情報過多の時代を勝ち抜く中小企業

中小企業の新規事業が上手くいかない本当の原因

中小企業の現状と課題 - 事業が直面する問題について

事業の成功の鍵とは何でしょうか?

それは、意欲的で責任感のある人材が担当しているかどうかにかかっています。どんなに素晴らしい戦略やツールが揃っていても、担当者に意欲がなければ役立ちません。

しかし、意欲的な人材がいてもうまくいかない理由は何でしょうか?

中小企業に共通する問題の一つは、事業全体を見渡して課題を設定できていないことです。事業全体を俯瞰した上での設計になっていないとも言えます。これは、急いで解決策を求める傾向があるためです。

中小企業の課題とは何か?

素晴らしい商品やサービスを提供しているにもかかわらず、業績が低迷することがあります。その原因の一つは、事業全体を俯瞰し、未来の「あるべき姿」を明確にし、「現状」からそこへ到達するための「戦略シナリオ」が欠如していることです。

戦略の欠如が業績低迷の原因となります。その他にもさまざまな問題がありますが、よく見られるのは、いきなり施策の検討から始めることです。「何が課題なのか?」が曖昧なまま、興味本位で手段や方法を選んでしまのです。例えば、事業を設計することなく、LINEやインスタなどを使うことが目的になってしまうことがあります。

このように、中小企業の経営者や事業担当者は、大企業の担当者と同様に、錯綜する情報に振り回され、興味本位で何かに飛びついてしまうことがよくあります。

例えば、業者などから以下のようにアドバイスされ、それを鵜呑みにしたことがあるのではないでしょうか?

  • SNSを活用すれば低コストで…
  • ホームページを最新のデザインに変えれば…
  • 記事を多く作成すればアクセスが集まるようになり…
  • Facebook広告なら低コストで新規顧客が取れて…
  • 出版すればブランド力が高まり売れて…
  • プレスリリースを出せばメディアから取材が…
  • RPAを導入すれば業務改善が…
  • 特定の手法を駆使すれば儲かり…
  • これからは生成AIを使わなければ…

これらのアドバイスは一見すると有用に思えますが、本質的な課題を見失ってしまうことがあります。中小企業が本当に必要なのは、明確な課題設定とそれに基づく戦略シナリオの構築です。

「打ち出の小槌」を求めて飛びつく罠

現在、Line、YouTube、ChatGPT、Geminiなどの新しいツールが次々と登場しています。情報が錯綜しているため、ついついこれらのツールに気を取られてしまうのです。その結果、ツールを使うこと自体が目的化してしまい、戦略を欠いたまま、いきなり手段や方法の検討を始めることになります。その結果、うまくいかずに迷走してしまうことがよくあります。

つまり、社内に潜む本質的な問題を見極め、戦略を描くことをせずに、ホームページをもっと格好良いデザインに変えるとか、YouTubeで情報発信をした方が良いなどと判断してしまうのです。しかし、そんな判断を下す前に、もっと重要なことがあります。それは、「誰が顧客で、顧客にどのような価値を提供しているのか?」ということを明確にすることです。これが基点となります。

それにもかかわらず、「打ち出の小槌」を求めるあまり、課題設定や目標設定が曖昧なまま、先に施策に飛びついてしまうケースが多いのです。

当然ながら、誤った手段や方法を選択してしまいがちです。時には、自ら選択した施策を満足に実行することなく、錯綜する情報に翻弄され目移りすることもあります。「施策AからBへ」「BからCへ」「Cから施策D」へと、関心が次々に移ってしまうことがよくあります。

錯綜する情報には、業者からの「〇〇した方が良い」というアドバイスも含まれます。あるいは、「今なら補助金が出るから〇〇を購入した方が良い」という案内も含まれます。

錯綜する情報、手段にとらわれていないか?

