戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【経営・戦略023】
2024年 6月22日(土)
こんにちは、関口です。
新規事業を立ち上げることは、どの企業にとっても大きな挑戦です。特に中小企業では、限られたリソースの中で成功を収めることが求められます。しかし、現実には多くの中小企業が新規事業で苦戦しています。今回のコラムでは、その理由と解決策について考えてみましょう。
最初に注目すべきは、担当者のやる気です。いくら立派な戦略や先進的なツールを揃えても、担当者自身にやる気がなければそれらは無意味になってしまいます。担当者のモチベーションが低ければ、優れた計画であっても実行に移すことは難しいでしょう。したがって、まずは担当者のやる気を引き出すための環境を提供することが重要です。
次に、多くの中小企業が直面する問題として、戦略の欠如が挙げられます。大きなビジョンを持たずに行動を始めてしまうと、末端のアクションに焦点が当たり、全体の方向性が見えなくなります。まずは「あるべき姿」を描き、「現状」からそこへ到達するための戦略をしっかりと立て、それに基づいてやるべきことを決定します。その後、実行に必要なツールを選びます。繰り返しますが、まずは全体像を設計することです。その上で、何をすべきか決め、そのためのツールを選ぶようにしましょう。こうすれば、どのツールを選択すべきかが自ずと明確になります。
先に各ツールや施策を選ぶことは避けるべきです。よくある誤りとして、LINEのアカウントを開設したり、YouTube動画を始めたりすることが目的化してしまうケースがあります。これらは手段であり、目的ではありません。戦略に基づいて決めた「やるべきこと」を実行するための手段として選ぶべきです。全体の設計を行い、実行すべきことを決めた上で、必要なツールとしてLINEやYouTubeを選択する、という流れで決定するのが望ましいです。
何事においても目的を考えることが大切です。例えば、講演を行う場合を考えてみましょう。この場合、以下のような問いを自問する必要があります:
これらの目的を明確にすることで、講演の内容や資料の準備が変わってきます。もしかしたらPPT資料を使わない方が良いかもしれません。また、資料の内容が過剰ではないかを再検討することも重要です。資料に余計な要素を入れなければ参加者は話に集中しやすくなりますし、逆に過剰な演出は関心を分散させるリスクがあります。
新規事業の成功には、担当者のやる気と戦略の明確化が不可欠です。手段が目的化しないよう、常に全体の目的を意識し、戦略を立て、その上で行動することが重要です。
これらのポイントを押さえれば、中小企業でも新規事業の成功率を高めることができるでしょう。どの企業にとっても、新規事業の成功は成長の鍵となるのです。
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