戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【経営・戦略C】
2016年11月14日(月)
行政でもKPI という用語が用いられるようになってきていることは、前回までの記事の中でもお知らせした通りです。首相官邸が作成した資料に目を通してみると、「KPI」として次のような記載があります。
上記はいずれも将来の市場規模、メタボ人口、健康寿命に対する「理想の姿」であり目標値ですね?これを見ればわかる通り、政府ではKPIを目標における達成指標として使用しています。
ところで、KPIが現在のように戦略の実行プロセスにおける指標として位置づけられるようになったのには、バランス・スコアカードの登場が大きく影響したようです。ちょっと調べてみると、KPIに対する考え方は、過去から何度か変わってきたようです。
以前には、産業別の成功要因として考えられていた時代もあったようです。でも、産業別の成功要因というとKSF(Key Success Factor)という用語がありますね? 後に、先に示したような組織目標における達成指標という考え方が出てきたようです。
繰り返しますが、現在のように戦略を実行していく際のプロセスそのものに注目し、戦略の実行プロセスにおける指標間の関係性の中でKPIをとらえるようになったのは、バランス・スコアカードが大きく影響しています。
「指標間の関係性の中で・・・」という意味は、(バランス・スコアカードの説明になりますが)KPI以外にもKGI(Key Goal Indicator)やCSF(Critical Success Factor)という指標の中で、ということです。これらの関係性を簡単に説明すると、まず「戦略目標」と訳されるKGIがあり、それを実現させる重要成功要因があります。
この重要成功要因がCSF(Critical Success Factor)と呼ばれているのです。
そして、その重要成功要因(CSF)を評価する指標としてKPIが存在するのです。KGIとKPIの橋渡しをするのがCFSであり、KPIはKGIを達成するための具体的な推進指標でもあるのです。
私、関口なりに図にして示すと次のようになります。
KGIという戦略目標を目的とし、その戦略目標を達成する手段としての成功要因を多く列挙してみた成功要因の中で最も重要と思われるが重要成功要因(CSF)です。また、その要因に対して業績評価をするための指標がKPIとなるのです。
バランス・スコアカードでは、視点毎に「戦略目標→重要成功要因→業績評価指標」の流れで設定していきます。例えば、KGIが「マーケティング投資の効率化」としましょう。この場合、CSFの一つが「新規顧客獲得コスト減」となるならば、一人当たりの新規獲得コスト(円)がKPIとなります。
KPIについての考え方は、バランス・スコアカードにより今のカタチになったのですね?次回の「KPIとプロセス4」はこちら!
このようにKPIについては、考え方が時間の経過と共に変わってきたのです。
今回は、KPIの説明に際し、KGIやCSFなどの横文字を多用したので、理解しづらかったかもしれせん。次回の「KPIとプロセス4」でもKPIやバランス・スコアカードの話を続けます。
年間売上10億円規模の中小企業の新規事業向け
勝てる(新規)事業の戦略とマーケティング
「損益構造の見える化」で収益最大化を目指すポイント!