【経営・戦略017】 

2022年 5月 2日(月)

こんにちは。戦略プロセス経営実践会の関口です。

今回は、「卸しや代理店販売から直販に切り替える」の「パート2」となります。「新規とリピート、それに事業の損益構造を把握するには?」について説明します。                  

 

当たり前の内容ですが、ビジネスとして成功するためには、新規顧客を獲得することはもちろんのこと、さらに新規にて獲得した顧客をリピート客へと育てなければなりません。また、どの業種にも共通していますが、新規顧客1人を獲得するために発生する費用は、既存顧客にリピート購入してもらうコストの何倍にも相当します。

これは、2倍、3倍どころではなく、もっとコスト高になるのが一般的です。

しかし、1度なんとか買ってもらえれば、購入客のリスト(氏名、住所など)が手に入るので、次回からは的を射た個別アプローチができます。

新規顧客は獲得までに手間とお金が掛かる一方で、既存のロイヤルカスタマー(得意客)は、維持にお金が掛かりません。さらに、うれしいことにロイヤルカスタマーは、新規顧客を無償で連れてきてくれることがあります。無料の広告塔になってくれるのです。

要は、お金を掛けて獲得した新規顧客が、「リピート購入してくれる→さらにロイヤルカスタマー(得意客)となってくれる」というサイクルを作る仕組みがうまくできれば、「成功パターン」ができるのです。

そして多くのロイヤルカスタマーと良好な関係を築いていくことができれば、日々、新規客を獲得するために翻弄されるばかりではなくなるはずです。なぜなら、既存顧客が新たな顧客を連れてきてくれますから。

「何とかしなければ!」と焦り、チャンスを求めるあまり、必要もないのに「新しい何か」に飛びつくことに躍起になってしまうことがあるかもしれません。特に、今はさまざまな情報が錯綜しています。錯綜する情報に振り回されていると、行き当たりばったりの施策を繰り返す事業になりがちです。これでは事業はいつまでも迷走することになってしまうのでご注意ください。

ところで、あなたが事業の立ち上げ前ならば、どんな損益構造となるビジネスを目指しているでしょうか?

または、すでに事業を稼働させていれば、ご自身のビジネスがどんな損益構造になっているかを理解していますか? ご自身のビジネスの損益構造を理解しないまま、モノ・サービスを売っていたらマズイです。これでは使用した金額がわからぬままクレジットカードで買い物を続けるような計画性のないことと同じになってしまいます。

事業の損益構造のモデルについては、大きく二つに分けることができるのではないでしょうか? 一つは、「新規に獲得した顧客から稼ぐ」ことです。そして、もう一つは「リピート購入してもらい稼ぐ」ことになります。これは新規で獲得した時点において、対顧客との損益が赤字となる方法です。

リピート購入してもらうモデルに関しては、同じ(会社の)商品を繰り返し購入してもらうことで最初は赤字でも後の黒字化を目指します。あるいは、最初は利益が出ない低価格な商品(フロントエンド)を提供し、後に本当に買ってもらいたい高額な商品(バックエンド)を提供する方法があります。

いずれにせよ、「投資して獲得した新規顧客から、時間の経過と共にどの時点で利益を出すことができるのか?」ということを把握した上で、事業をきちんとデザインする必要があります。リピート購入で稼ぐ場合は赤字から黒字化するまでの時間軸をも理解して資金ショートを起こさないように注意しなければなりません。

なお、「事業をデザインする必要がある」と述べましたが、まず「当社はどうあるべきか?」というビジョンや目標などを明確にし、そこへ到達するための戦略ストーリーを「初期の仮説」として描くことです。また、到達までに踏むべき「プロセス」を明確にすることです。

このようなことを行うためには上位概念の定義化が必要となります。それをベースに、一つ一つの施策に落とし込んで事業をデザインすることです。事業を一つの大きなシステムとして捉え、可能な限りサイエンスする(事業の成果をシンプルな方程式で語れるようにする)のです。

このような事業デザインの過程において「一連のプロセスの、どこに、どのような武器(ツール)を、どのように使うべきか?」ということを検討していくのです。

先述の通りですが、稼ぐ方法は大きく二つあります。一つは新規顧客から稼ぐ方法です。もう一つは、赤字覚悟で新規を獲得するのですが、リピート購入してもらうことで稼ぐという方法になります。

新規で稼ぐモデルでは、顧客からのリピート購入を期待することなく、(顧客の)初回購入時から利益確保を狙うのです。

リピートはしないことが前提となっている商品・サービスを扱っているので、1人当たりの新規獲得コストが1人当たりの売上(顧客単価)を上回るようでは、確実に赤字となります。

初回購入時から利益を確保できれば、非常に安心です。1回の購入で利益を狙うので、1人の顧客からの売上は、1人の顧客獲得費用を下回るようなことがあってはなりません。

このモデルの問題点は常に新規を獲得し続けなければならないことです。常に「新規顧客」を探さなければならない事業モデルの場合は、かなり粗利が高くない限り、非常に苦労することになるでしょう。あるいは、薄利の場合はスーバーの如く多売をしなければならなくなります。

一方、事業が「リピートで稼ぐ損益構造」になっている場合は、一般的に新規顧客を獲得する際はコスト高となります。初回の売上時は、対顧客とのPL(損益計算書)上で赤字になるでしょう。しかし、顧客1人当たりの平均リピート回数が多く、複数回購入してもらうことで後に利益を確保することが可能となるのです。

このモデルの問題点は、新規顧客を獲得した時点では赤字になること。しかも黒字化させるまでにお金が掛かることです。時間も掛かります。資金力のない会社(事業)の場合は、その間に事業の継続が難しくなってしまうかもしれないのです。

例えば、1人の顧客から1回の注文で5,000円の売上(顧客単価)しか得られないにも関わらず、獲得の費用が10,000円だったりする場合です。これでは、顧客獲得時は明らかにPL(損益計算書)上赤字となります。

しかし、このモデルの良い点もあります。それは、健康食品の「毎月コース」のように月々、一定の割合(率)でリピート購入が期待できるのであれば、仮に新規客を獲得することが全くできなかったとしても、来月、それに再来月も継続してある一定の売上を期待することが可能となるからです。

とはいうものの、時間の経過と共に顧客は離脱していきます。だからこそ、離脱を上回る数の新規客を獲得しなければならないのです。

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以上の通り、新規およびリピートの関係を踏まえ、ご自身の事業に関して損益構造を正確に把握することが非常に重要です。

繰り返しますが、通販やD2Cビジネスでは、さまざまな活動を繰り返しながらも、常に損益構造を意識し、把握していかなければならないのです。

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(記事の一覧)

  • 017:卸しや代理店販売から直販に切り替える パート2 ~新規とリピート、それに事業の損益構造を把握するには?~
  • 016:卸しや代理店販売から直販に切り替える パート1 ~直販事業において収益構造に大きな影響を与える指標とは?~

  • 011:鬼速PDCA ~冨田 和成 クロスメディア・パブリッシング~