戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
戦略プロセス経営実践会が提唱するのは、より顧客を中心に考え、より顧客の問題の本質を解決することが必要だということです。
具体的には、顧客が抱える問題を理解し、それに対して最適な解決策を提案するために、顧客の立場や経験を考慮して一緒に問題解決に取り組んでいくことが重要です。これを通じて、顧客との信頼関係を築き、顧客のニーズを的確に把握し、顧客に最適なトータルソリューションを提供することができます。
このアプローチは、売り手側が自社の製品やサービスを強調する一方的なアプローチとは異なります。顧客に寄り添い、顧客の問題解決に焦点を当てたアプローチです。このようなアプローチを取り入れることで、競争激化の市場で競争優位を築くことができます。
また、ビジネスモデルは、旧来の「自社(メーカー)の製品を売る」というモデルから脱却し、顧客のライフサイクル全体で価値を創出することを目指します。これにより、LTV(顧客生涯価値)の最大化につながります。
巷でよく目にするマーケティング・営業アプローチは、自社製品の機能面や価格面などの特徴を強調して売り込むやり方が一般的です。しかし、現代では情報があふれる中で、買い手には「どのような製品を、どのように、どのタイミングで選択すべきか」ということがわからない場合があります。
そこで、買い手が必要な情報を得られるよう、「手助け役」または「コンシェルジュのような存在」が重要となります。売り手は、自社のマーケティング活動の一環として、買い手をサポートすることを上手く取り入れることで、より良い顧客体験を提供できるようになるでしょう。
それは、いきなり売りたい製品を売りつけようとすることではありません。手助けする過程において、計画を立てるのですが、その計画に自社の「売りたい商品」をうまく組み込んで提案します。
当会がおすすめするマーケティング・営業アプローチは、自社製品の機能面を強調して売り込もうとするやり方とは異なります。
また、公金(補助金)に依存する方法でもありません。その代わりに、買い手に対して「あるべき姿」へ到達するために行うこと(オペレーションの構築、業務プロセスの改善、DX化など)を効率的に支援してあげながら、自社製品のベストな活用方法を見出してもらうことが目的です。
顧客には自社製品を最大限に活用することで価値を引き出してもらうことが重要です。それには、顧客育成プロセスを自社のマーケティング活動に組み込む必要があります。
ただし、それだけでは不十分です。顧客に新たな視点を提供し、自社製品の活用の仕方を提案し、目標達成に向けた道筋を示すことが重要です。
これにより、顧客は自社製品の最大限の活用方法を理解し、それを実践することができます。自社の製品の機能や価格の訴求だけではなく、顧客に新たな視点を提供し、目標達成に向けた提案をすることが、最大限の価値を引き出すために必要です。
今後、IoTやAIの本格的な普及に伴い、従来のスタンドアローン(単体単位)としての使われ方が変わっていきます。モノとモノがつながり、ネットワーク化が進んでいくからです。一見すると便利になりますが、ITリテラシーが必ずしも高くない業界の導入側は意外と大変です。情報の錯綜とサービスの複雑化がより顕著になっていくからです。
しかし、このような時代の転換期だからこそ、売り手には大きなチャンスがあります。
自社が売りたい製品の「単発的な売り切り」モデルから脱却し、顧客を中心に考えた、顧客の問題の本質を解決する「新しいビジネスモデル」あるいは「新しいビジネスモデルに近い形」で事業を展開し、競争激化の市場で競争優位を築くことが重要です。
今後、ますます複雑化していく市場において、従来の「売り手都合」の売り込みではなく、問題の本質を解決することが重要です。
情報の錯綜やサービスの複雑化、サービスとサ―ビスの区別がつきにくい時代において、顧客が抱える問題を解決することが求められます。また、IoTの本格的な普及によって、モノとモノがつながり、市場の構造も大きく変わっていくことが予想されます。
そこで、顧客の視点に立ち、問題解決にフォーカスしたビジネスモデルを採用しましょう。顧客に最適なトータルソリューションを提供することで、競争優位を築き、市場で成功することができます。
