【経営コンサルタント031】 

2019年10月16日(水)

こんにちは。

本日は、過去に執筆した「なぜ経営コンサルタント起業する人は失敗するのか?」の続編として、サブタイトルの「経営コンサルティングの集客が難しい3つの理由」について述べていきます。

ここで言う集客とは、他人に集客してもらうケースは除いています。他人に集客してもらうことは、「他人の企画に便乗した仕事の獲得」となります。

「起業した」という人の中には、他人が企画した案件に、コンサルンタント、専門家、講師などのタイトルを名乗って活動しているケースが少なくありません。これには、元請会社の案件へ参加することなどが該当します。

ここでは自らの力で集客することを前提に話を進めていきます。

『コンサルタントの営業・マーケティング戦略』のコラムの中で説明した通り、コンサルタントの仕事の獲得方法は、大きく2つあります。1つは他人の企画に便乗する方法です。もう1つは自ら企画して集客する方法となります。

「他人の企画に便乗する方法」であれば、自らお客さんを連れてくる苦労から解放されます。ところが、自らの力で経営コンサルタントとして仕事を獲得する場合には、かなりの苦労が伴うのです。

さて、本題に入りますが、なぜ、経営コンサルタントにとって集客が難しいのでしょうか? 

先に結論を述べますが、私は理由が大きく3つあると考えています。

1つ目は「日本におけるサービスに対する対価が低い」ことです。2つ目は、1つ目に関連していますが「コンサルティング案件の悪しき商習慣」です。そして3つ目は「公的サービスの存在」です。

本日は、1つ目と2つ目を中心に少し深く検討していきます。

実は、日本ではサービスに対価をなかなか払ってもらえないことが、独立したコンサルタントの集客にも大きく影響していると考えています。

「サービスに対価を払ってもらえない」とは、アメリカで生活した私は20年以上も前から痛感していたことです。

『外食産業もテクノロジーの活用で生産性の向上』のコラムの中にも書いた通り、ロイヤルホストを運営するロイヤルホールディングスの会長も講演で同じこと(サービスに対する低い対価性)を指摘していました。

日本では、サービス産業の生産性の低さがよく指摘されていますが、その原因は「おもてなし」というサービスの料金が価格にきちんと反映されていないからと言われています。「モノ」に対価を払ってもらうことは容易ですが、「おもてなし」というサービスはオマケのように扱われてしまい、対価として課金することが難しいのです。

だから、別の見方をすれば、日本では低価格にも関わらず、海外と比べると質の良いサービスを享受することができるのです。

このような背景から、日本では「サービス」部分だけを切り離して、それなりの価格で課金することが難しいのです。「モノの価格」に「サービス料金」を含めなければならないのです。

こういうことは、ホームページの製作やプロモーションビデオの製作などを外部に依頼する際にも一般的に行われています。

依頼を受けた事業者は、ホームページやプロモーションビデオを製作する際に、いきなり製作するわけではありません。「ああした方が良い」「こうした方が良い」というアドバイスをはじめ、提案、企画書の作成などの業務が発生します。コンサルと殆ど同じような業務です。

ところが、このような業務に対して課金することは難しいのです。「製作してあげる」ことでようやく課金することが可能になるのです。

つまり、実際に製作に入る前に行ったアドバイス、提案内容の検討、企画書の作成…といった業務に関わる費用は、制作費一式の中に上手く組み込んでしまわない限り、課金することが難しいのです。

同じことがコンサルティングの世界でも起きています。例えば、コールセンターの集約、新ブランドのプロモーション、手書きポイントカードのシステム化など、いずれも私が過去に関わった案件です。

これらはどれも、事業者(コンサルティング会社、広告代理店、システム会社など)から提案される時点で課金されることはまずありません。

3040ページもの提案資料をいただいたのに、課金されないのです。事業者も「ご提案には◯万円の料金が掛かりますが…」などと、企画書を作成するために料金を提示してくることはまずありません。この段階までは全てがタダなのです。

