戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【経営・戦略002】
2016年10月6日(木)
戦略プロセス経営実践会では、「ビジネス活動をプロセスとして可視化させ、体系的に一体化させたシステム(事業)を構築する!」を基本的なアプローチにしています。
前回の記事では「プロセスにするのはなぜか?1 ~私たちの毎日もプロセス~」と題して、私たちが朝起きてから出勤するまでの活動を大雑把なプロセスとして紹介しました。
ところで、前回の記事をお読みでない方は、まずはこちらを先にお読み下さい(←クリック)。その方が今回の記事がスムーズに理解できるからです。
さて、前回お知らせした起床してから出勤するまでのプロセスは、ざっくりした流れにすぎませんでした。しかも各プロセスが横一列のシークエンス(sequence)の状態でした。今回は、朝起きてから出勤するまでの時間を「どうしたら有効活用できるのか?」という視点でプロセスを改めて検討してみましょう。
例えば、朝の出勤の時間が7時30分と決まっていれば、毎日、5分、10分と少し早起きすれば時間に余裕を持つことができます。ただし、今回は、「10分早く起きろ!」などと無理に起床の時間を早めてもらうのではなく、「どうしたら起床から出勤までの時間を有効活用できるのか?」という点について検討してみましょう。
まず、限られた時間を有効に使うポイントの1つは、複数の活動を同時に片付けてしまうことです。別の言い方をすれば、2つのプロセスを同時に併行させるのです。
例えば、「A」「B」「C」と3つのプロセスがあり、それぞれの所要時間が10分であると仮定します。この場合、所要時間10分の「A」を終えてから「B」を始めて、「B」を終えてから「C」に取り掛かると、合計の所要時間は30分となります。
3つのプロセスをシークエンスに行うと30分も掛かるのです。ところが、「A」の後に「B」と「C」を同時に行えば、所要時間の合計が10分短縮されて20分となりますね?
サブプロセスの1つである「調理」に注目したところ、「調理」については「カット」→「煮る」という小さなプロセスに分割できることがわかりました。しかも「煮る」というプロセスには4分掛かっています。一旦火を付けてしまえば「待っているだけ」の4分間です。
「待っているだけ」では何も価値を生みません。これは価値を生まないプロセスとなります。そこで「煮る」というプロセスの4分間を有効に活用できないでしょうか?
目を付けたのが「洗顔・整髪」のプロセスです。火を付けて待っている4分間という隙間時間に「洗顔・整髪」のプロセスの一部を済ませることができるのです。このように「煮る」と「洗顔・整髪」のプロセスを同時に進めることで、全体の所要時間を4分も減らすことが可能になるのです。
冒頭に「限られた時間を有効にするポイントの1つは、複数のプロセスを同時に片づけてしまうということ」と書きましたが、活動をプロセス化させるもう一つのメリットには「価値を生まないプロセスを見つけ出すことができる」があります。
起床から出勤までの時間の有効活用に関しては、「調理」で火を付けた後に「ぼ~っと待つ」という価値を生まないプロセスを見付け出しましたね? これを削除してしまい、その空いた時間に「洗顔・整髪」のプロセス(の一部)を行うのです。
そう、まさにプロセスの見直しです。その結果、朝起きてから出勤するまでの所要時間を4分減らすことができるのです。
プロセス化のメリット、わかりましたか?次の「プロセスにするのはなぜか?3」はこちらから!
お役に立てましたでしょうか?「簡単だ!」と思いましたか?
このようにプロセスとして捉えれば、一連の活動が可視化されます。様々な見直しが可能となるのです。
今回は、朝起きてから出勤するまでという誰にも馴染みある活動を例に説明したわけですが、このアプローチをビジネスに応用していることで大きなメリットが得られるのです。
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