【経営・戦略025】 

2024年 11月4日(月)

こんにちは、関口です。

日本は、急速に進む少子高齢化の影響を受け、労働市場において人手不足が深刻化しています。特に中小企業にとって大きな影響を及ぼします。そのため、従来のように正社員を採用することがますます難しくなっているのではないでしょうか。

私がこれまでに読んだ未来の日本を描いた本には、この問題が頻繁に指摘されています。例えば、『働き手不足 1100万人の衝撃』や『ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか』といった書籍は、将来の日本社会が抱える危機を浮き彫りにしています。これらの書籍は具体的なデータやシナリオを通じて、今後の社会変動を示しています。

これらの本が共通して主張するのは、今後さらなる人手不足が訪れるということです。特に、AIの影響でホワイトカラーの仕事が大幅に減少していく一方、介護などのエッセンシャルワーカーの不足が顕著になるという予測には注目です。

こうした状況で中小企業が生き残るためには、発想の転換が必要ではないでしょうか。私は、中小企業には、正社員採用に固執するのではなく、外部人材を効果的に活用した方が良いと考えています。そこで、今回のコラムでは、外部人材の活用による利点と、業者に頼るよりも個人(外部人材)を採用するメリットについて述べていきます。

中小企業にとって、優秀な正社員を採用することが難しくなっている現実は、多くの経営者が感じていると思います。少子高齢化による人口減少が進む中、日本全体が労働力不足に直面しています。『働き手不足 1100万人の衝撃』では、日本が直面する人手不足の深刻さを具体的に示しています。

このような働き手不足の中、無理に正社員採用にこだわると、中小企業は失敗を重ねることになるでしょう。ハローワークに求人票を掲載しても思うような人材が応募してこないという理由から、複数の人材紹介会社に高い料金を払うのですが、それでも解決しないケースが多々見られます。

このような状況で注目すべき解決策は、外部人材の活用ではないでしょうか。例えば、2016年に開始された地方創生の一環で各道府県に設置されたプロフェッショナル人材戦略拠点は、地域企業と副業人材を結びつける支援を行っています。その制度を活用し、リクルート社をはじめとする人材紹介会社が副業案件を募集し、企業と人材をマッチングする役割を担っています。

副業人材の場合、例えば月に20~30時間の稼働で5万円という低料金の案件でも、全国から40人や50人もの応募があり、企業はその中からこだわりの人材を選ぶことができます。私が調べた限り、どの経営者たちも、多数の応募者、しかも正社員としてはまず採用ができないレベルの人材が多数応募してくることに驚いていました。

もう1つ注目すべき点は、「業者を利用する」よりも「外部人材を活用する」方がコストとコミュニケーションの面で優れているということです。

例えば、営業代行の業務を外注するケースを考えてみましょう。一般的な業者に委託すると、月30万円以上の基本料金が発生し、(契約ではなく)商談の成立ごとに数万円の追加料金が発生することがあります。また、契約期間が1年や6カ月以上といった制約もよくあります。

これに対し、外部人材は1カ月単位の契約が可能なこともあり、費用も格段に安価です。業者を利用するための資金を用意すれば、3人以上の外部人材を同時に活用することが可能になります。

さらに、注目すべき点があります。それは業者を利用する際は、実際の案件を担当する人材とは異なる営業やカスタマーサクセスの担当者が間に入るため、貴社の要望がうまく伝わりにくいという問題が発生することです。しかも、業者は効率よく複数の案件を同時に処理しようとするため、貴社の案件については多数の中の一案件として扱わるにすぎません。

一方で、外部人材に対しては直接要望を伝えることができます。また、彼らは、一定の範囲内で、貴社の社員のように業務に取り組んでくれるので、仕事を進める上で何かと都合が良いのです。

労働市場の変化が加速する中で、中小企業が生き残るためには、環境の変化に対応し、新しい発想と柔軟な人材戦略を取り入れることが不可欠ではないでしょうか。

従来の正社員採用に固執するだけでなく、外部人材を活用することで、企業は効率的かつ低コストで必要な人材を確保し、競争力を維持できます。

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