契約を交わし「お宅にお願いします」と実際にプロジェクト(作業)がスタートしない限り、「お金」が動くことはないのです。3回、4回と訪問してもらっても、契約しない限り、すべてはタダなのです。

これが日本の商習慣です。これと同じ発想で経営コンサルティングのサービスが扱われます。だから「純粋なコンサルティングの部分」だけを切り離して課金することがいかに難しいか、おわかりだと思います。

現実の世界では、(提案内容が採択された)後に行う作業(実行)を請け負う約束をした上で、はじめて課金することが可能になるのです。

だから、「私は作業はやらない」というスタンスで「純粋なコンサルティング」だけを行うことを売りにするコンサルタントを見かけますが、彼らは集客の段階から非常に苦労します。

「売り手」は「純粋なコンサルティング」を立派なサービスと認識しており、コンサルを高値で売ろうとするかもしれません。

ところが、「買い手」である依頼側(クライアント企業)は、それをサービスとして軽く見がちです。一般的な商習慣では、提案した後に行われる作業(実行)を行うことで請求が可能になるため、コンサルティングの領域にはあまり価値を見い出してくれないケースが多いのです。

これは『起業を後悔する経営コンサルタントにならないために』のコラムにも書いた通りです。「売り手」と「買い手」の間でコンサルティング業務に対する認識の違いが生じていることを意味します。

このため「買い手」の立場では「プロポーザルを準備してもらうこと」に対してサービスと見なしているため、タダ(金を払う必要ない)と認識します。提案(プロポーザル)はタダで提供してもらうサービスであり、作業(実行)に着手しない限り支払うつもりはないのです。

同様に、モノの「買い手」はモノに支払うつもりである一方、「売り手」が「買い手」のために操作方法や活用方法の説明に割いた時間に対して支払うことはないのが一般的です。購入した後に、「上手く使えないから説明に来て!」というケースにおいても、料金が発生するケースは稀です。タダのサービスになってしまうのです。

だから、残念ながら日本では「純粋なコンサルティング」を、それなりの料金で課金することが非常に難しいのです。払ってくれても「ちょっとした相談料かな?」などと扱われてしまうからです。

また、先に3つ目の理由として指摘しましたが、公的機関が格安料金でサービスを提供していることも大きく影響します。公的機関のサービスを利用すれば、タダでコンサルティングが利用できますから。

同様に、スポットコンサルティング(相談)のマッチングサイトの活用が普及すると、「買い手」には選択肢が広がります。競争の原理が働き、価格は下がっていきます。あるマッチングサイトでは「相場は1時間に1.5万円」との記事が新聞に掲載されていました。

結局のところ、「コンサルティング」ではモノを納品するなど、何かしらの工夫を施さない限り、高額な課金が難しいのです。レポート(報告書)だけでは力不足なのです。特に、クライアント企業に特化した分析もなく、数字もないようなレポートだったら話になりません。

健康食品などの【モノ】に限らず、コンサルティングサービスのような【コト】を売る場合も同じ。実は(一定の質は必要ですが)モノ・コトの販売においては、見せ方・演出・巻き込み方などの違いが成果(売上)に大きく影響します。

3つの問題がわかりましたね? あとは「これらをどうやって潰していくのか?」ということを理解する必要があります。これについては特別レポートの中で説明します。 

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どうしたら「モノ」に相当する何かを提供することができるのか?

どうしたら「小石」ではなく、「ダイヤモンド」として扱ってくれるのか? 

こういう視点でご自身の事業を顧客視点で徹底的に見直し、見込み客に対する提案方法をよく検討してみる必要があるのではないでしょうか?

もしかしたら、コンサルティングという「売り手」視点の表現に拘るのではなく、「買い手」視点の発想に切り替えてみることが必要かもしれません。

巷には、自身が提供するコンサルティングサービスを「あなたに」高値で買ってもらうことを目的に、「コンサルティング」というサービスの価値を強く主張する人がいます。しかし、「あなた」の方は、それを鵜のみにするのではなく、コンサルティングという表現方法を含め、もっと「買い手」視点で考えるようにした方が良いでしょう。

1.関口のつぶやき、感じたこと(生産性向上など)