【経営・戦略012】 

2019年 3月 4日(月)

前回のコラムに続き『コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法』という書籍から、私が「中小企業にも役立つ!」と判断した内容をお伝えします。

前回は、何が本質的な問題なのかをきっちりと見極める「課題設定」がポイントであるということをお伝えしました。この課題設定には、直感的なひらめきが必要で、それが無ければ何も始まりません。そして、実際の問題解決に進んでいくためには、その課題を分析できるよう、いくつかの塊に分けていくことが必要となります。

この課題を分ける作業が「構造化」となり、具体的には「イシューツリー」を用いることになります。

イシューツリーを用いる際に必要であり、本日の1つ目のポイントが「MECEMutually Exclusive and Collectively Exhaustive)」という考え方です。漏れなく、ダブなく、分けていくことを意味します。

ただし、全体を全てカバーするのはとても大変です。そこで、MECEに加えて必要な考え方が「8020の法則」であり、これが2つ目のポイントとなります。問題全体を100とすると、問題の本質的な在りかはだいたい20くらいのところにあります。そこで重要な20%だけにフォーカスすれば、だいたいの本質が見えてくるのです。

ここでは何が本質的な20%であるかを見極めることが重要であり、そのためには3つ目のポイントとなる優先順位を付けることが必要なのです。

優先順位を付けることに関しては、「インパクト」と「実施スピード」という2つの軸を用い、それぞれ3つのレベルに分ける例が書籍に紹介されていました。「インパクト」および「実施スピード」のそれぞれを1,2、3と3レベルに分ければ、3✕3で9つのエリアに分けることができます。

どの課題についても、9つのエリアのどこかに割り振ることができるようになります。9つのエリアの中でも「インパクトが最も高く」かつ「実施スピードに最も速い」課題から手を付けていくのが良いのです。

ところで、「インパクトが最も高い」が「実施スピードが最も遅い」ものがありますが、このような課題についてはどう対応すべきでしょうか?

これに直面したら、その課題を細分化してみましょう。そうすれば、「実施スピードが速い」ものに仕立て直すことができ、取り組みやすくなります。

ただし、最初の構造化で本質的な課題に到達することは殆どない、とのことです。構造そのものを何回も作っては壊し、再構成してみる必要があるのです。

また、著者は「問題解決が済んでから実践に移すというリニア思考では生きている問題は解けない」と述べています。だから、まず実践してみて、そこからの学びを踏まえ、イシューを再定義するというスパイラル・アプローチをオススメしています。

さらに、細かく分析すればいいというものではないのです。それでは時間ばかりが掛かります。「これとこれとさえ、わかればいいはず」と割り切ることがポイントです。イシューアナリシスは、WhyWhatWhy not yetHowの順番で行くことが基本なのです。

書籍「コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法」の紹介については、あと数回続きます。次のコラムは、こちらから!

問題の構造化について、お役に立ちましたか?

MECE、80:20の法則などはとても重要な考え方です。80:20の法則については、「ビジネス書007」のコラムを参考にしてみて下さい

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