戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【関口のつぶやき、感じたこと034】
2019年 11月 4日(月)
こんにちは。戦略プロセス経営実践会の関口です。
本日は、数日前にお届けした「AIアシスタントでビジネスが変わる」の続きとして、米国のマネジメント誌Harvard Business Review(ハーバード・ビジネス・レビュー)に掲載された論文から厳選されたものを集めた「テクノロジー経営の教科書」という本から学んだことを説明します。
本には「アレクサ」時代のマーケティングというタイトルで紹介されていましたが、スマートスピーカーという形で私たちの日常生活に溶け込み始めている新たなAIプラットフォームが構築されることで、ビジネスのルールが大きく変わるとのこと。
特に、「顧客獲得」「顧客満足」「顧客維持」という3つの領域で変革が起きると筆者は予測しています。
「顧客獲得」に関しては、プラットフォームのアルゴリズムに影響を与えることが勝利のカギになるとのこと。それは、企業にとっては、AIが各消費者に代わって適用する、カスタマイズされた購入条件を理解することが極めて重要になるからです。現在の企業の顧客獲得を支えているシステムは、AIプラットフォーム経由のマーケティングを学ぶ必要があるとのこと。
また、「顧客満足」に関しても変わります。なぜなら、AIプラットフォームが、その瞬間に、その人にとって最も好ましい特徴、価格、性能の組み合わせを予測できるようになるからです。AIアシスタントは顧客のニーズを顧客自身よりも的確に満たせるようになるかもしれないのです。
とにかく、AIプラットフォームは、市場において、より効率的な選別やマッチングを促すことになることは間違いないでしょう。
さらに、「顧客維持」も変わります。現在の購入については、わざわざ他の商品を探すのも面倒だという理由で、同じ商品を使い続けている顧客が少なくありません。本には「平たく言うと、たいていの人には、洗剤の成分表をいちいち調べるよりも大事なことがあるのだ」と書かれています。
ところが、AIアシスタントは、ノートPCであれチューインガムであれ、任意のカテゴリーに含まれるすべてを定期的に調査して、消費者のニーズをより満たしそうな新商品を提案することができます。
そうすると購買内容が定期的に見直されるようになるのですが、売る手は消費者の乗り替えの防止に役立つ情報をプラットフォームから購入できるようにもなるのです。結果として、AIプラットフォームは売り手と買い手の両者の間に入り、双方に価値をもたらすとともに、プラットフォーム自身も収益を得られるような形で機能するようになります。
このように、消費者を相手にするすべての企業では、AIプラットフォームによって、自社と顧客の関係が抜本的に変わるかもしれません。本には、プッシュ型のマーケティングの重要性が高まる一方で、プル型マーケティングの重要性は低下するはずと書かれています。
また、消費者の関心がAIアシスタントに移り、消費者データやAIの予測能力の価値が飛躍的に高まることで、これまで決定的な資産だと思われてきた生産能力やブランドなどはいまほど中心的な存在ではなくなるとのことです。
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