戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【経営コンサルタント019】
2018年10月 24日(水)
これまで何度か繰り返しており、復習となりますが、個人の独立系コンサルタントについては、次の通り8つのビジネスモデルに分類することができます。
前回までのコラムを読まれていない人は、「ビジネスモデル別に経営コンサルタントをチェック2」から読み始めることをおすすめします。
今回のコラムでは、7の「セミナー講師型」について簡単に説明します。その後、「全ビジネスモデルを俯瞰してみて」というタイトルでまとめ上げることにします。
では、まず「セミナー講師型」について説明します。
「セミナー講師型」は、セミナー講師として生計を立てる人です。本人が「経営コンサルタント」を名乗る限り誰もが経営コンサルタントとなりますが、「セミナー講師は、経営コンサルタントではない!」と考えている人もいます。
クライアント側としては業績アップの手段としてヨソ様(コンサルタント)に頼んでいるにすぎないので、セミナーとかコンサルティングとかの区別に拘る必要はないのです。
また、殆どのコンサルタントは最初にセミナーを開催して自身のコンサルティングへ誘導しようとします。コンサルティング会社がクライアント企業を獲得する際の常套手段はまさにセミナーなのです。
そういう意味において、経営コンサルタントとして活動する限り、誰もが「セミナー講師型」の側面を持っていると言えます。違いは、そういうセミナー講師としての側面が仕事全体に大きく占めるか・占めないかだけとなります。
私自身も年に数十回ほど講演・セミナーにお呼ばれされる機会があるので、「セミナー講師型」の側面がそれなりにあります。
また、経営コンサルタントの中には、前回のコラムで紹介した「純粋なコンサル業型」を目指す人が大勢います。ところが純粋なコンサルティング業務については、仕事の獲得が容易ではありません。そのため「純粋なコンサル業型」を目指しているが、実態は「セミナー講師」や「公的機関常駐・依存型」「補助・助成金依存型」という人が少なくないのです。
セミナーについては様々なテーマでそれなりに需要があります。企業の研修、業界団体主催の研修(セミナー)、○○展などの展示会で開催されるセミナーなど、毎日のように様々なセミナーが全国各地で開催されます。
企業向けコンサルティング業務についても、それなりにニーズはありますが、独立系の個人コンサルタントが獲得できる案件となると、どうしても限定されてしまいます。その理由は、企業を取り巻く環境がシステム化などにより多様化・複雑化しているからです。そのため、1コンサルタントが専門家として担える範囲が限定されてしまうのです。
それに独立系の個人コンサルタントが獲得できる案件については、多くのケースにおいて新たに需要を創り出す必要があります。その結果、仕事の獲得に苦労が伴います。あらかじめ予算が計上・確保されている、あるいは慣例として行われるセミナー(研修)に比べると、何かと仕事の獲得が大変です。
純粋なコンサルティング業務よりも需要があるので、仕事の獲得が(コンサルティングに比べて)容易である。
純粋なコンサルティング業務と異なるとは言え、殆どのコンサルタントにとってセミナー開催がクライアント企業獲得の常套手段となっている。
セミナー運営会社、研修会社、年間を通じてセミナー・研修を企画している支援団体などへの営業活動(ご挨拶)、あるいは、自ら企画して集客します。
担当者を探し出して、連絡を入れて、「一度、ご挨拶に…」などと伝えて、営業するというスタイルについては、誰もが思いつく一般的な営業スタイルです。
ところが、「事例から学ぶ集客(小手先)の手口25」に登録した人には紹介しますが、「ある方法」があるのです。それは、巧みに相手の懐に入り込み、相手の企画を都合の良いようにコントロールする事例です。
「コンサルタントの営業・マーケティング戦略」などのコラムの中で述べた通り、経営コンサルタントの集客については「他人の企画に便乗する方法」と「この指とまれ!」式で集める方法と、大きく2つに分けることができます。
これまで紹介したどのビジネスモデルにも共通しますが、「この指とまれ!」式については、自ら価格を決められるので大きく儲けることができる可能性がある一方、集客面においては非常に苦労しがちです。
だから、中小企業診断士協会やよろず支援拠点などの業務に依存した「公的機関常駐・依存型」の経営コンサルタントが多いのです。
一方、「この指とまれ!」式だけで売上を作ろうとする「純粋なコンサル業型」を目指すコンサルタントの中には、起業して1年どころか、2年、3年と経過しても、1件のコンサルティング契約すら取れないまま、時間ばかりが経過して資金を燃焼させてしまう、というケースが後を絶たないようです。
なぜ、一流大卒、早期退職して独立するまで都市銀行に勤務していた、サラリーマンの中でも超エリート扱いされる人が、わずか100万円/年すら稼げない一方で、会社勤めの経験すらない元フリーターらが億を売り上げているのか?
経営コンサルタントとして、売れるか? 売れないか? それは…
Kindle本の『商品説明欄』に非常に重要なポイントを記載しました。説明欄の閲覧は無料ですので、ぜひ上記をクリック&チェックしてみては?
いかがでしたか?
経営コンサルタントについて計8つのビジネスモデルを説明しましたが、どの人も1つのビジネスモデルに依存しているのではなく、複数のモデルに関わっているかと思います。
例えば、仕事がある日の半分は「セミナー講師型」、30%は「公的機関常駐・依存型」、残りの20%は「純粋なコンサル業型」という具合です。
また、今の注目は「会員制ビジネス・高額塾型」です。というか、会員制ビジネスのモデルが注目です。詳しいことは「事例から学ぶ集客の知恵」にを参考にしてください。
また、年配のおじさんが企業を訪問して、財務諸表をチェックしながら「ああだ、こうだ!」とアドバイスする一昔前のスタイルや「純粋なコンサル型」については、今後ますます顧客獲得に苦戦するようになることでしょう。
詳しくは次回にでも説明します。
これで「ビジネスモデル別にコンサルタントをチェック」シリーズは終了となります。
年間売上10億円規模の中小企業の新規事業向け
勝てる(新規)事業の戦略とマーケティング
「損益構造の見える化」で収益最大化を目指すポイント!