【経営コンサルタント015】 

2018年9月 2日(日)

前回の「ビジネスモデル別に経営コンサルタントをチェック1」と題したコラムでは、「リスト活用・情報商材型」の会社について説明しました。今回は個人で事業を行っている独立系コンサルタントのビジネスモデルに特化して説明していきます。

さて、独立系コンサルタントについては、実に多様な○○コンサルタントがいます。相続コンサルタント、恋愛コンサルタント、話し方コンサルタント、起業支援コンサルタントなどなど。今では「特定分野で唯一無二のコンサルタントになりましょう!」などと指導するコンサルタントが多いこともあり、ちょっと笑っちゃうようなネーミングや意味不明な専門分野のナンバー1を名乗り出るコンサルタントが増加しています。

今後は、働き方改革によって堂々と副業するサラリーマンが増えてくるはずです。また働き方が多様化するはずです。例えば、以前であれば「私は三井物産に勤めています!」と1社で仕事をすることが当たり前でしたが、今後は名刺を2枚、3枚と使い分けて仕事をする人が増えてくるはずです。正規雇用・非正規雇用などと識別(差別)する意識もかなり薄らいでくると予想しています。

さらに、東京オリンピック後は、バブル世代の(早期)退職が本格的にスタートするでしょう。そのようなことを考えると、気軽に始められる理由から、コンサルタント起業する人がさらに増えていくと予想しています。

時代の変化により今後、様々なコンサルタントが出現するはずですが、本日のコラムでは「経営コンサルタント」に特化し、彼らのビジネスモデルについて説明していきます。

後に経営コンサルタントのビジネスモデルについて1つ1つ詳しく説明しますが、その前に彼らの稼ぎ方については大きく2つ、あるいは3つに分けることができることをお伝えします。

それは「自分の力で顧客を見付けてくる」と「他人の力に頼って顧客を見付けてくる」の2つに分けられることです。また「他人に力に頼って顧客を見付けてくる」については、「元請けを通じて」と「公金に頼って」の2つに分けることができると考えています。

なお、ここで言う「顧客」とはクライアント企業(人)を指します。

A. 自分の力で顧客を見付けてくる

B. 他人の力に頼って顧客を見付けてくる

a. 元請けを通じて

b. 公金に頼って

記のことを踏まえ、次に経営コンサルタントのビジネスモデルについて検討しましょう。

10年以上に渡り私が調べた限り、個人でやっている独立系コンサルタントの殆どは、次のビジネスモデルに該当すると思われます。中には下記の中から2つ・3つのモデルを組み合わせている人もいます。私もその1人です。

  1. 会員制ビジネス・高額塾型
  2. プロジェクト・派遣型
  3. 公的機関常駐・依存型
  4. 補助・助成金依存型
  5. ブローカー型
  6. 人づて依存の何でも屋型
  7. 純粋なコンサル業型
  8. セミナー講師型

まず、先に説明した「経営コンサルタントの稼ぎ方」に照らし合わせて全てのモデルを図に示しますので、サクッと理解してみましょう。

まずは全体像をご理解いただきましたか?

本日は8つのビジネスモデルから「1.会員制ビジネス・高額塾型」と「2.プロジェクト・派遣型」について詳しく説明します。

残りの「3.公的機関常駐・依存型」「4.補助・助成金依存型」「5.ブローカー型」「6.人づて依存の何でも屋型」「7.純粋なコンサル業型」「8.セミナー講師型」については次回以降にお伝えします。

このモデルは「ビジネスモデル別に経営コンサルタントをチェック1」と題したコラムで書いた「リスト活用・情報商材型」と似ています。ただし、今回は「会員制ビジネス・高額塾型」と別のネーミングにしてあります。その理由は個人でやっている独立系コンサルタントだけを想定しており、多少の相違点があるからです。

このコンサルタントは、ネットを駆使して見込み客を集めます。そのため、経営コンサルタントに関する情報をインターネットで検索して集めようとすると、この「1.会員制ビジネス・高額塾型」を頻繁に目にすることになるわけです。

  • 販売方法が情報商材と同じ。派手なランディングページを活用している人が多い。そのため、かなり胡散臭いイメージを与える。コンサルタントの数は増え続けている。
  • 1対1ではなく1対Nの塾(合同勉強会・グループコンサルティング)を開催する。
  • コンサルタントがカリスマ・凄腕を演じることで、料金を限りなく高く設定できるかどうかがポイント。
  1. ネット(派手なランディングページなど)を駆使したリスト集め
  2. ステップメール配信・FBなどを使ったコミュニティづくりなど
  3. セミナー(説明会)へ誘導
  4. 高額塾へ誘導(30万円~120万くらい)
  5. Skypeなどを使った個別アドバイス

・若手の零細・個人事業主(いわゆる企業は対象外)

このコンサルタントのビジネスモデルは、下図に示した通りです。ネットを駆使してリスト集めをした後、まずは3,000円~5,000円で説明会に来てくれる人を集めます。そして、その説明会の当日に「○○養成講座」「○○○塾」などと称した高額塾へ誘導します。

一般的には、説明会の最後に申込用紙が配られ、そこにとんでもない金額が示されています。あるいは、口頭で金額を言ってきます。そして「本日に限り、特別価格の○○万円で…」と数十万円以上の割引価格を提示してきます。「熱は熱いうちに打て!」が行われるのです。

個人・個人事業主を対象に高額フィーの請求ができれば大きな売上がつくれる!

