戦略とプロセスを明確化した事業デザイン:
自らに選択肢があることを知りながら「できない」を「できる」に!
【関口のつぶやき、感じたこと038】
2019年 12月 14日(土)
こんにちは。戦略プロセス経営実践会の関口です。
本日のテーマは「新しい協働の形、エコシステム戦略とは?」です。これから紹介するのは、書籍「BCGが読む経営の論点2020」から学んだ内容になります。
本には『デジタルが変える「協働」のルール』というタイトルが付けられていましたが、今後は顧客接点と顧客情報を押さえた企業が影響力を増していくということ。そこでは「協働」が求められます。その理由は、自社単独で入手できるよりも、はるかに幅広いデータを活用してサービスを設計・提供し、高速で改善させていくことができるようになるからです。
ポイントは、競争のロジックが変わってきたということ。従来は、業界の境界の中で少数の企業が製品の差別化により競争する構図でした。この構図が崩れてきたのです。これからは関連する多様なステークホルダーと柔軟な形で連携することで、自社のサービス・製品の競争優位性を高めていく! そういう戦い方が重要とのこと。
そこで最も必要とされるのがデータの獲得。データに基づく顧客理解、顧客へのアクセス、迅速なフィードバックを通じた急速な学習により、企業の影響力が増すからです。
今後はIoTの普及により、データでつながるハードウェアが増加します。より多くつながり、より多くのデータが入手可能となり、よりデータ利用の可能性が高まります。だから今後、従来とは異なる形の協業が必要になるのです。
従来型の協働は、同一業界における1対1の契約に基づく関係であることが一般的でした。これに対して、これから必要なのは、ある企業を中心に、複数の業界にまたがる数社から数十社にのぼる参加企業が、契約だけではなく、共通のデータをベースとしてさまざまな協業の形でつながる形。本には、そこで中心的な役割を担う企業を「オーケストレーター」と表現していました。
オーケストレーターの典型は、グーグル、アマゾン、フェイスブックなど。彼らは、オーケストレーターの中でも最上位に位置する存在です。本の筆者はそれを「スーパープラットフォーム」と名付けていました。
スーパープラットフォームはグローバルでも数えるほどしかありません。しかし、ニッチ領域に特化したデジタイザー・ネットワークやプラットフォームであれば、さまざまなプレイヤーが中核データを取得し、オーケストレーターになれる可能性があるとのこと。
ちなみに、「デジタイザー・ネットワーク」とは、例えば、ロボット掃除機メーカーがオーケストレーターとなり、エコシステムの参加プレイヤーに掃除機の稼働や清掃状況のデータを提供するというような、単一の製品をデジタル化したい場合に有効なエコシステムとのこと。
また、「プラットフォーム」とは、単一製品・サービスを核としたデジタイザー・ネットワークから、同一のデジタルプラットフォーム上の複数の製品・サービスへと、対象を少し広げたエコシステムとなります。
とにかく、新しい勝ち方やデータを通じた価値をいかに定義できるかが、現状のシェアや規模よりも重要になるのです。
以上の通り、類似製品・サービスで競争を展開してきた競争環境とは大きく異なり、まさに競争のロジックが変わってきたのです。業界の垣根を越えた企業ネットワークを築くことがエコシステム戦略であり、その中核にあるのがデータ。データによりつながった世界が形成されるのです。
年間売上10億円規模の中小企業の新規事業向け
勝てる(新規)事業の戦略とマーケティング
「損益構造の見える化」で収益最大化を目指すポイント!