【ビジネス書007】 

2017年 7月30日(日)

8020の法則についての本です。8020の法則を活用すれば、並外れた努力をしないで、並外れた成果が出せるということを説いています。

 よく言われる「もっと頑張りなさい!」「成功するためには人の2倍以上は働きなさい!」などという内容とは異なり、「絞りなさい!」ということです。

「絞り込むほど豊かになれ、少ない努力で多くの成果をあげられる」ことを教えてくれる本です。

この教えはビジネスでも同じように言われています。「ザ・会社改造」のコラムの中で紹介しましたが、私は戦略の要諦は「絞りと集中」と教えられました。それとまさに同じことですが、この本では「絞る」ということに関し、仕事面だけではなく、わたしたちの日常の人間関係などにも同じことがあてはまることを具体的に説明しています。

筆者はボストン・コンサルティング・グループやベイン・アンド・カンパニーで仕事をした元経営コンサルタント。

筆者曰く「1990年、わたしは、いわゆるふつうのキャリアを捨てた。経営コンサルタントを辞め、気ままにいきることにしたのだ。充実した生活を送るには、ある程度の仕事も必要だが、人生のために仕事があるのであって、仕事を主にはしないと心に決めた。それ以来、本の執筆のほか、力仕事は人に任せる怠惰な起業家として幅広い活動をしているが、わくわくしないことは一切していない」とのこと。

なお、この本では、80対20の法則を「自分自身」「仕事と成功」「お金」「人間関係」「シンプルな生活」の5つの分野にあてはめて説明しています。下記の通り分野別に説明します。

  • 人はたいてい、大きな希望や方針をもたずに、ただ、なんとなく生きている。それが、いちばん楽だと思っている。だが、果たしてそうだろうか。自分をごまかしているだけではないだろうか。
  • 焦点を絞ることこそがパワーの源であり、幸せになり、成功するための秘訣である。
  • 自分に正直になるには、本当の自分でない部分、不自然な部分を捨てればいい。演じるのをやめればいい。興味のないものにいかにも興味があるふりをしたり、わくわくしているふりをしたりするのをやめればいい。他人にどう思われているのか心配するのをやめればいい。もっと楽になり、もっと割に合うもっとわくわくすることを考えればいいのだ。
  • 目標については、絞り込むほど大きな成果が得られる。取るに足らない多くの目標を切り捨て、8020の法則で目標を絞り込むこと。大事なことは、何をしたいのか、何をしたくないのかを知っておくこと。
  • 8020方式の目標と経路が明確であれば、偶然の出来事が計画を正しい方向へ導いてくれる。重要なのは自分自身が行き先を知っていること。
  • 行動は必ずしも前もって計画しておく必要はない。何を望むのか、この点こそ前もって計画しておかなければならない。

(学んだこと)

「自分自身」のセクションで学んだことは、ただ何となく惰性的に生きるのではなく、(絞り込んだ)目標を掲げ、それを達成させる経路を明確にすることです。

  • 成功している人たちは、汗と涙によって世界をつくり変えたのではない。アイデアと情熱によってつくり変えた。
  • 視点を変え、独創的なアイデアを思いつき、個性や想像力を発揮したかどうかが重要である。コツコツ働いて、嫌なこともやらなければ成功できないと思っているのなら、考え直した方がいい。8020の法則を使えば、もっと楽に成功できる。
  • 「幅広い経験をしろ」と言わることがあるが。そんな必要はない。ひとつの分野に全力を傾けるべきだ。スターは一点集中型である。絞り込むほど大きな成果が得られ、少ない労力で多くの成果を出すことが可能だ。

 (学んだこと)

「仕事と成功」セクションの学びは、仕事で成功するために「いかに絞りこむか?」ということが重要であるということ。

  • 各国で行われた調査の結果を見る限り、極端に貧しいなら、少しお金が増えれば、幸せになれる。だが、衣食住が足りると、少々お金が増えたくらいでは幸せになれない。
  • お金のしもべになると、仕事はストレスが溜まるもの。だが、お金を上手に使えば、生活の主導権を取り戻すことができる。
  • もっとお金が入れば、もっと幸せになれるはずだと思って、自由や時間を犠牲にしてお金を稼いでいる人が少なくない。だが、幸せになれない。

(学んだこと)

