戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【関口のつぶやき、感じたこと 051】
2020年 11月 14日(土)
こんにちは。戦略プロセス経営実践会の関口です。
週刊東洋経済の最新版(2020年11月14日号)を読んでいたら「接客DX」という聞き慣れない表現を見つけました。「これは何だ?」と思って記事広告を読んでみました。
これは、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けた旅行業界大手のHISが、チャットコマースを展開するジールス社と取り組んでいるデジタル技術を駆使して、店舗での接客体験をオンライン上で再現するものでした。
数年前からチャットボットを利用する会社が目立ってきました。しかし、AIを搭載したチャットボットでは人のぬくもりや心をくすぐる工夫などがありません。そこで彼らはオンラインでの「おもてなし」の実現に挑戦しているのです。
「接客DX」は3段階で構成されているとのこと。「チャットボット」「有人チャット」「ビデオ接客」の3段階です。
実は、HISではチャットボットもビデオ接客も、単体のサービスとしてはかなり早い段階から導入していたそうです。しかし、それぞれで完結させようとしていたため、リアル店舗での接客を再現できる水準ではなかったそうです。
ジール社の社長は記事の中で以下の通り述べていました。
デジタルツールを導入するだけでは、DXは実現できません。重要なのは、目的のために発生する一連のプロセスを一気通貫にすることです。
プロの接客スタッフの仕事をAIで代替するのではなく、その強みをどう生かすか、「AI×人」の新たな接客を実現し、「おもてなし改革」を起こすことで、今までにない新たな体験価値を彼らは提供しようとしているのです。
「チャットボット」「有人チャット」「ビデオ接客」の3段階を私が実態に体験したわけではないので、体験してみたらどう感じるかわかりません。だた、全ての工程をオンライン化しようとするのではなく、その一部に有人対応を取り入れることで「おもてなし」を補うことができるはずです。
なお、ジール社のホームページをチェックしてみたら次の通り記載がありました。
接客DXで、日本の「おもてなし」をデジタル化する。
接客DX「ジールス」は、チャットボットやビデオツールを活用して店舗接客をデジタル化する機械(AI)と人による統合ソリューションです。
つい数日前、近畿日本ツーリストが、従業員の3分の1を削減し、店舗も3分の2閉鎖するというニュースが流れていました。今後は、店舗が減っていく一方で、接客DXのようなサービスが普及していくことになるのでしょう。
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