戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【関口のつぶやき、感じたこと041】
2020年 2月 24日(月)
こんにちは。戦略プロセス経営実践会の関口です。
本日のテーマは、1カ月以上前にも紹介した書籍「BCGが読む経営の論点2020」から学んだ内容を再びお伝えします。今回は、デジタル・トランスフォーメーションについてです。
進化するテクノロジーを活用して、世界各地でデジタル・トランスフォーメーションの取り組みが加速しています。この本の「デジタル・トランスフォーメーション-日本での成功のカギ」と題したセクションを執筆した者によると、現時点までの日本企業の取り組みの多くは、個別のプロセス改善やIT導入といった限定的な範囲にとどまっており、本質的なトランスフォーメーションには至っていないとのこと。
また産業の特性によりデジタル・ディスラプトの進展や企業のデジタル化の度合いが異なるのですが、デジタル化により最も大きな影響を受けたのはメディア産業と指摘しています。新聞社、雑誌、テレビなどの付加価値が減少し、広告の付加価値はプラットフォーマーにシフトしました。今や消費者接点の大半はGAFAなどの企業に寡占されており、その差は今後も開いていくと担当者は予想しています。一方、自動車やエネルギーなどの産業はディスラプションの影響が限定的と想定されていたのですが、この数年で一気に進展が加速したとのこと。
このように産業によりデジタル・ディスラプトの進展度には違いがありますが、あらゆる産業で抜本的なデジタル・トランスフォーメーションが求められていることは確かです。
では、私たちには一体、何が必要なのでしょうか? それは、変革の大きなストーリーを描き、そこまでの道筋を設計すること。
実は「ストーリーを描き、そこまでの道筋を設計する」というのは当会のサービスそのものでもあるのです。
本の中には、根本的なデジタル・デジタル・トランスフォーメーションを実現するために必要なこととして、次の道筋が示されていました。
まず「現状の取り組みの可視化、集中と選択」です。戦略策定にあたり、事業と業務機能の単位で現時点でのデジタル・トランスフォーメーションの取り組みをすべて可視化し、思い切った集中と選択をすべきとのこと。次に、「ターゲット市場と提供価値を絞り込み集中投資する」ことです。
総花的な戦略をとれば、投資が分散して効率が悪くなり、市場からの撤退を余儀なくされるだろうとのこと。リクルートやモノタロウなど特定領域に特化した成功例がある通り、特定領域で圧倒的な数のユーザーを集め、データとノウハウを蓄積すれば、コンサルティングサービス、サブスクリプションなどさまざまなモデルに移行でき、大きな収益源となるのです。
そして、ターゲットを明確にしたら、次はトランスフォーメーションの大きなストーリーを描くことです。これはトランスフォーメーションを進化させる道筋を決めることになります。本には次の通り4つのステップが示されていました。
少し理屈っぽくなるので個々のステップについては説明しませんが、最後に執筆者が主張しているキーワードを紹介します。それはバイオニックカンパニー、つまり、デジタルと機械や人間の能力を融合してビジネスモデルを転換し、競争優位を築く企業への変革を目指すことです。バイオニックカンパニーにおいて最も重要なことは、顧客との関係をパーソナルなものとするためにデジタルや機械や人間の力を融合すること、と述べられています。
またバイオニックカンパニーではデジタルビジネスの比重が高まり、意思決定とその速度も根本的に変わるとも述べられています。
なお、本にはなかなか良いことが書かれていたので、次の通りそのまま紹介します。
技術革新により、人と人、人と企業、人と機械がインターネット経由で高速かつ広範囲につながり、個人、企業、そして政府との関係までもが再定義される時代に来ている。その中で、新しい価値を社内に提示し、デジタルとリアルの垣根を越え社会全体に付加価値を提供し続けるプレイヤーが生き残り、新時代の有機的なエコシステムが形成されていくだろう。
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