戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【経営・戦略010】
2018年12月 26日(水)
本日のコラムでは2018年12月1日付のコラム「レッド・オーシャンからブルー・オーシャンへ」で紹介した「ブルー・オーシャン・シフト」という書籍に書かれていた内容を改めてお伝えします。それはタイトルにある通り、「取り除くこと」「減らすこと」「増やすこと」「創造すること」となります。
競争を抜け出して、機会、成長、雇用に満ちた新しいフロンティアを開拓するブルー・オーシャン・シフト。その手順については、次の通り5つのステップから成り立っています。
前回のコラムでは「事業機会を見つける六つの考え方(六つのパス)」と題して、市場の境界を引き直す6つのパスについてお伝えしましたが、それは上記に書いたステップ4の「目的地への道筋を見つける」ことに役立ちます。戦略の対象となる場を再定義して、商業的に旨味のある新規市場を創造することです。
そして本日お伝えする「4つのアクション」については、6つのパスで得た知見を掘り下げ、優れた戦略の策定に活かすためのフレームワークとなります。
なお、4つのアクションという手法は、カギとなる4つの問いに根差しています。これらの問いに向き合うことで、業界の戦略ロジックやビジネスモデルに疑問を持ち、差別化と低コストに二者択一を乗り越えるブルー・オーシャン施策を見つけることができます。
業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべきものは何か?と考えてみることです。「長年の業界慣行であるため、殆ど疑問視されない」「各社とも他社との比較に懸命になるあまり、買い手にとって効用の根本的な変化に対応しないばかりか、気づきさえない」ようなことを取り除きます。
業界標準と比べて大胆に減らすべき要素は何でしょうか?製品やサービスに余計な要素を盛り込んでいないでしょうか?顧客に奉仕しすぎて、無駄にコストを押し上げている余計な要素は何かないか?などと「減らすこと」を検討しましょう。
業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何でしょうか? 買い手が「製品やサービスに標準的に備わっている以上に求めている」ことはあるでしょうか?
そうやって検討しながら、業界がこれまで顧客に強いてきた不都合をあぶり出し、それを解消する方向へチームを導くことです。
業界でこれまで提供されていない、今後創造すべき要素は何でしょうか? この問いについては、全く新しい価値を提供し、非顧客層を顧客層に変えることによって、新規需要を創出するきっかけとなります。
以上が4つのアクションとなりますが、とりわけ重要なのは「取り除く」と「創造する」だそうです。なぜならこれらは、主に既存の競争要因を増減させて価値を高めようとする従来の手法にこだわらず、価値創造の新しい手法を模索するよう、チームに促すからです。
本には、上記4つのアクションを補完するために使われる「ERRCグリッド」というツールの紹介がありました。ERRCとは、取り除く(eliminate)、減らす(reduce)、増やす(raise)、創造する(create)の頭文字をつなげた呼称となります。
日本には無いのですが、ニューヨーク、ロンドン、台北などにある「シチズンMホテル」を例にERRCグリッドの紹介がありましたので、次の通りお知らせします。
取り除く |
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減らす |
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増やす |
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創造する |
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書籍「ブルーオーシャン・シフト」から学んだ内容については、もう1回だけコラムで紹介いたします。お楽しみに!次回のコラムは、こちらから!
残念ながらシチズンMホテルは日本にありませんが、従来の概念を覆すようなホテルのようです。
ぜひとも「取り除く」「減らす」「増やす」「創造する」という視点からご自身の事業の製品・サービスを検討してみましょう。
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