【マーケティング014】 

2021年5月12日(水)

こんにちは、関口です。

緊急事態宣言は今日から延長期間に入ります。

さて、本日は、私が販売している教材『あなたの事業を丸裸にすれば次なる打ち手が見えてくる』に記載してある内容から、次のキーワードに関連する文章を抜き出し、一部加工してお伝えします。

・強み ・セグメンテーション ・ターゲティング ・ポジショニング

まずは下記について少し考えてみてください。

  • 市場であなたの会社が顧客を獲得するためにはどうすれば良いでしょうか?
  • 市場で競合他社に対して勝つためにあなたの会社は何をすべきでしょうか?
  • どうすれば顧客満足度を高めることができるでしょうか?

 

経営者であれば、このようなことを明確化しなければならないと思うのですが、最初にやるべきことは何でしょうか?

最初にやるべきこと、つまりスタートは「自社の強み」を明確化することです。私が運営している戦略プロセス経営実践会が支援することは「『自社の強み』を活かして『現状』から『ありたい理想の姿』へ駆け上がる戦略ストーリーをつくり、目標を提示し、そこへ達するためのアクションを明確化すること」となります。

「自社の強み」をよく見極めることが事業戦略を作成する上でキーになるのです。

さて、あなたの会社が激しい競争市場の中で勝つためには、競合に対して“優位性のある強み”にフォーカスしなければなりません。「競争優位性」を持つことです。「競争優位性」とは自社が競合他社に対して有する優位性のことです。それは「強み」を特別な領域で活かすことによって競合他社に負けない価値を提供することです。

ここで注意していただきたいのは、「特別な領域で活かす」ということです。なぜなら、ご自身が「ウチの強みは●●だ!」と思っていても、それを活かす場所を間違えてしまうと、強みが発揮できなくなってしまうからです。

例えば、「俺は走るのが得意だ」と言う人が「100m走」では速くても、同じように走ることとはいえ「ハーフマラソン」という異なるレースではまるで勝手が違うのと同じです。

とにかく、企業は狙ったターゲット顧客に競合他社よりも優れたサービスを提供できるコアコンピタンス(core competence)を開発することによって競争優位性を創造します。コアコンピタンスは、企業の中核となる強みのことです。

英語のcore には中核という意味があります。「自社の強み」の中核が「コアコンピタンス」、これが「競争優位性」をもたらすのです。重要なことは、あなたの会社が競争優位性をどう獲得するかを明確にすることです。

これなしに市場に参入すると悪戦苦闘を強いられる、そう私は考えています。

だから、私が指導する際は、いつも最初に「強み」を明らかにすることに努めているのです。

ポイントは、あなたの会社のコアコンピタンスが何であるべきかを考え出し、それらを競争優位性に変えていくことです。そこで先に述べた通り、全ての始まりは「自社の強み」となるのです。弱みにフォーカスする(無理に弱みに手を付ける)のではなく、強みにフォーカスするのです。

「自社は何を得意とするのか?」「今まで経験があり成果が出ていることは何か?」などをよく検討することです。つまり、「ウチの専門性はどこにあるのか?」ということをよく理解した上で戦うことです。

次のテーマは「セグメンテーション」です。マーケティングの世界で非常に有名なフィリップ・コトラー氏が重視しているのが「STP」です。これはSegmentation、Targeting、Positioningの頭文字です。市場を細分化し、そこでフォーカスすべきターゲットセグメントを決定する。そのターゲットセグメントにどう認識されるか(ポジショニング)ということです。セグメンテーションとは市場を細分化することです。市場の細分化については実にさまざまな切り口が可能です。

このセグメンテーションに関して、実は面白いことがわかったので次の通りお知らせします。

私は「独立経営コンサルタントの今すぐ改革」というプログラムを通じて、独立した個人コンサルタントの指導もしていますが、たまにかなり苦労することがあります。その苦労とは、ある資格を取得するためにマーケティングを勉強してきたはずのコンサルタントの方が、いきなり「セグメンテーション」でつまずいてしまうことです。

ECサイトなどを通じて物売りをしている人たちは、彼らが「セグメンテーション」という言葉を知らなくても、考え方さえ教えてあげればすんなりと作業が進むのです。それがコンサルタントを相手に行うと難しいことがあるのです。これは、一体、なぜでしょうか?