現代の私たちは、情報の渦の中で生活しています。情報の量は増え続ける一方で、世の中が便利になる一方で、あらゆるサービスが複雑化しています。例えば、料金の支払い方法について考えてみましょう。かつては非常にシンプルでしたが、今では、クレジットカード、ICカード、スマートフォンなどが普及し、支払い方法も多様化しています。
しかし、新しいサービスや技術に対して十分なITリテラシーがない人々や企業は、その複雑性に対応するのが困難です。特に高齢者などは、新しいサービスに対して煩雑さを感じており、時代の変化に対応できない場合もあります。
このような課題に対処するためには、サービス提供者が顧客のニーズに適した使いやすいサービスを提供することが必要です。また、ITリテラシーの向上を促進するためには、簡潔で分かりやすい説明やトレーニングを提供することも重要です。
こうした対策によって、情報の錯綜とサービスの複雑化に対応しながら、より便利な社会を実現することができます。
現代では、複数の業者から提供される複数のサービスが、一つのサービスとしてエンドユーザーに提供されることが一般的です。
しかし、このようなサービスの組み合わせが複雑化すると、あるサービスと別のサービスの区別がつきにくくなります。これは、顧客が業者Aが提供するサービスと業者Bが提供するサービスを区別することが難しくなるということです。
例えば、通販ビジネスは、販売事業者が提供するサービスだけでは成立しません。宅配や収納代行事業者などのサービスとの組み合わせによって成り立っています。しかし、指定した時間に荷物が届かなければ、それが宅配業者の問題であっても、顧客からのクレームは通販事業者に入ってしまいます。
このような事例は単純なものであり、サービスが複雑化すると、利用者にとって、事業者と事業者を区別することがより難しくなってしまいます。今後、ますますサービスが複雑化することが予想されるため、顧客目線でサービスを提供することが求められます。
IoTの普及に伴い、モノとモノがつながることが当たり前になっています。
しかし、これにより「使い手」には従来以上に「サービス」と「サービス」の区別がつきにくくなります。複数のサービス提供事業者間の役割がわからなくなります。
ハード、ソフト、アプリ、通信、サーバー、ネットワークなど、複数の事業者が関わる環境では、「このサービスはA社が提供している」「あっちはB社が担当で」「それからC社には…」というように、複雑なサービスを事業者毎に整理し、理解して使い分けることが必要です。
しかしこのようなことは、現場の業務に専念したい社員や職員にとって、手間や負担となります。特に中小企業の場合、業務毎に専任者を配置するわけにはいかないため、より一層困難となります。
自社が売りたい製品ばかりを売りつける傾向は、販売事業者にビジネスチャンスが転がっていることを意味しています。5G時代に入り、IoTが進展する中で、情報は錯綜し、サービスが複雑化し、ネットワーク化が進んでいます。
この多様化と複雑化は、「わからない時代」を迎えさせ、顧客は自分で選択すべきものがあることを理解していますが、どこから、どのように、何を選ぶべきか分からないのです。
しかしながら、多くの事業者は、依然として自社の製品だけを売りつけようとする「メーカーに代わって売る」発想に執着しています。しかも、単発的に。大手企業でさえ、「安くすれば売れる」程度の発想しかないところもあります。
同じ製品で同じ売り方をする限り、価格競争に巻き込まれるのは避けられません。
しかし、方法を変えれば大きなチャンスがあるのです。適切なやり方で事業を展開することで、真のファンを生み出し、1人当たりの売上を最大化できるチャンスがあります。
当会では、ロボットやITツールなどを販売する事業者の経営者・責任者を対象に、顧客の問題の本質を解決することを第一に考えた「新しいビジネスモデル」を提唱しています。
単発的な売り切りのビジネスモデルは、モノ自体が低価格化していく中で、競争が激化し、事業の展開が困難になっていくでしょう。また、新規顧客の獲得に常に集中する必要があり、高い集客コストを負担し続けることになります。そのため、顧客中心のビジネスモデルへの転換が必要です。
以下は、顧客中心のビジネスモデルに転換するために実施するべき5つのステップです。
これらのステップを実施することで、より顧客に焦点を当てたビジネスモデルに転換し、単発的な売り切りビジネスから脱却することができます。
「成功パターン」をつくるためにと題して経営者や事業の責任者にお届けするコラム。6つのテーマに分けてお届けします。