「お金」のセクションの学びは、お金のために自由や時間までを犠牲にしていたら、幸せにはなれないということ。

  • 電子メールやチャットでたしかに人との関係は増えたが、それらは上辺だけの関係だ。上辺だけの関係に時間を掛けることによって、もっと大切な家族や友人にかける時間が削られている。
  • 少数の人としっかりと向き合って付き合うことが、安定と幸福には欠かせないもの。人間関係はすくないほど豊かになる。
  • お金ができると、人との関係を求めるが、数が多くなれば、浅い付き合いしかできないことに気づいていない。
  • 人間はひとつの固定観念に縛られている。「持てば持つほど豊かになれる」という固定観念だ。カネ、友人など…。ところが、こうしたもっと欲しいを満たすために、心配事が増え、時間を取られ、関心とエネルギーが奪われている。魂を奪われている。
  • 身軽になるほど豊かになり、少ない労力で多くの成果が達成できる。
  • 人間関係の満足感の80%は、ほぼ確実に20%以下の人間関係によってもたらされる。いくつかの重要な人間関係だけを重視すればいい。取るに足らない関係を気にする必要はない。もっと幸せになるには、いちばん重要な人間関係に、より多くの時間とエネルギーをかけ、関心を向け、想像力をはたらかせ、創意工夫すればいい。
  • 多くの人との表面的な関係にエネルギーを注ぐことで、大切な人や恋人との親密な関係から得られる喜びや意義をみずから放棄しているのだ。何にも増して人間関係は、数を絞るほど、豊かになることを肝に銘じておいた方がよい。

 

(学んだこと)

「人間関係」の学びについては、私が日頃から痛感していたことそのものです。SNSなどの登場により簡単に国内だけではなく世界中の人とも繋がるようになりました。そのことには良いことですが、一方で弊害も多いということです。

なぜなら、上辺だけの関係の人が増え、それが時間消費やストレスの原因にもなり、余計なエネルギーが使われるからです。また、職場で(仕事中にも関わらず)スマホの着信メッセージを気にしてばかりで、殆ど仕事に集中できない人が多いはずです。

  • 多く持つことで豊かになろうとすれば、友情も幸福感もなくなる。持たないことで豊かになろうとすれば、質も満足感も高い生活を送ることができる。
  • 「虚飾的な習慣」を身につけようとしなくてもいい。自分に合わない習慣はやめる。幸福感や達成感が得られないもの、自分の生活や愛する人の幸せに必要でないものには時間をかけない。
  • 自分の人生を編集する。不満のたまる会議や出張、人間関係は切り捨てる。
  • 人間のやることの多くは、エネルギーを消耗するだけで、役には立たない。それどころか害にすらなる。心配が最たるもの。
  • 「どうすれば、より少ない労力で、より多くの成果が出せるか」とつねに問うことが重要。労力を増やして改善しようとすると落とし穴に陥る。それまでと同じ努力を繰り返してしまうから。
  • 逆に、少ない労力で多くの成果をあげようとすれば、これまでとは違う方法を必死になって考えなければならない。そのためには、少ない労力で多くの成果を生み出す「行動」を選ぶこと。

(学んだこと)

買い物、習慣、人間関係を含め、余計なことに手を出さずに自分らしく生きようということです。

「あれも、これも!」と求めるのではなく、何事についても「絞り」が重要ですね。次のコラムはこちらからどうぞ!

いかがでしたでしょうか?

最後に下記の3点を追加します。

  •  お金も労力もかけないで日常生活を劇的に改善する方法が次の通り紹介されています。
  • 「ありがとうと言う」
  • 「感謝の気持ちを示す」
  • 「愛情を表現する」
  • 「朝日や夕日を見る」
  • 「動物や植物の世話をする」
  • 「顔見知りや通りすがりの人に笑顔で挨拶する」
  • 「誰にでも親切にする」
  • 「美しい場所を散歩する」

 

  • 何かを始めるとき、最初は大変だが、慣れるにしたがって楽になり、しまいには、やらないでいるよりも、やった方が楽だと思うようになる。「習慣」をうまく使うことが重要だ。

 

  • 「時間管理」ではスピードアップしろと教えられる。だが、実現したためしがない。必要なのは時間管理ではなく時間革命。スピードを落とす。心配するのをやめる。自分にとって何が大事かをじっくり考える。重要なのは、いま、この瞬間。過去にこだわったり、未来に心を煩わせたりしてはいけない。「いま」という瞬間に集中し、とことん楽しむこと。

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