2023年11月3日
新規事業では、「どう売るか」よりも、「どの市場で戦うか」が成功を左右する。
こんにちは、関口です。
前回のコラムでは、新規事業が失敗する理由の一つとして、「戦略より先にツールや手法を選んでしまうこと」をお伝えしました。
今回は、もう一つの大きな原因についてお話しします。
それは、市場選定を誤ることです。
どれほど優れた商品や営業手法があっても、参入する市場やビジネスモデルを間違えれば、新規事業は成功しません。
新規事業を始める際、多くの経営者は、
「市場が伸びている」
「同業他社も参入している」
という話に魅力を感じます。
もちろん、市場が成長していることは重要です。
しかし、それだけで参入を決めるのは危険です。
本当に確認すべきなのは、
自社が勝てる市場なのか
商圏は十分にあるのか
利益を出せるビジネスモデルなのか
という点です。
ある地方企業では、成長市場といわれる商品の販売代理店となり、新規事業を始めました。
立ち上げ当初は、社員の紹介などもあり順調に契約を獲得しました。
しかし半年ほどで新規契約はほぼ止まり、その後は月に数件しか増えなくなりました。
原因は営業力ではありません。
市場選定にありました。
その会社は、本業の自社自社配送エリアだけで新事業を展開していました。
全国市場は数千億円規模でしたが、自社が実際に営業できる商圏は非常に小さく、仮にそこでNo.1のシェアを獲得できたとしても、大きな売上にはならない構造だったのです。
さらに、配送エリア外は代理店へ紹介する契約だったため、自社で利益を積み上げることもできませんでした。
つまり、「市場は大きい」のに、「自社が勝負できる市場」は極めて小さかったのです。
新規事業では、
「どう売るか」
よりも前に、
「どこで戦うか」
を考えなければなりません。
市場規模、競争状況、商圏、利益構造。
これらを十分に検討しないまま参入すると、その後どれだけ営業やマーケティングに投資しても成果は限られてしまいます。
YouTubeやSNS、広告運用などの販促手法を工夫することは大切です。
しかし、それらは市場選定が正しかった場合に初めて効果を発揮します。
新規事業では、前工程の判断が後工程の成果を大きく左右します。
だからこそ、市場を選ぶ段階こそ、最も慎重に時間をかけるべきなのです。