勉強会(高額塾)は、船井総研さんなどが開催する○○ビジネス研究会などと似ていますが、大きな違いは「費用」です。計6-7回の勉強会の参加に30万円~120万円くらい請求してくるからです。ちなみに、船井総研さんだと、参加費用は3040万円ほどです。

しかも、これは「1人コンサルタント対1社」の金額ではありません。1人のコンサルタントに対して少ない場合でも4-5人、多いと20人くらいが一緒に参加することになります。

コンサルタント側は、一度に15人(社)以上を相手に勉強会(高額塾)を開催するので、まさに「1N」のコンサルティング(勉強会)となります。この方法ならわずか1日で100万円、150万円、200万円もの売上をつくることが可能になります。

しかも、コンサルタントが決めた料金で、コンサルタントが決めた日に、コンサルタントが決めた場所に集まってもらうやり方なので何かとコンサルタントにとって好都合なのです。

対象顧客は零細・個人事業主なので国を動かすような「大きな仕事」に関わることはありません。また胡散臭いイメージが強く、世間からこのようなビジネスモデルを展開している人に対して奇異な目で見る人も少なくありません。

だから経営コンサルタントの中でも地位は低めです。しかし、私が先に示した計8つの経営コンサルタントのビジネスモデルの中では最も稼げるのではないと思っています。

クローズドなコミュニティをつくり、そこでカリスマを演じることで超高額を請求するからです。当然ながらコンサルタント側の演出が非常に巧みでない限り、かなり難しくなります。訪問販売、MLMなどの手口と似ています。職人気質のような人や真面目すぎる人には真似できないでしょう。私にもできません。

顧客として集まってくるのは、山気がある若手の零細・個人事業主が多いようです。売上が30億円、50億円もある企業の社長が集まることはないでしょう。彼らの目には「こんなのインチキでしょ?」「1社の案件に特化したコンサルティングではないのに、なぜこんなに料金が高いの?」などと映ることでしょう。

また、そのような若手の零細・個人事業主が集まる場に足を運ぶことにも抵抗があるはずです。

それに、万が一、社長本人が「良いな!」と思ったとしても、周囲の社員が「社長、それって怪しくないですか?」などと横槍が入るはずです。稟議書を通じて組織の中で複数名に精査されたら「アウト(怪しい!高すぎる!)」と判断されるばずです。だから、自分1人だけだけで即決できる、山気がある若手の零細・個人事業主が主に集まってくるのです。

なお、蛇足ですが、後に説明する「3.公的機関常駐・依存型」のコンサルタントの中には「ミラサポ」という中小企業庁の制度を利用して単発案件で稼いでいる人が少なくありません。その「ミラサポ」の制度を利用して企業訪問すると、1時間に5,000円、1日最大3万円の売上にしかなりません。

この場合、万が一、月曜~金曜日まで毎日フルに仕事が入ったとしても月に60万円前後の売上で頭打ちとなります。上手くやっている「1.会員制ビジネス・高額塾型」のコンサルタントの稼ぎとは大きく異なることが容易にわかるはずです。

 これは「1.会員制ビジネス・高額塾型」の正反対のコンサルタントと言えます。それは、「1.会員制ビジネス・高額塾型」のコンサルタントの「A.自分の力で見付けてくる」というやり方に対し、「2.プロジェクト・派遣型」は「B.他人の力に頼って見付けてくる」というやり方になるからです。あらかじめ案件(プロジェクトなど)があるところに、助っ人として入り込む働き方です。

呼ばれ方は「コンサルタント」かもしれませんが、いわゆる臨時職員や期間要員のような感じで企業のプロジェクトなどの案件に関わるのです。しかも、机を並べてクライアント企業に常駐する働き方が一般的です。IT系やエンジニアリング系のコンサルタントに多いのです。

仕事案件は、元請け会社や紹介・斡旋業者を通じて引き受けます。まさに派遣会社に登録して案件を紹介してもらう方法と同じです。

  • コンサルタントと呼ばれるが、期間限定で常駐する臨時職員・期間要員のような働き方。
  • 集客の苦労からは開放されるが、「この仕事はどうですか?」と声が掛かることを待つ、あくまで受身の仕事獲得となる。
  • 契約期間中は、「仕事がない!」「集客できない!」などの悩みから解放されるが1社に依存した働き方となる。

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次回はこちらから。

さて、いかがでしたでしょうか?

本日は私が計8つに分類した経営コンサルタントのビジネスモデルの中から2つを紹介しました。

「3.公的機関常駐・依存型」「4.補助・助成金依存型」「5.ブローカー型」などについては次回にでもお知らせします。

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