戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【関口のつぶやき、感じたこと 052】
2020年 12月 6日(日)
こんにちは。戦略プロセス経営実践会の関口です。
去る11月26日(火)の日本経済新聞に気になる記事がありました。タイトルは「大手行、中小に人材橋渡し」。
この記事は「人手不足に悩む中小企業に対し、大手銀行が人材の紹介を通じて支援する動きが広がっている」という文で始まります。
記事には三菱UFJ銀行が企業で取締役や部長といった役職経験者を顧問として紹介する顧問名鑑社と業務提携を結んだことなどが紹介されていました。(銀行側は)紹介手数料を取らず、企業が顧問名鑑社と業務委託契約を結ぶと書いてあり、一見すると銀行側には何もメリットがないような印象を受けました。
しかし、その後に記載がある「強い立場である銀行が取引先の中小企業に対して優越的地位の乱用や利益相反行為が生じないか懸念する声もあがる」という一文が気になりました。
これは、中小企業に対して強い立場にある銀行からの紹介であれば、(中小企業側が)必ずしも望んでいなくても「銀行からの紹介だから、受け入れた方が良いかな?」などという力が働くということではないでしょうか?
ところで、何年も前から日本の大手企業の技術者が破格の待遇でオファーを受け、中国や韓国など海外の企業に数年ほど働きに出るケースが増えています。
この動きと同じように、60代、70代になってもまだまだ働きたいという人が増えていることもあり、顧問名鑑のように、仲介役を名乗り出る企業が増えているのです。そして大手から中小企業へ多くの企業OBが流れているのです。
これは優秀な人材の獲得に悩む中小企業にとっては良い話でしょう。一方で定年後も働きたいと考えている年配者には、現役時代の経験・ノウハウ・ネットワークなどが活かせ、「活躍の場」が与えられることになります。win-winの関係となります。
特に、中小企業にとってはありがたい話ではないでしょうか? なぜなら、人材確保という面において、10年前とは比較にならないくらい選択肢が増えたからです。10年前にはなかった、あるいは、あまり認知されていなかったサービスが増えたのです。
大手企業の退職者の受け入れ、フリーランスのスポット活用、副業解禁による大手企業のサラリーマンからの支援など、選択肢が増える一方なのです。おまけに、コロナ禍の今は公的機関の支援メニューが充実しています。
中小企業にとっては良いことずくめではないでしょうか?
しかし、立場が変われば状況も変わります。中小企業へ提供されるサービスの多様化は、競争激化を意味します。この競争激化によって困る人も出てくるのではないでしょうか?
だから、私たちはこのような市場環境の変化に順応していかなければならないのです。
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