例えば、春先に見られる花粉症についてはさまざまな情報が錯綜しています。

一般的にはドラッグストアで抗ヒスタミン剤などを購入する人が多いと思われますが、一方で「あんな対処療法では効果がない。実は花粉症は●●で根本的に治る」と主張する人もいます。また、「花粉が悪者扱いされているが、本当の原因はケムトレイルで、それを流しているのは…」などと、花粉症に関するさまざまな情報が氾濫しています。

玉石混淆の情報が錯綜する

同様に、ビジネスの世界でも「〇〇が良い」「〇〇で成功する」といった情報が溢れており、まさに玉石混淆です。

その結果、「あるべき姿」がおぼろげながらも見えていても、「遅れを取りたくない」「補助金を貰わないと損だ」などという気持ちになってしまい、よく熟考せずに、いきなり手段や手法に飛びついてしまいがちです。

手段と目的を履き違えていないか?

ロボット活用、DX化、EC販売、広告、立派なウェブサイトの構築など…。このように「手段・手法」が優先されてしまうことが多々あるのです。手段と目的を履き違えてしまうのです。しかも、自らの判断で飛びついたはずなのに、後に後悔することがよくあります。

また、先に述べた通り、支援会社(業者)の提案を鵜呑みにしてしまうことも少なくありません。

まずは大きな絵を描くこと

実は、手段・手法が使えないわけでも、業者が悪いわけでもありません。業者はあの手この手で自分たちの提案を受け入れてもらおう(商品を購入してもらおう)と必死です。だから、「お宅のホームページはデザインが古くて…」などと、あれこれ問題を指摘してくるのですが、それにとらわれることは避けるべきです。

重要なことは、いきなり手段や手法に飛びつく前に、あるいは、末端レベルの施策に関する提案を鵜呑みにする前に、やるべきことがあるということです。

それは、事業の上流工程や上位概念に関わることです。

つまり、あなたの事業について、先に大きな絵を描いておく必要があるのです。初期の仮説である「戦略シナリオ」を描くことです。

中小企業が成功するための顧客中心のアプローチ

顧客は一体、誰か?

具体的には、まず「顧客は誰か」「その顧客が自社製品・サービスから得られる何に価値を見出すのか」をよく理解した上で、戦略を明確にすることが重要です。

多くの企業において、方法論(ツールや手法など)に飛びついてしまいがちですが、「顧客は誰か」ということが最も重要なのです。これを明確にした上で、顧客のニーズや要件、市場の実態やトレンドなどを踏まえ、まずは顧客戦略を検討することです。

また、ターゲットとする顧客(潜在顧客)とはどのように接点を持つのでしょうか?その後は、どのようなプロセスを経て顧客化していくのでしょうか?

このようなことを検討する過程において、それを実現するために必要な手段を検討するのですが、これらの判断を下す前に、上流工程を明確にすることが大切です。

繰り返しますが、顧客が誰であり(どのような顧客層向けに)、どのような価値を見出してもらうべきかを(仮説として)明確にしておくことが非常に重要です。

この上流工程の明確化に取り組むことなく、単に手段や手法を変えたり、「月に45万円も払っているのだから…」などと業者に責任を転嫁するだけでは、目標を達成することはできません。

顧客を理解した上で戦略を策定することが、PDCAサイクルを適切に回すために求められます。つまり、PDCAサイクルを回す上で重要なのは、顧客との接点を通じた顧客理解です。顧客の要望を迅速に取り入れ、事業を改善し、顧客にとってより価値のあるものにすることが重要です。

「実行」できなければ意味がない

また、中小企業に求められるのは煩雑なリサーチやパワーポイント資料の作成ではありません。求められるのは「実行」です。戦略の策定は重要ですが、それを実行することの方が重要なのです。初めからうまくいかなくても、実行を通じて学び、持続的に改善していくことが大切です。

さらに、目先の売上げづくりに躍起になるだけでなく、将来を見越した準備にも取り組む必要があります。

重要なことは、全員が同じ目標を共有し、協力してPDCAサイクルを回していくことです。中小企業においては、限られたリソースの中でPDCAサイクルを回すことが求められますが、チーム全体が一丸となって取り組むことで、目標の達成が可能となるでしょう。

オンライン相談・診断サービス

「オンライン相談・診断サービス」は無料です。毎月4社限定で提供しています。お気軽にご利用いただけます。

ご質問に回答する相談(アドバイス)、および/または、事業の戦略面をチェックする簡易診断のサービスを受けることができます。

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