【特別レポート001】
『勝てる新規事業の戦略とマーケティング ~一刻も早く試行錯誤から抜け出して躍進する~』の世界へようこそ。
戦略プロセス経営実践会の関口です。このレポートは、年間売上10億円規模(2~30億円)の中小企業向けに作成されています。
中小企業の新規事業は、大企業のそれとは大きく異なります。なぜなら、リソース(ヒト、カネなど)が異なるからです。また、ファンドや大企業からの出資を受けたベンチャーとも異なる展開になることが多いです。
このレポートは、計12の【パート】から構成されています。
最初からしっかり読んでいただくことで、「大企業やベンチャーとは異なる中小企業が、事業を成長させるために、あるいは、新規事業を立ち上げた際に、何を、どこから、どのように検討すべきか」ということが理解できるようになるはずです。
それでは、下記の「はじめに」からお楽しみください。
世の中は目まぐるしく変化する時代となっています。中小企業も手をこまねいているだけではジリ貧状態に陥るばかりです。そのため、新規事業に挑戦する企業が増えています。
新規事業といっても、既存の事業と全く異なる分野へ参入し、一から顧客開拓に挑戦することだけが新規事業ではありません。
例えば、図に示した通り、卸販売の事業を長らく展開していた会社が、消費者から直接注文を受けて商品をお届けする直販(D2C)の本格スタートに挑戦することも立派な新規事業といえます。
また、一般的に、事業は「立ち上げ」→「試行錯誤・生き残り・手探り」→「成長」→「継続的成長」という成長のプロセスを経ます(↓下図参照)。どの企業においても、「立ち上げ」は決して難しいことではありません。
ただし、途中で諦めてしまうケースが少なからずあります。いや、多いと言えるでしょう。だからこそ、事業を立ち上げる前に、あるいは、興味本位で大金を投資する前に、しっかりと検討することが必要なのです。
問題は「試行錯誤・生き残り・手探り」の段階からなかなか抜け出せない中小企業が少なくないことです。
私が非常によく目にするのは、「何もしていない」という問題です。
「何もしていない」といっても、本当に何もしないわけではありません。販売する商品・サービス、チラシ、それに注文を受けるためのホームページなどは一通り準備されているのです。ところが…。
「2年目の今期は5,000万円売れ!」といった経営者の指示(目標)を受け、事業責任者は迷走しているだけかもしれませn。
あるいは、業者に煽られてしまった結果、「●●をやらねば!」と施策やツール探し躍起になるケースも多いのではないでしょうか?
では、「それ以外に何をするの?」とお考えの人もいるかもしれません。そこで、それについて、一つ一つ体系的に説明するのが、この【特別レポート】となります。
他にもよく見られるケースは次の通りです。
(ケース1)新規に立ち上げた事業が単年度で赤字が続き、最終的には撤退せざるを得なくなる。また、撤退しなくても、開店休業のような事業縮小を余儀なくされる。
(ケース2)事業部単位の損益がわからないまま、ただなんとなく惰性で事業を続けている。たとえば、楽天市場やアマゾンなどに出店して10年以上も経過。しかし、社員1人分の人件費に相当する売上すら作ることができないまま、以前から何も変わらず事業を続けている。
(ケース3)事業部単位(新規事業単体)の損益が把握できないため、出荷するたびに粗利を大きく上回るオペレーションコストが発生していることに気づかないまま、惰性でネット販売を続けている。この場合、出荷件数が増えるほど売上は上がる一方で損益は悪化。しかし、事業の実態が見えていないため、そのこと(赤字を垂れ流していること)に全く気付かない。
会社によって事業の実態はさまざまですが、私、関口がいつも見受ける典型的な現象は「戦略がない」ということです。
多くの場合、「自社の強みは何か?」や「自社はどこで、どのように事業を進めるべきか?」という考えを欠き、代わりに「補助金は貰えないのか?」や「少子高齢化が進むから高齢者向けのビジネスが儲かるのではないか?」といった単なるチャンスを追い求める傾向があります。
また、「補助金が貰えるから」という理由であれもこれもと手を出してしまう「よろず屋」的な経営も見られます。これは限られた経営資源を有効活用することができず、「リスクを分散させている」や「手広く事業を展開している」といった言葉でごまかしているだけです。
要するに「戦略がない」のです。しかし、戦略はあくまで「仮説」に過ぎません。それゆえ、早期に立てた戦略を実行し、PDCAサイクルを繰り返しながら正しい方向性を見つけ出すことが重要です。
ちなみに、戦略について多くの書籍が出版されていますが、その中にはPEST、3C、SWOT、VARIO、PPMといった専門用語の解説本が存在します。年間売上が10億円程度の中小企業には必要のない分析手法や、実用的ではない難しい学術的な内容が含まれていることが多いです。
これらの専門用語を個別に、断片的にでも理解することで、自分自身が賢くなったような気になることがあるかもしれません。例えば、「○○を3C分析することによって…」「4P戦略が…」「アンゾフのマトリクスでは…」「バリューチェーンを確立して…」といった説明を聞くと、「すごい知識があるんだな」と感心する人もいるでしょう。
では、社内の実情をよく直視してみてください。「戦略論」を学びたい大企業のサラリーマンには素晴らしい内容であっても、年間売上が10億円程度の中小企業には、あまり実用的ではない面が多々あるのではないでしょうか?
理由は、専門用語やツールを個々に覚えたところで、なかなか実践に移すことができないためです。つまり、自社の「戦略」について、「どこから」「どういう順番で」「何をポイントに検討」していけば良いのかわからないために、行動に移すことができないのです。
また、大企業の仕事のように、分析重視になってしまうと、分析やレポート作成が目的になってしまい、本来の目的を見失いがちです。シンクタンクや調査会社が発注元の自治体などからガッポリお金をいただくためのレポートと同じになってしまいます。
中小企業の場合は、むしろ「いかに実行するか?」の方が遥かに重要です。資料作成はほどほどで良いのです。
現在は、戦略に限らず、マーケティング・経理・人事など、経営に必要な情報は、ネットで検索することで全て見つけ出すことが可能です。そこで、問題は、情報が多すぎて、本当に自社に関係するものだけを選別し、整理しなければならないことです。そして、的確な判断を下して行動に移さなければならないのです。私は、以前からそのように感じていました。
そこで、このレポートでは、年間売上が約10億円程度の中小企業の経営者や新規事業の責任者に向けて、戦略のポイントをコンパクトにまとめました。小難しい学術的な戦略論の話ではありません。
このレポートを読み終えた後、「ウチの新規事業でも戦略をよく検討しよう!」、「儲けのメカニズムをもう一度チェックしてみよう!」などと熱い気持ちになり、何かしらのアクションを起こしていただけることを願っています。
もしかしたら、過去のあなたの事業は「Facebookありき」だったかもしれません。「SNSありきの発想」だったかもしれません。DXブームということもあり、「何とかシステムの導入ありき」だったかもしれません。
「出版さえすれば成功するのでは?」と、「出版ありき」の発想になっていたかもしれません。「○○さえあればうまくいくはずなのに…」といった発想を、ぜひ転換いただければ幸いです。
このレポートは、計12の【パート】から構成されています。最初からしっかり読んでいただくことで、「大企業やベンチャーとは異なる中小企業が新規事業を立ち上げた際に、何を、どこから、どのように検討しなければならないのか」ということについて、よく理解していただけるはずです。