【経営・戦略A】 

2016年11月2日(水)

KPIとは「Key Performance Indicator」の頭文字を取った略語です。日本語では「重要業績評価指標」などと訳され、目的を達成する過程を計測するための中間目標を指します。

 

関口が、このKPIという言葉を知ったのは、確か1997年だったと記憶しています。当時、アメリカのビジネススクールに留学中だったのですが、休学してボストン郊外の大手医療機器メーカーで仕事をしていました。

その時に初めてKPIという用語を知ったのですが、本格的に使い始めたのは、帰国してGEでシックスシグマのプロジェクトに関わってからでした。

 

最近では色々な場面でKPIが使われています。マネジメント用語でビジネスの世界で使われる指標とばかり思っていましたが、政策の成果目標や「企業の社会的責任」と言われるCSR(Corporate Social Responsibility)の世界でも目にします。

安倍首相が「KPI」と口にしているニュースをみたこともあります。

 

でも、「KPIっていつ、どこで誕生したのでしょうか?」。20年くらいKPIとお付き合いがあるのに、今になってから「KPIの歴史」が気になり調べてみました。そしたら、意外と歴史が浅いことがわかりました。

どうやら、GEやデュポンなどのアメリカの大企業が同じような概念を以前から使っていたようですが、KPI(Key Performance Indicator)そのものはバランス・スコアカード(Balanced Scorecard)と同時にこの世に本格的に紹介されたようです。

パランス・スコアカードは、Kaplan 氏とNorton氏の論文が1992年にハーバード・ビジネス・レビュー(Harvard Business Review)誌に紹介されて登場したのです。つまり、KPIは、このバランス・スコアカードで使われる重要なツールとして世の中に広く知られるようになったのです。

欧米の先進的な企業がバランス・スコアカードを積極的に採用し始めたのが1990年代後半だったようで、ちょうどアメリカの大手企業で仕事をしてKPIを知った時期と一致します。

また、日本でバランス・スコアカードが注目を浴び始めたのは2000年代に入ってからです。ロジカルシンキングや論理思考の概念の広まりと同じ頃ではないかと思います。

ところで、この記事の中では、KPIの説明をするつもりでしたが、先にバランス・スコアカードを説明します。私の手元にある本には「ビジョンと戦略をアクションに落とし込み、総力戦で成長力と競争力をつけ未来を切り拓く、戦略志向のナビゲーション経営ないし行政システム」とバランス・スコアカードの定義が書いてあります。

 

ちなみに、バランス・スコアカードの生みの親であるKaplan氏は、現在、ハーバード・ビジネス・スクールのホームページに「Senior Fellow, Marvin Bower Professor of Leadership Development, Emeritus」と紹介されています。つまり、名誉教授ということです。

KPIはバランス・スコアカードの登場で広く知られるようになったのですね?次回の「KPIとプロセス2」はこちらから!

Kaplan教授が提案した企業経営を戦略志向のマネジメントにする5つのステップは、次の通りです。

  1. ビジョンと戦略を明確にする
  2. 戦略マップを作成する
  3. バランス・スコアカードを構築する
  4. ターゲット(数値目標)を設定する
  5. アクション・プラン(実行施策)を作成する

 KPIは、この5つのステップの「ターゲット(数値目標)を設定する」段階で使われているのです。

次回は、もう少しバランス・スコアカードについて説明いたします。

 

地方自治体市場への進出戦略:小さな実績をもとに全国展開を目指す

  • 地元自治体から他の自治体への展開
  • 自治体と連携してメディア露出を獲得する

自社ブランドによるBtoC市場進出:ストーリーテリングとメディアを活用して飛躍する

  • 独自のストーリー
  • それを活かしたメディア戦略

年間売上10億円規模の中小企業の新規事業向け

勝てる新規事業の戦略とマーケティング

特別レポート002

「損益構造の見える化」で収益最大化を目指すポイント!

「成功パターン」をつくるためにと題して経営者や事業の責任者にお届けするコラム。6つのテーマに分けてお届けします。

経営者向け
テーマ別 最新5コラム