【経営・戦略009】 

2018年12月 20日(木)

本日のコラムでは、2018121日付のコラム「レッド・オーシャンからブルー・オーシャンへ」で紹介した「ブルー・オーシャン・シフト」という書籍の内容をお伝えします。その書籍の内容を紹介するのは、先の「非顧客層の海を見つけ出す」に続いて2回目となります。

本日紹介するのは「六つのパス」という分析ツールです。これは新鮮な視点で市場を眺め、他者が見落としているものを見るための方法です。市場の境界線を引き直し、市場を創造ないし再創造するのです。

狙いは、他の人々の目には熾烈な競争が展開されるレッド・オーシャンしか映っていない場合でも、事業機会を見つけられるように、作業をわかりやすくして、うまく組み立てることです。では、さっそく事業機会を見つける六つのパスを紹介します。

なお、英語をカタカナ表記にした「パス」では、わからない人がいるかもしれません。そこで「六つのパス」というよりも「六つの考え方」としてとらえる方が理解しやすいかと思います。そこで私は「パス」を「考え方」と言い換えて次の通り説明します。

たいていの組織は硬直的な戦略レンズを用いており、同業他社を打ち負かすことばかりに躍起になり、レッド・オーシャンから抜け出せないとのこと。一方、ブルー・オーシャンのレンズは異なります。同業他社に着目するのではなく、代替業界に学ぶのです。

狙いは、自分達の業界ではなく別の業界の製品やサービスが選ばれる理由を掘り下げ、購入の決め手となる要素をうまく組み合わせる方法を探し、他の要素は減らすか取り除くかして、新しい市場空間を開拓することです。 

私は当初、「業界内のほかの戦略グループから学ぶ」という表現の意味がわかりませんでした。「戦略グループ」の意味が不明でした。しかし、注意して読んでいくうちに理解できるようになりました。

例えば、ホテル業界の場合、五つ星レストランは他の五つ星レストランを凌ぐことに注力しがちですが、同じホテル業界のほかの戦略グループ(例えば、格安ホテルなど)から学ぶことができるということです。

考え方1で紹介したのは「ヨソの業界」から学ぶことでした。ここでは同じ業界の別グループ(戦略グループ)から学ぼうということです。

重要なことは、些細な点に気を取られずに、おのおのの戦略グループの違いを際立たせる価値とコストの決定的な特徴を見極めることだそうです。

この考え方は自業界あるいはターゲット業界が現在どの買い手グループを重視しているかを見極めた上で、業界が見過ごしてきた買い手グループに焦点を移すことです。

これについては先に紹介したコラム「非顧客層の海を見つけ出す」の内容が役に立つかと思います。これまで顧客と見なさなかった人たち(非顧客層)から需要を掘り起こすのです。

これは業界が定義する製品やサービスの価値をもとに、その最大化に焦点を当てるのではなく、顧客が求めるトータル・ソリューションを見渡して、製品やサービスの価値を増減させる補完財や補充サービスについて理解することです。

大多数の業界では、競合各社が従来の境界内にひしめき合い、もっばら、既存の製品やサービスの価値を最大化しよと躍起になっています。そうではなく、買い手が追求するトータル・ソリューションをより幅広く理解することで、未開拓の価値の源泉に新たな発見ができるのです。

これは業界の機能志向ないし感性志向の枠内で費用対効果を高めることに焦点を当てるのではなく、自社の業界ないしターゲット業界の機能志向/感性志向を問い直すことです。主に価格と機能性で勝負するのが機能志向である一方、顧客の心に好ましい感情を芽生えさせようとして競争するのが感性志向となります。

機能志向から感性志向へ、あるいは感性志向から機能志向へと切り替えるか、両方の特性を兼ね備えると、往々にして新たな価値コスト・フロンティアを開拓できるとのこと。

例えば、一般的には機能志向とされているスーパーマーケット業界が、感性志向へ転換したら、どうなるでしょうか? それには、楽しいお出かけ、洗練、目がさめるような手早いサービスなどが考えられます。

これは外部のトレンドへの適応に焦点を当てるのではなく、自社の業界やターゲット業界に間違いなく影響を及ぼす外部トレンドの形成に加わることです。その概念は掴みやすいのですが、他のパス(考え方)と違って何を変えれば良いのかかが早い時期に高い確度で判明せず、明確にならない点が難しいとのこと。

この問題に対応するには、関係ありそうなトレンドについて個々に、「このトレンドがこのまま続いた場合、既存製品の特性のうち、意味をなさなくなるもの、あるいは買い手にとって価値を損なうため、取り除いたり、減らしたりすべきものはどれか」などと考える必要があるとのこと。

事業機会を見つけ出し、新しい市場を開拓しよう。次回のコラムは、こちらから!

お役に立ちましたか? 以上の通り、「代替業界に学ぶ」「業界内のほかの戦略グループから学ぶ」「別の買い手グループに目を向ける」「補完財や補完サービスを見渡す」「機能志向と感性志向を切り替える」「外部トレンドの形成に加わる」の六つのパス(考え方)を紹介しました。

そういう考え方で検討することにより、①業界が焦点を当てる問題を再定義、再構築する、②まったく新しい課題を見つけて解決するか、まったく新しい事業機会を掴む、③業界がかねてから抱える課題に対する画期的な解決策を生み出すなどの実践的な方法を知ることができるようになるのです。

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