2021年6月14日
顧客の「購入パターン」が見えていれば安心して投資ができる一方で、見えていなければ非常にリスキーな事業展開になる。
こんにちは、関口です。
事業で顧客を増やすことを考えると、実にさまざまな方法で集客することが可能です。例えば、ブログやSNSに記事をアップし、アクセスを集めることができます。
しかし、やったことがある人ならよくわかると思いますが、お金を掛けずに記事を書くだけでアクセスを集めることは意外と大変です。成果が出るまで時間が掛かるからです。いつまで経っても成果が出ないことも多々あります。
たまに10記事程度しか掲載していないにも関わらず、「アクセスが少ない!」と文句を言っている人を見かけますが、10記事をアップした程度ではなかなかアクセスが集まらないのです。
では、手っ取り早く集客するにはどうすれば良いのでしょうか?
どうすれば手っ取り早く集客できるでしょうか?
それは「広告を出す」ことです。
しかし、広告についても、オフライン(新聞・雑誌など)およびオンライン(PPC、FB、YouTubeなど)、さまざまな媒体をやってみればわかるはずですが、実はあまり喜ぶべき手法ではないのです。
私は通販事業の責任者として毎月数百万円を投入し、実にさまざまな媒体にチャレンジしたことがありますが、「広告は必ずしも喜ぶべき媒体ではない」ということを痛感しています。
例えば、10万円を広告に投資し、いきなり20万円、30万円ものリターンを得られるケースは稀です。多くの場合、10万円を投資しても2万円、3万円程度のリターンしか得られないはず。このように多くのケースにおいて、損をしてしまいがちなのです。
では、損をすることがわかっていながら、なぜ広告を出すのでしょうか?
その理由は、リピートで収益を上げるビジネスモデルが構築されているからです。顧客単位で損益をみた場合、当初は赤字覚悟で集客したとしても、後に黒字化することがある程度の確度で期待できるから投資するのです。
少し詳しく説明しましょう。
説明のために、下記の通り仮定してみます。
新規の顧客を1人獲得するために必要な費用:¥15,000
顧客単価(購入1回当たりの売上):¥5,000
上に書いた例によると、わずか¥5,000の売上を獲得するために、なんと¥15,000もの費用が掛かっていることになります。
実際には事業の運営について、広告費以外にもさまざまな費用(固定費および変動費)が発生します。しかし、ここでは上に書いた広告費のみが発生すると仮定しましょう。
上記のケースでは、広告を出せば出すほど損をすることなります。でも、顧客が3回買ってくれれば、「損益分岐点」に達することになります。
¥5,000 X 3回 = ¥15,000
だから、事業として利益を出すためには、顧客から少なくても4回は、買ってもらわなければなりません。
ここまでは理解できますか? わからない場合は、ちょっと頭の中で計算してみて下さい。
ここで少し頭を切り替えてみましょう。
既述の数字を頭に入れて、1人当たりの顧客の購入回数が3回ではなく、6回であると仮定してみましょう。これは、1回しか買わない顧客が多数いる一方で、10回 、20回とリピートする人もいて購入回数にバラつきがあっても、全顧客の購入回数を平均化すれば6回になるということです。あくまで平均値ということになります。
この場合、時間の経過と共に(赤字から)黒字化することになります。しかし、顧客が3回購入してくれるまでの期間は嫌でも赤字の状態が続きます。お金の持ち出し期間(半年? 1年? 2年?)があるということになります。
いくら赤字を出し続けても、資金力があれば事業は継続できます。しかし、資金が途切れてしまったら、後に黒字になることが期待できても事業はおしまいです。
だから、「平均してお客さまが3回購入してくれるまでに、どのくらいの期間が必要だろうか?」ということ(時間軸)を必ず把握しておくことが大切です。3カ月でしょうか? 6カ月くらいになるのでしょうか? それとも、もっと長くなるのでしょうか?
その期間が長ければ長いほど赤字から黒字までに要する時間が長期化し、資金繰りが圧迫することになります。なぜなら、黒字化するまでの期間中も、「後の黒字化のため」に、新規顧客の獲得という投資を続けなければならないからです。
つまり、後に黒字化する収益構造であることがわかっていても、赤字から黒字に転換するまでの期間が長いと(時間差があると)、広告投資をすればするほど赤字が膨らんでしまうのです。
この「時間差」の理解は非常に重要です。なにせ資金が限られている事業者の資金繰りを苦しめる原因になるからです。一刻も早く「黒字化」転換させれば、資金面で苦しまずに済みます。一方で、資金がある会社であれば、後に回収できることがわかっているので、多少の資金の持ち出しは気にならないでしょう。
なお、ここで重要なのは、「顧客の購入パターンを把握しているかどうか?」ということになります。広告に投資することで獲得した顧客は、次にどのような行動を取るのか? 顧客単価はどのくらいになるのか? 結局、完全に離脱するまでにいくら使ってくれることになるのか?
こういうことが見えていれば、10万円の広告投資をした際に(初回購入では)2万円、3万円程度のリターンしか得られくても、何も不安になることはありません。
ところが、購入パターンが見えていないまま、やみくもの広告を出すと、本当は後に黒字化へと転換できる可能性が高いにも関わらず「広告で大損した!」と大騒ぎすることになります。
繰り返しになりますが、顧客の「購入パターン」が見えていれば安心して広告に投資できる一方、見えていなければ非常にリスキーだということ。
これは別の言い方をすると、ご自身の事業の「成功パターン」が見えていれば、安心して施策を打つことができる一方、見えていなければ暗中模索の事業になってしまうということです。