【関口のつぶやき、感じたこと(生産性向上など)029】 

2019年 8月 16日(金)

  • 売り切りモデル
  • AIシフト
  • 目利き力

こんにちは。戦略プロセス経営実践会の関口です。

まだお盆休み中の人が多いと思いますが、本日は「売り切りモデルの何が問題なのか?」と題してお伝えします。

今年も7月に東京都内のホテルでソフトバンクワールドが開催されました。連年のことながら初日の基調講演には孫正義氏が登壇しました。孫氏の説明によると「人類は推論によって進化してきた」「推論能力の向上が進化の鍵」「AIによって人類の進化が加速する」とのことです。つまり、進化の鍵は「AIシフト」であると述べていました。

孫氏が主張する通り、これからAIシフトが進むはずです。というか、今後は技術がさらに進化し、モノ(技術・ツール)が高機能化・複雑化します。モノとモノがインターネットでつながるIoTAIの普及が本格化します。これまでの使い方(常識)とは大きく異なる新しいモノやサービスが次から次と登場します。これは必至であり、しかもそのような新しいテクノロジーとはこれまで無縁であった中小の非製造業にも浸透していきます。サービス業、小売業、介護など…。

私は2010年から介護分野にロボットやICTを普及させる活動を手伝ってきましたが、普及には時間が掛かっています。また、この活動を通じてとても気になっていたことが1つあります。

それは「良いモノなら売れる!」というプロダクトアウトの発想による販売です。プロダクトアウトによる販売が常態化しているのです。A社はaという機種を、B社はbという機種だけを、そして、C社はcという機種だけを…と、バラバラにアプローチしているのですが、どこの企業でも「ウチのは…」と「自社製品ありき」の売り方なのです。これについは介護だけではなく、他の業界でも同じですが…。

でも、一体、この販売方法(ビジネスモデル)の何が問題なのでしょうか?

それは、顧客を中心に考えるビジネスからは最も遠くに位置しているやり方であるということです。「売り手」が売りたいものを「買い手」にムリにでも買わせように働きかけているにすぎないからです。

典型的な方法は、展示会やセミナーなどの場を通じて潜在顧客と接点を持ち、興味を示してくれた人に「この製品には、こんな素晴らしい機能があります!」「このように見事な活用ができます!」と説得しながら、機種別に販売(バラ売り)することです。まさに製品を売り切りする方法です。

この方法だと、結局のところ、「自社製品がスゴイ!」「優れている!」ということをあの手この手で演出することが販売事業者の主たる仕事となります。

例えば、どこの業界でも行われている演出方法として顧客(ユーザー)を活用する方法があります。「顧客の声」「体験談」などを巧みに披露することです。

別の会社は、大学や研究機関の実証実験の結果を披露しながら「ウチの製品は、●●大学の研究結果によって◯◯の効果があることが証明されています!」などと宣伝するでしょう。また、別の会社は、国や自治体にロビー活動を行って何かと便宜を図ってもらうでしょう。これには、補助金制度を新設してもらうことなどが含まれます。

いずれも「ウチの製品は、こんなに素晴らしいのです」ということを演出するための行為です。「自分(自社)で伝える」「他人(顧客やビジネスパートナー)に演じてもらう」「行政に動いてもらう」などの違いこそありますが…。

結局のところ、製品の売り切りを行っているにすぎないのです。ユーザーの目が肥えている場合は、これでも大丈夫でしょう。なぜなら、ユーザーに目利き力がある限り、自らの力で選別することができるからです。自ら決断できます。

ところが、ユーザーに目利き力がないと、情報が錯綜していることもあり、「何をしたら良いのか?」「本当に買う必要があるのか?」などについてわからなくなりがちです。

だからこそ、売り切りではなく、工夫を加える必要があるのです。単なる「モノの提供」から、+αの価値を提供し、より顧客を中心に考えたビジネスへ転換するべきかと思います。

 

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