戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
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【関口のつぶやき、感じたこと 079】
2023年 6月 15日(木)
こんにちは、関口です。
先日、大前研一氏の書籍『世界の潮流2023~24』を読みました。帯に「地政学・安保リスクと最新AI革命」と書かれていたのを見て、衝動買いしてしまいました。静岡出張の往復の移動時間中に全てを読み終えました。帯に「2時間でわかる」とある通り、2時間で全ページを読むことができました。
この本は主に世界情勢について書かれていました。聞いたことのない人名や固有名詞が少しだけ登場しましたが、特に目新しい情報はありませんでした。大手メディアが報道してきた内容とは異なる視点もありませんでした。
また、最新のAI革命に関しては、ChatGPTの話が紹介されていましたが、ビジネス雑誌(例:週刊ダイヤモンド)の特集記事と比べると情報が限定的で物足りなさを感じました。しかし、この本で気になった2つのポイントを紹介します。
1つ目は、「サイバー社会」で生き残る人材についてです。大前氏が名付けた「サイバー社会」とは、未来学者の故アルビン・トフラー氏が1980年に予測した「農業社会(第1の波)」→「工業化社会(第2の波)」→「IT社会(第3の波)」というステップをさらに進めたもので、現在は「第4の波」と位置付けられています。
サイバー社会では、情報の量や覚えていることが重要ではなくなります。インターネットやデータベースに存在する膨大な情報には誰も敵わないからです。
では、サイバー社会において生き残る人材はどのような人物でしょうか? 大前氏は、以下の3つの要素を挙げています。「構想力」―「0から1」を生み出す力。「質問する力」―自分の頭で考え、納得してから決断する力。「問題解決力」―答えのない問題に対して論理的な最適解を導く力です。
大前氏は、現在の混迷した時代において自身を守るためには、自己に頼るしかないと述べています。そのため、学び直しやリスキリング・リカレント教育などを通じて自身の価値を高めることが重要ですが、特に注目すべきはここからです。
大前氏が主張する「学び直し」は、岸田政権が推進する資格取得やプログラミングなどのデジタルスキルを身に付けることとは異なります。氏が強調するのは、先述した3つの要素(構想力、質問する力、問題解決力)の習得です。
もう1つ気になった点は、アメリカにおける人件費の高騰です。アマゾンの倉庫で働く労働者たちの時給は現在30~40ドルと報告されています。これを日本円に換算すると時給約4,000円となり、1日8時間働くと日給が3万円を超えてしまいます。月給にすると50~60万円にもなります。それにもかかわらず、人材が集まらないという状況が生じているとのこと。
これは、労働市場における需要と供給のバランスが変化していることを示しています。人材に対する需要が高まっており、高い人件費が支払われている一方で、人材の供給が追いつかないようです。
このような現象は、日本の労働市場の将来について考える上で重要な要素となります。技術革新や労働力の変動によって、今後ますます複雑な状況が生じることが予想されます。
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