戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
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【経営・戦略B】
2016年11月4日(金)
前回の「KPIとプロセス1 ~KPIの誕生とバランス・スコアカード~」と題した記事の中で、KPI(Key Performance Indicator)がバランス・スコアカードの中で使われる重要なツールとして広く知られるようになったことをお伝えしました。
さて、今回はそのバランス・スコアカードについて少し説明いたします。
実は、戦略プロセス経営実践会が「出張セミナー」や「6カ月プロジェクト」などのサービスを通じて提供しているノウハウには、シックスシグマと共にバランス・スコアカードのアプローチを採り入れています。シックスシグマについては、後日、改めて説明します。
私、関口はアメリカの大学で学びました。また、専攻がオペレーションでしたので、授業中に教授やクラスメートの口から「カイゼン」という言葉が出てくるのをよく耳にしたのです。
「スシ」「ヒロシマ」「ゲイシャ」「フジヤマ(富士山)」。当時、日本語についてはこの程度しか知らないアメリカ人に囲まれ、私以外に日本人がいない環境の中で勉強していたのですが、「カイゼン」や「カンバン」といった日本語がアメリカ人の口から出てくることは、当時の私にはとても驚きでした。
少し逸脱しましたが、バランス・スコアカードの一連の流れは、PDCA(計画、実行、チェック、アクション)そのものと言えるのです。PDCAは改善サイクルの代表的な概念として、殆どの業界で知られています。PDCAという言葉は、製造業はもちろんですが、なんと介護業界でも知られています。
大学時代から「カイゼン」を学び、社会人になってから「カイゼン」に絡んだ仕事に長く関わった私にとって、バランス・スコアカードのアプローチは非常に納得のいく概念です。だから、戦略プロセス経営実践会でも、基本的なアプローチとして採り入れているのです。
ところで、バランス・スコアカードを構築するに際し、ざっくりとした流れは次の通りになります。
慣れていない人が目にすると、「なんだ、これ?」と思ってしまうかもしれません。バランス・スコアカードは、ビジョンをベースに、戦略を明確にしてから、ビジョンの実現に向けて複数の視点からアクションに落とし込み、指標を駆使しながら管理していく経営システムです。
その一連の流れの中で使われる代表的な管理指標がKPI(Key Performance Indicator)なのです。
また、もう一つ私がバランス・スコアカードを評価している点をお伝えしましょう。
それは、複数の視点から企業のパフォーマンスを評価していることです。「??」と思う方もいるでしょうから少し説明を加えます。
例えば、経営分析という「企業の健康診断」を意味する言葉がありますが、これに使われるのは決算書です。決算書というのは「カネの流れ」という財務面をみています。
企業経営では、売上、営業利益、経常利益などの財務データは非常に重要ですが、これらは「結果」にすぎません。それに、企業経営では財務面が全てではないはずです。
バランス・スコアカードのアプローチを上手に使いましょう。次回の「KPIとプロセス3」はこちらから!
バランス・スコアカードでは、複数の視点を設けることにより、財務面の「財務の視点」だけではなく、「顧客の視点」、「人材と変革の視点」、「業務プロセスの視点」と、企業業績を複数の視点からモニターしていきます。
さらに、追加でもう一点あります。それは、結果だけではなく、そこに至る業務や能力などプロセス重視の業績評価を行っている点も私は評価しています。「結果」だけではなく「プロセス」を見ているのです。
以上、今回は少し脱線しながらも私なりに少しバランス・スコアカードについて説明しました。次回も引き続きバランス・スコアカードについて説明をします。
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