2022年11月12日
本来の経営計画からかけ離れたものを「経営計画」と称している会社が多い。
こんにちは、関口です。
今回のコラムでは経営計画について掲載します。
さて、中小企業で「経営計画」を作成しているところは増加しているそうですが、それを実践に活用できている会社は5%未満とのことが「小さな会社は経営計画で人を育てなさい」という「あさ出版」から発行された本に書かれていました。
5%という数字はかなりいい加減だと思いますが、大半の中小企業において経営計画を経営に活かせていないと私も痛感しています。というか、経営計画の必要性を実感していない中小企業がかなり多いと考えています。
「経営計画を作成している…」という場合においても、作成することが目的となっており、経営の計画だけで終わる会社が圧倒的多数ではないかと思います。
書籍「小さな会社は経営計画で人を育てなさい」によると、本来の経営計画からかけ離れたものを「経営計画」と称している会社も数多く見受けられ、この経営計画もどきは大きく3つのパターンに分類できるとのことです。
1つ目は、「数値計画パターン」となります。これは金融機関から融資を引き出すために作成されるものであり、自社の理念やビジョンを達成するための「経営計画」とは目的が違います。
本によると、このような数値計画を中心に構成された経営計画は税理士事務所やその関連のコンサルティング会社が推奨しているものに多く見られるとのこと。特徴は数字が中心でどうやって目標達成していくのか戦略がないことです。
2つ目は、「理念・ビジョン・ミッション強調パターン」です。これは理念やビジョンなどは掲げているのですが、それを実現するために必要な事業計画や理念が欠けているとのこと。理念が社員までしっかり行きわたっている場合でも、どうやってそれを実現していくのかというプロセスが明確になっていないため、成果につながっていないのです。このパターンでは横文字の活用が多いことが特徴だとのこと。
3つ目は、業務規則集パターンとなります。「~に関する方針」「~のルール」など会社の取り決めやルールを経営計画として運用しているのです。社員に会社のルールを守らせることが目的になっているのです。特徴は非常に細かく、ページ数が多いことです。
以上の3つが「経営計画もどき3パターン」として本に紹介されていましたが、私だったら「補助金獲得向けパターン」も追加で載せると思います。
これは、金融機関から融資を引き出すことが目的の「数値パターン」に似ています。目的は、補助金を獲得するためです。「ものづくり補助金」やコロナ禍に出てきた「事業再構築補助金」などさまざまな補助金がありますが、これらの審査を通過するために体裁よく書類を作成すことです。
多くの中小企業診断士がこのような補助金獲得の支援を行っています。本来、必要とされる経営計画の必要性を主張しても「その通りです。だから手伝ってください」と支援を求めてくる経営者は少数派でも、補助金申請の支援であれば一定以上のニーズがあります。
経営者は補助金の獲得が目的であり、経営計画書は提出書類だから仕方なく用意にすぎません。そもそも経営計画の必要性については実感していないのです。だから、補助金獲得の支援を行っている中小企業診断士のヒアリングに協力することはあっても、原則、経営計画書の作成は診断士にまる投げ。
残念ながら、このように融資のため・補助金のための計画書を作成している限り、社員が活用することはないのです。
経営計画の必要性を実感していない中小企業が多いと冒頭に書きましたが、それはなぜでしょうか? 私は、経営計画書を作成・運用すべき理由を理解していないからではないかと考えています。
「小さな会社は経営計画で人を育てなさい」には、経営計画書を作成・運用すべき3つの理由が次の通り紹介されていました。
理由1:社長と幹部の歩みを一つにできる
理由2:社長が覚悟を決められる
理由3:まわりからの支持が得られる
上記の通り記載されていましたが、私は少し異なる意見(異論)を持っています。例えば、「社長と幹部の歩みを一つにできる」とありますが、これだと社長や幹部が社員を管理するための文書として活用するものが経営計画書になります。私は、そうではないと考えています。「社長や幹部だけでなく、社内にいる全員の歩みを一つにできる」ことが理由だと考えています。
理由2の「社長が覚悟を決められる」についても同様です。社長だけが覚悟を決めて、「お前ら頑張れ!」と社員を鼓舞するのではなく、目標や方向性を明確に示すことによって社員全員が「よしやるぞ」となるよう背中を押す役割を担っていると考えています。