒体にはテレビや新聞があります。個人の経営コンサルタントでテレビに広告を出す人は見たことがありませんが、新聞に広告を出す人は意外といます。

少し売上規模の大きな会社だと新聞にセミナー広告を出します。日本経済新聞をチェックしてみれば、少なくても週に1回はコンサルティング会社のセミナー広告を目にします。個人の経営コンサルタントも新聞広告を利用しますが、その殆どのケースは著書の広告です。

知っていましたか? 日本経済新聞の朝刊(全国版)に半5段と呼ばれるサイズの書籍広告を(出版社の名前で)出すと、1回につき約300万円も必要となります。出版社によって多少、割引率は異なるし、出稿の頻度によって割引があったりしますが…。

とにかく、1回に約300万円ということは、年に5回の新聞広告を掲載すれば、掲載料だけでも1,500万円も掛かることになります。7回も出せば2,000万円を超えます。

日経新聞に広告を出している人を見ると「すごいな!」「さすがだな~」と感じる人が多いはずです。目立ちますから。だから、広告を出すことによって経営コンサルタントとしての「存在感」を大きくアピールすることができます。本人は、これを武器に自らのステータスを高め、高い料金で集客しようとするのです。

しかし、ちょっと見方を変えてみると、売上がそこそこあっても、その5割、6割、あるいは8割もの金額を広告に投資しているかもしれないのです。まあ、これは経営コンサルタントに限りませんが…。

広告を出せば目立ちます。多数が目にすることになります。その中のごく一部が顧客になってくれれば(チマチマと何かをやるよりも)売上を大きくさせることができます。ところが、手元に残るキャッシュは意外とわずかかもしれないのです。

一見すると華やかそうに見える経営コンサルタント。でも、広告費の回収に苦労しているかもしれないのです。あるいは、広告費が回収できない…。もっと正確に表現すると、今、300万円の書籍広告を出すことで200万円のコンサル案件を4件獲得できると見込み込んでいるかもしれません。つまり、広告に300万円を投資すれば、800万円のリターンが「回収できる!」と判断した上での出稿だったのです。

ところが、4件ではなく1件しか獲得できなかったらどうでしょうか?

それが1回だけではなく、2回、3回と続くとあっという間に大金を失います。5億円、10億円もの売上がある企業なら良いのです。ところが、個人経営コンサルタントの資金力では、1回の広告掲載料が300万円だと1回の失敗でも大きなパンチを食らうことになります。

なぜ、年収3,000万円でも失敗するのか? もう、おわかりですね。広告費の回収ができないからです。今は良くても、広告の成果がいつまでも続かないケースが少なくないのです。

だから、表面的な数字を鵜のみにするだけではなく、他の点についてもよく注意を払うべきなのです。特に新聞広告の場合は「誰が出稿しているのか?」「出稿料はいくらか?」ということくらい実に簡単に調査できますから。

繰り返し書籍広告を出している人は、それだけ広告費に投入していることになるのです。

さて、次にお知らせしたいことは「機会損失」についてです。

先に示した例のように、月に100万円の売上を目指すのであれば、顧客単価が50万円/月であれば、顧客はわずか2社(人)で済みます。

「わずか2社なら簡単では?」「なんとかなるのでは?」と思う人がいるのですが、自分の力で探し出すとなるとかなり大変です。多くのコンサルタントを長らくチェックし続けてきましたが、このような料金で継続的に仕事を獲得することはかなり困難です。

中小企業を相手に、月1回2~3時間の訪問で30万円、50万円もの料金を設定している限り、1年どころか、2年、3年が過ぎても、単発の相談案件がいくつか取れても、コンサルティングの契約は1件も取れないまま時間が過ぎるかもしれない可能性が大きいのです。

運良く獲得できたとしても、「ウチは3回もやれば十分だから…」なとどコンサルの回数を減らされる要求をされかねません。コンサルタント側が「ウチのサービスは計8回のパッケージです!」などと伝えたところで「8回もいらない!」と立腹されたら売上はゼロです。

このように顧客を見つけ出すには何かと苦労が伴うのです。

また、ブログやコラムといった書き物を毎週のようにネット上にアップして集客に結びつけようとする人が少なくありませんが、それらに費やした時間がいつまで経ってもコンサルティング契約に結びつかなかったら、その時間は完全に「機会損失」となります。

仮に1日に3万円の案件であっても、月に10日間も費やせば30万円になります。ところが、月1回2~3時間の訪問で30万円という料金を設定したところで、仕事が取れなければいつまで経っても売上はゼロです。

いくら単価を高く設定しても、集客できなければ売上はゼロのまま、生活費などに圧迫されてしまうのです。6カ月、1年、2年、3年と時間が経過し、あっという間にキャッシュが全て燃焼してしまうかもしれないのです。

自ら高い料金を設定したコンサルティングサービスに「はい、お願いします!」と申し込んできてくれる顧客が継続的に現れてくれれば理想です。しかし、料金が高くなれば、対象者が限定されるので、顧客の獲得がそれだけ難しくなるのです。

いくら時間を投入しても、仕事がなければ何も売上を作ることができないまま、機会損失となります。いくら高い単価を設定しても顧客が獲得できなければ売上はゼロ。一方、低い単価でも、毎日のように仕事があれば確実にそれなりの売上を作ることができます。

広告費の回収ができない…というリスクに加え、このような点についてもよく認識しておくべきなのです。

健康食品などの【モノ】に限らず、コンサルティングサービスのような【コト】を売る場合も同じ。「集客」できなければオシマイです。その集客ですが、実は(一定の質は必要ですが)、見せ方・演出・巻き込み方などの違いが成果(売上)に大きく影響するのです。

いくら高い料金を設定したところで、集客できなければ「売上ゼロ」です。顧客を探し出すために費やした時間がすべて「機会損失」となってしまうのです。

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つまるところ、コピーライティング、ブログ、フェイスブック広告といった細かな戦術に拘る前に、経営コンサルタントとしての「戦略」がなによりも重要なのです。

ところで、元請け会社と契約した上で、大手企業のプロジェクトに関わるコンサル案件については、数が豊富にあります。例えば、今だとRPA導入プロジェクトなどがあります。

週に1,2回だけ出社すれば良いものもありますが、多くは常駐型です。これは「コンサル案件」と呼ばれていますが、大手企業に高額料金で派遣されるような働き方になります。月に100万円を超える案件も豊富にあります。ただし、殆どはシステム系となります。

大手のコンサルティングファーム出身者であれば、このように元請け会社に登録し、大手企業のプロジェクト案件を渡り歩くことでそれなりに稼ぐことが可能です。

しかし、自力で顧客を見つけ出そうとすると大変なのです。中小企業に月1回の訪問で30万円もの料金を取ろうとすることは大変であり、獲得までに時間が掛かります。先に述べたように、ビジネス出版し、著書をマス媒体で広く周知するようなことでもしない限り、なかなか集客できないはずです。

1.関口のつぶやき、感じたこと(生産性向上など)