戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【マーケティング034】
2025年2月3日(月)
こんにちは、関口です。
あなたの会社の商品やサービスは、顧客からどのように選ばれていますか?
市場にあふれる無数の製品やブランドの中で、どうすれば「お客さまが求める存在」になれるのでしょうか?
実は、成功するビジネスの多くは 「需要を追いかける」 のではなく、「需要を創り出す」 ことに長けているかと思います。
例えば、かつて「牛乳を飲むのが当たり前」だった時代に登場したアーモンドミルク。最初は「乳製品を飲めない人向けのニッチ商品」と思われていましたが、今では「ヘルシーな選択肢」として広く受け入れられています。これは、単なる代替品ではなく、新しい価値観を提案することで 「市場そのものを拡張した」 好例ではないでしょうか。
では、あなたの会社の商品・サービスは、どのようにして新たな市場を創り出せるのでしょうか?
今回のコラムでは、 「需要創出」 のメカニズムを、アーモンドミクルを例に5つの視点から掘り下げ、実際のマーケティング戦略に活かせるヒントを提供します。
市場には、すでに確立された「既存の需要」と、まだ顕在化していない「潜在的な需要」があります。後者を掘り起こすことが、需要創出の第一歩となります。
また、需要は、以下の3つの要素が交差するポイントで生まれます。参考までに定義をさっと紹介します。
例えば、アーモンドミルクの場合は、売り手側が買い手に対して、「乳糖不耐症の人向けの飲み物」ではなく、「低カロリーで環境にも優しい、未来志向の飲み物」 という新しい信念を生み出しました。
そこで、ちょっと考えてみてください。あなたの製品・サービスでは?
マーケティングと営業の違いをあまり理解していない中小企業の経営者も少なくないのですが、営業(セリング) は、「すでにニーズがある人」に対して購入を促す活動となります。例えば、アーモンドミルクの価値を認識している健康志向の人に「アーモンドミルクは低カロリーでビタミンEが豊富ですよ」と伝えて購入してもらうのは営業となります。
一方で、マーケティング は必ずしも「興味がなかった人」に対して信念を変えて関心を向かせることにあります。例えば、「牛乳が健康に良い」と思っている人に対して、「実は植物性ミルクにはこんなメリットがあるよ」と提案することができます。
需要創出とは、「まだ興味を持っていない層」に対して、新しい価値観を届けることなのです。
あなたの製品・サービスについて、以下を検討してみてください。
需要は、広告を打つことだけで作られるものではありません。「人々が共感し、選びたくなる理由」 を提示し(仕掛け)、それが日常の中で自然に目に触れることで広がっていきます。
例えば、アーモンドミルクは 「健康的なライフスタイルを楽しみたい」 という価値観と結びつき、カフェやSNSを通じて広まりました。しかし、これは単に宣伝したからではなく、以下に示した通り、「実際に選ばれている姿が見えることで周囲の興味を引いた」 ことがポイントです。
このように、「他人の選択」が「自分の選択」へと連鎖する心理が、需要拡大の原動力となるのです。
これは、「他人の選択が、自分の選択を生む」 という心理的メカニズムです。人は、自分の身近な人が選んでいるものに影響されやすいのです。
そこで、あなたの製品・サービスでは?
どのようなメッセージが人々の心に届き、自然に広がっていくのでしょうか?その答えは「顧客層ピラミッド」という考え方の中にあります。このピラミッドが示すのは、「今すぐ買う人」の割合は全体の中でごくわずかであり、潜在的な市場の大部分は「考えたことがない人」や「興味がないと思っている人」が占めるという事実です。以下に示した通り、以下の5つの層が存在します。
多くの企業は「今すぐ買う人(3%)」ばかりを狙いにいきますが、他社もここを狙ってきます。だから、本当の市場の拡大は「考えたことがない人」にも新しい価値を届けることなのです。
あなたの製品・サービスでは?
最後に、最も重要な考え方があります。
それは、「競争の激しい市場で戦うのではなく、新しい選択肢を作ること」です。
アーモンドミルクは、牛乳市場の中でシェアを奪う戦略をとったのではなく、「植物性ミルク」という新しい市場を作ることで、競争のないフィールドで成長しました。これは新たな需要を創り出したということです。
あなたの製品・サービスでは?
需要は追うのではなく、創るもの
「今ある市場」で戦うだけではなく、「新しい市場を作る」。
これが、需要を創出するマーケティングの本質 です。
あなたのビジネスにおいても、「新しい視点」や「今までになかった価値観」 を提案することで、まったく新しい市場を生み出すことができるかもしれません。
「あなたの会社の商品・サービスは、どんな新しい市場を創り出せるでしょうか?」
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