私は後にあることに気づきました。セグメンテーションのポイントの一つは、顧客のニーズ・願望に注目することになりますが、物売りをしている人たちは、日頃から商売を通じて顧客との接点があるため顧客のニーズや不満などをそれなりに意識し、理解しているのです。嫌でもよく注意しなければならないとも言えます。

ところが、いきなり「セグメンテーション」でつまずくコンサルタントに共通していることは、顧客のニーズや願望を把握していないということです。まだコンサルタントとしての商売を始めていない人、あるいは、看板を掲げているだけで何もしてこなかった人がつまずくのです。セグメンテーションという一見すると簡単そうなことが非常に難しくなってしまうようです。

つまり、私がこことでお伝えしたいことは、「セグメンテーション」という言葉を知っているだけでは殆ど意味がないということです。

少し話が脱線しましたが、小さな会社が勝つポイントは、大きな市場を浅く広く狙うというよりも、むしろ狙うべきセグメントにフォーカスして狙うべき市場を明確にすることです。先に「競争優位性」について説明しましたが、あなたの会社の競争優位性を最大限に活かせるセグメントで勝負するのです。

勝負する市場がどこであれ、あなた自身やあなたの会社をそのセグメントにおける専門家として位置付けることです。強みを活かして専門分野を絞り、まずは特定のニッチ市場を制することです。 

攻めるべきセグメントだけにフォーカスしなければならないのはなぜでしょうか?

大きな理由の1つは世の中が多数の情報で溢れているにもかかわらず、顧客に選んでもらわなければならないからです。情報が溢れんばかりの世の中です。どの人も1つ1つわざわざ比較して検証している余裕がありません。だから、あなたが提供する製品・サービスのコンセプトを単純化し、その分野における専門家であると人に認知されない限り、実に簡単に見過ごされてしまうのです。

では一体、どうすれば「溢れんばかりの情報の山の中からあなたの会社の存在を知ってもらう」ことができるのでしょうか? どうすれば、「●●といえば〇〇社(あなたの会社名)」となるのでしょうか? そのポイントはあなたの会社が●●の製品やサービスを提供しているということを顧客(潜在顧客)に認知してもらうことです。認知してもらうということは「●●といえば〇〇社だ!」と思ってもらうことです。 

これは潜在顧客の頭の中におけるあなたの会社のポジションによって決まります。要するに、「あなたの会社が潜在顧客からどう思われる存在であるか?」ということです。潜在顧客の頭の中におけるあなたの会社のポジションとは、つまり「ポジショニング」ということです。

この言葉の定義を調べてみると、「競合を差別化できる独自の位置取り」「市場における競合製品に対しての自社製品の位置付け」などと説明されています。

つまり、顧客の頭の中にある他社と比較した時、あなたの会社の製品・サービスがどのように位置付けられ、どのように思われているかということです。認知は潜在顧客の意識の中のあなたの会社のポジションによって決まるということです。

一般的に既存の市場が成長していくと、それが他のさまざまなニッチに分かれていき、個別のニッチ市場が形成されていきます。次から次へと新しい製品やサービスが出てきて市場の環境が変わり、これまで以上に情報の嵐が吹き荒れるので必然的に市場が分割されていきます。「市場は分割していく」ということ。

あらゆる分野の事業でそのような市場分割が起きて、今後も一層それが進むはずです。だからこそ、あなたの会社をあるセグメントの専門家として位置付けなければなりません。そこで焦点を絞り込み、特定のニッチ市場を制すること、それが私がいつも伝えている「成功パターン」をつくり上げることにつながるのです。

STP、ちゃんと理解できましたか? イチバンになれなくても、「なれそうなところ(セグメント)」を探し、そこで勝負しましょう。

繰り返しますが、市場で勝つためにはまず勝てそうな分野(領域)を明確にすることです。勝つためのセグメンテーションです。あなたの会社が提供できることでイチバンになれそうな勝てるセグメントを探し出すことです。

ポイントの 1 つは専門を絞ることで知識が深い専門家と位置付けること。もう 1 つはそこでリーダー的な存在になることです。そうなればあなたの会社のポジショニングは既成事実となるのです。

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