【関口のつぶやき、感じたこと 097】 

2024年 10月 25日(金

  • ホワイトカラー消滅
  • グローバルなエリート
  • エッセンシャルワーカー

こんにちは、関口です。

2年前に読んだ『2025年日本経済再生戦略 国にも組織にも頼らない力が日本を救う』という本を再読しました。同時期にたまたま視聴したYouTube動画には、同書の著者の一人である冨山和彦氏が出演しており、最新刊の『ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか』(この10月に出版)の内容について語っていました。

2年前に出版された本を再び読み、冨山氏が出演するYouTube動画を視聴したのですが、氏の「ホワイトカラー消滅」に関する主張は一貫していると感じました。冨山氏の提言は、日本が直面する新しい時代の課題と、それに対する解決策を見事に描き出しています。

特に、企業内共助という仕組みからの脱却、自己幸福感の追求、そしてホワイトカラーの消滅についての指摘は、現代の日本社会の現実を鋭く捉えていると感じました。

昭和的価値観からの脱却と自己変革の必要性

冨山氏が強調するのは、かつての「横並びの価値観」から脱却し、「自分だけの幸福感」を追求することです。日本の大量生産・大量販売ビジネスモデルは、年功序列に基づくピラミッド型組織を前提としてきました。

しかし、これからの時代には、組織に依存せず自立的に生きる力が求められると冨山氏は述べています。また、ビジネスモデルの変化に伴い、これまで企業の中間管理職として組織を支えてきたホワイトカラーの多くが、その役割を失いつつあるとのこと。

この流れの中で求められるのは、自己変革への積極的な取り組みです。つまり、単なる業務遂行者としてではなく、新たなスキルや価値を提供できる存在へと変わることが重要だと強調しています。そして、冨山氏は、グローバルエリートと技能専門職(つまり、エッセンシャルワーカー)に二分化すると強調しているのです。

本質的な価値と教育の再定義

冨山氏はまた、ビジネスの原点に立ち返り、「人々が何に価値を見出し、何にお金を払うのか」を問い直すことが重要だとも述べています。

そして、私たちの日常を支えるエッセンシャルワーカーこそが、本質的な価値を持つ仕事であり、それに対して適切な評価をすべきだと指摘しています。「東京の一流企業のサラリーマンの仕事が高度な「仕事」だと思っていたら、大きな間違いだ」との述べている通り、エッセンシャルワーカーをかなり持ち上げているのです。

さらに、教育の在り方にも触れ、グローバルなエリートと技能専門職にニーズが二分化する中で、大学はその役割を再定義し、グローバルに通用する教育とローカルに役立つ実務教育に特化する必要があるとしています。この再編こそが、社会の再生に不可欠な要素だと述べています。

『2025年日本経済再生戦略』と『ホワイトカラー消滅』の一貫したメッセージは、日本が新たな資本主義へと転換するために必要な変革を明確に示していると考えています。政府や企業、そして私たち一人ひとりが昭和的な価値観から脱却し、自立と変革の精神を持って前進していくことが、新たな日本の再生をもたらすことを期待したいです。

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